7.効果
どうしようもない沈黙が続く、どうしようかなー。沈黙ながらも二人で「どうするよ」と無言の鬩ぎ合い。意外と気が合うの? これってそういう理由? それとも押し付け合っているだけ? あー、探り合っているという事もあるか。お互い起きていることが想定外すぎるもんね。
「あっー!!! ゆう!!!!! いたー!!! 良かった」
最後だけ滅茶苦茶落ち着いたな。友人よ久しぶり、というかさっきぶり? 唐突に割って入って来たのは眩いばかりの人だった。
「エル」
あー・・・。エルってエルフのエルってこと? 耳尖ってますよー。金髪サラサラだし、翠の瞳が煌いているよ。昔からとんでもなく綺麗な子だっていうのは知っていたんだけどさ、映画の登場人物のようだね。あっちにいた頃は加工してた? 勿論、逆に目立たないように、覚えていたら後で聞いてみよう。それにしても、この画面効果のようなキラキラはどうなっているの?
「ごめん。ちょっと降ろす所ずれちゃった」
「おーい。謝罪、軽いよ」
「無事に再会できたし? 短時間だし?」
「まあね。特に何も無かったからね」
とりあえず、手を合わせて再開を喜ぶ。そんな私達に、この場にいるもう一人も問い掛けてくる。
「お知り合いか?」
「あ、将軍。将軍が助けて下さったのですね。ありがとうございます」
「いや。自力で辿り着いていたが」
「・・・ああ。それは失礼しました」
エル、キラキラが減退しているよ。やらかした? うんうん。そっか、将軍かー。強そうだもんね。それにしても、説明して。何がどうなって、こうなっている訳? 知っているんでしょう、エル? ちなみにエルは渾名で、本人がそう呼んでと言っていたんだったよね。しかも外見というか色味が変わっているし、それも含めてよろしくね。