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#記念日にショートショートをNo.54『時燃ゆ』(The Times Burn)

作者: しおね ゆこ

2021/2/11(木)建国記念の日 公開

【URL】

▶︎(https://ncode.syosetu.com/n4036ie/)

▶︎(https://note.com/amioritumugi/n/ndcc1893cf11b)

【関連作品】

なし

 4人はいつも一緒にいる。しっかり者で真面目な海,男らしさとリーダーシップのある俊,元気でよく笑う三葉,大人しく謙虚な瀧。海と俊はお互いに惹かれ合い、三葉と瀧もまたお互いに惹かれ合っていた。

彼らは、どこにでもいるような普通の高校生だ。学校に行って勉強し、友達と笑い合い、時に恋をする。

しかし、彼らにはある秘密があった。

その秘密は、彼らが出会ったあの日から始まった。

1964年、初の自国開催であるオリンピックまで、100日を切った日。

この日、街に彗星が落ちた。

予測できない事態に、世界は錯綜した。情報網の乱れ、医療機関の崩壊、治まらないざわめき、混乱…………。

しばらくして騒ぎが治まると、世界は一変していた。

彗星が落ちたからではない。

一瞬のち、世界は、2021年へと、時を移していた。

西暦の数値だけが変化し、人々の年齢は変わっていなかった。

みんな、当たり前のようにスマホを持っていた。当たり前のように、インターネットが普及していた。すぐそこに、二度目の自国開催のオリンピックを控えていた。

ただ、西暦の数値だけが、突然変化したのだ。

人々は、突然のあまりにも大きな変化に戸惑った。誰もが、夢と言い訳出来ないそれに畏怖を覚えた。

しかし、彼らだけは違った。

彼らは、何故時が動いたのか知っていたのだ。何故突然、57年もの月日が流れたのか。何故、自分たちの年齢は変わらないのか。

彼らは心の奥底で、自分たちの存在が時の移動を創り出したことを悟っていた。また、彼らはそれぞれ、自分と同じ境遇の人間が他にいることも悟っていた。

そして彼らはある日、バス停で出会った。いたって自然に、何の示し合わせもなく。彼らはお互いに頷き合うと、山奥にある洞窟へと向かった。

彼らはそこにあった口噛み酒を飲んだ。

再び、➖今度は何の動きもなく、世界が動いた。

そこに、最初から2021年だった世界が現れた。

人々の心に居座る大きな齟齬も微細なズレも、すべてが消え失せた。

神は磁石で結び付けるように、彼らに褒美として愛情と友情を授けた。

彼らはいつも、一緒にいる。

【登場人物】

○松崎 海(まつざき うみ/Umi Matsuzaki)

●風間 俊(かざま しゅん/Shun Kazama)

○宮水 三葉(みやみず みつは/Mitsuha Miyamizu)

●立花 瀧(たちばな たき/Taki Tachibana)

【バックグラウンドイメージ】

◎パスティーシュ題材

○宮崎 吾朗 監督作品/『コクリコ坂から』(From Up On Poppy Hill)

○新海 誠 監督作品/『君の名は。』(Your Name.)

【補足】

【原案誕生時期】

2020年8月頃

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