90話 獄炎牢獄と爆破のカラクリ
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リーシャが放った魔法は、ベルムを黒い空間で覆う。
「くそ!何だ!見えない!《ダメージ応用化》! 壊れないぞこの壁!」
ベルムは閉じ込められたと思った時には、《ダメージ応用化》で壊そうとしたが傷一つ付かない。
そして、その空間の中を燃やし尽くす黒い炎がベルムを襲う。
「ハッハッハッハッ!こんなちんけな炎で俺を殺す気でいるのか?甘いな人間! こんな炎、全て耐えきってこの壁壊してやる」
「ふう、何とか回復魔法が間に合いました。ホント危なかったです。あと少し複合魔法の完成が遅かったら死んじゃってたところです」
リーシャはボロボロになっていた自分の体を癒し、ベルムの叫び声など無視して、もう終わったかのように振舞っていた。
「あっ!言い忘れてました。その魔法はあなたが死ぬまで永遠に消えない炎です。消したければ複合魔法を使わないと無理だと思います! 壁の方は、あなたが1度に大きな威力のダメージを出せない事が身をもってわかったので、一定時間で耐久値が元に戻る仕様にしてます。だからそこから出ることは叶わないと思うので」
リーシャは律儀にも炎の牢獄に囚われているベルムに向けて、技の解説をする。
「なんだとぉぉ!?この!この!ふざけるなぁぁ!俺が人間如きに、こんなところで...」
壁を殴りつける音が聞こえるが、ヒビひとつ入らずにやがてベルムの声は聞こえなくなる。
「疲れましたが何とか勝ちましたー!複合魔法も完成したし、皆さんのフォローに向かいますか」
リーシャは杖を高々と掲げ、勝利を喜ぶ。人類初の複合魔法使いになったことなど知らずに...。
ドォン!ドカァン!
「はぁ、はぁ、どれだけ爆破させたら気が済むんだよ!」
「うるさい。黙って走る。じゃなきゃ死ぬ」
現在カイルとアザミは猛ダッシュをしていた。
戦闘が始まってすぐに2人はプライスへと近づこうとしたら、足元が爆破した。
爆風により、飛ばされた地面からもまた爆破し、走っていないと爆破の連鎖から逃れられないでいた。
驚き顔のピエロ、プライスはその2人の姿を見て拍手しながら驚嘆していた。
「いやー凄いですね!私の《不意打ちの爆撃》をこんなマヌケな方法で回避するなんて!」
その言葉は褒めているというより、バカにしていた。
「おい!言われてるぞ!マヌケって!ムカついてきたぞ!」
「バカイルうるさい。今この爆破の正体を掴もうとしてる」
カイルはただ爆撃から逃れる為に走っていたが、アザミは走りながらも冷静にこの爆撃のカラクリを見抜こうとしていた。
「バカイルわかったかも。この爆撃、罠みたいに私達の足元に設置されている。衝撃を与えるか、あいつが手動で爆破するようになっていると思う」
「なるほど!じゃあこうすりゃいいのか!?《土流岸》!」
カイルはアザミの推理を聞いてすぐに、オピュロイ毒沼でギマンが足場を作り出したように、2人の足元に新たに足場を作る。
「よし!爆破しねぇ!ナイスだ!アザミ!」
カイルはアザミにサムズアップをして褒める。
「バカイル!いいから早く新しい足場を作って!」
アザミはカイルからの褒め言葉に耳を貸さず、新たな足場を作るよう指示を出す。
カイルが慌てるように新しい足場を作り、それに乗る。
すると、最初にカイルが作った足場が爆破する。
「やっぱり。これで確信した。さっきの私の予想通り、設置型の爆弾」
アザミは今の爆撃でプライスのスキルを見切った。
「おぉー!これは素直に素晴らしいですね!あれだけの爆撃に晒されながら冷静に私のスキルを見破るとは!花丸あげちゃいます」
プライスは戦闘が始まってからまだ1歩も動いていない位置で再び拍手をする。
「よっしゃ!てことは新しい足場を作り続けてあいつの所まで行きゃいいって事だな」
「まってバカイル!何か嫌な予感が...」
アザミの忠告を無視してカイルは、土魔法で足場を作り続けてプライスへと接近する。
「やっと攻撃が当たる所まで来たぜ!散々爆破してくれた恨みだぁぁ!」
そう言って最後の足場を蹴り、プライスへと飛び込みながら斧を振るおうとした。
ドォン!!
そんなカイルを激しい爆撃が襲う。
カイルはモロに爆撃をくらい吹き飛ばされる。
「あっ!そういえば1つ言い忘れていました!設置出来るのは地面だけではなく、空中にも仕掛けられるんですよ!驚いてくれました?」




