95話 白銀の盾とプライス
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(あぁそうだったなギマン。俺は凡人だが、お前らの為ならこの命差し出せるぐらいの覚悟はある。そうと決まればやる事は1つだ)
カイルはノスクレイ要塞でのやり取りを思い出し、覚悟を決める。
「《死と踊る》!!」
スキルを発動し、プライスからの攻撃とヘイトを全て受ける。
「ん!?なんですかこれは! 身体が勝手にあの男を標的に定めてしまう! まぁ、いいでしょう。殺す順番がただ変わっただけです」
「バカイルなにして!? ...その覚悟無駄にしない」
アザミと交戦していたプライスは急に、自身の攻撃がカイルの方にしか定まらなくなった事に驚く。
だが、今のカイルに抵抗など出来まいとたかを括り、先に始末しようと糸の槍を構える。
アザミは突然プライスがカイルへと槍を構えたことから、スキルを発動したのがわかり、何をしてるんだと言いそうになったが、カイルの目を見ると考えを変える。
その目は死を覚悟した者だったからだ。
俺が死んでもこいつを止める。だからその隙にやれとカイルの目がそう語っていたのを感じ、アザミはその覚悟に応える為、必ず仕留めると誓った。
「何かヘイトを集めるスキルでも使いましたか!? そんなに死にたいのなら先に殺してあげますよ! 《連鎖する爆撃》!」
プライスはカイルの足元と周囲に仕掛けた爆弾を連鎖するように爆発させ、オーバーキルだが、糸の槍も投擲し、解放した。
(俺は死んでもいい。だが、アザミがあいつを倒すだけの時間は絶対に稼いでみせる。......あぁ、最後にまた皆でバカ騒ぎしたかった)
「糸怨槍戻りなさい。さてと...後はあの耳長族の小娘だけ...ん!? なに!? まだ攻撃が定まらないだと!?」
プライスは糸の槍を回収して、後ろから空中を蹴りながら迫り来るアザミへと槍を向けようとしたが、未だに大爆発の中にいるカイルのスキルは解けていなかった。
「確実に死んだはず!? どういうこう事だ!」
プライスは後ろから迫り来るアザミに焦り、早く仕留めねばと生死がわからないカイルに対して大技を繰り出す。
「《糸魔法 絲迅龍》+《連鎖する爆撃》!!」
糸で出来た巨大な龍がカイルへと襲いかかり、着弾した瞬間に大爆発を生む。
「ハァ...ハァ...これでようやく耳長族の小娘の対処が...は!?なんで!」
自身が撃てる最大火力の技を放ったのにも関わらず、未だにスキルの効果が消えずに焦りまくる。
大爆発が収まり、砂煙がはれると、そこには斧を握っていた両手に白銀の盾を構えたカイルが現れる。
「ヘッ..へへッ。何とか防ぎきってやったぜ! 行けアザミ!」
アザミはカイルが無事を少しだけ喜びつつ、背中を向けているプライスにここ一番の《双王連撃》を放つ。
64の連撃では飽き足らず、プライスがバラバラになり消滅するまで切り刻んでやろうと気迫をみせる。
「ガハッ!! バ、バカなぁぁ! この私が...グホッ! ワイズウェイン様、申し訳...」
その言葉を最後に魔神ワイズウェインの側近、驚き顔のピエロ、プライスは消えた。
アザミは力を使い果たしたのか、空から落ちてくる。
そのアザミをカイルは何とか抱きとめる。
「よくやったな!アザミ!」
「離せバカイル。私に触っていいのはギマン様だけ。でもまぁそっちもよく頑張った」
抱きとめられたアザミはカイルを剣の柄で殴り、離れる。
カイルを褒めることが癪に触るのか、最後の言葉は小さかった。
「わりぃわりぃ! ってか最後なんか言ったか?」
「うるさい!バカイル!さっさとリーシャの所に行って治療」
そう言ってアザミは足早に去っていった。小さなガッツポーズをしながら。
「魔族倒して嬉しいなら素直に喜べばいいのに...。ってかこの盾なんなんだ? 何かめっちゃ凄そうなんだけど! まぁ無事だったわけだし後でギマンに聞きゃいいか!」
自分を守ってくれた白銀の盾の事を1度忘れて、カイルもアザミの後を追う。
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