89話 ダメージ応用化と複合
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近づいてくるベルムに対して、リーシャはそうはさせまいと魔法を放つが、《無痛化》のスキルで受けても走りを止めない。
土魔法で壁を作るが、《ダメージ応用》のスキルで壁を破壊されてしまう。
「なんなんですかもう!ホントにダメージを負ってるんですか!?全くの真顔なんですけど!」
真顔のお面をした相手にそれを言うのはどうかと思うが、リーシャは文句を垂れる。
遂に魔法を撃つと自身まで巻き込んでしまう距離にまで迫られてしまう。
リーシャは付与魔法で《蒼炎》を杖に付与して、慣れない接近戦を覚悟する。
杖を振るうがベルムは避けようともしない。
「《無痛化》」
ベルムの左腕に杖が当たり鈍い音と何かが焼ける音がするが、ベルムは気にせず、リーシャの杖を握る右腕を掴む。
「《ダメージ応用化》」
その状態のままベルムはスキルを発動する。
「がっ...はっ...」
するとリーシャは杖を落とし、吐血した。
「体内から俺が受けたダメージを負う感覚はどうだ? 想像を絶する痛みだろ?《ダメージ応用化》ってのはこういう事にも使えるんだよ」
リーシャはベルムの言っていることなど聞こえず、ただ身体の内からの激痛に耐えていた。
「ぎっ...《天使の聖域》」
なんとか回復魔法を発動してベルムの腕から逃れる。
ふらつきながらも風魔法で距離をとる。
「ちっ、回復魔法まで使えんのかよ。しょうがねぇ、次までに持ち越したかったが、残ってるダメージをある程度使って即死させるしかないか」
ベルムは悪態をつきながら次の手を考えつく。
「あの魔術師との戦いを思い出せ私。カオリさんと私の魔法が合わさった時のあの感覚を。2つの属性をただ撃つだけじゃだめ。合わせないと、身体の中で混ざり合わせないと...」
リーシャは杖を両手で持ち、顔の前まで持っていき目を瞑り、ガストロ戦の感覚を思い出しながら魔力を練り込む作業に入った。
「何ブツブツ言ってやがんだ。気色悪いな。そのまま一生目閉じとけよ」
ベルムは《無痛化》を発動して、どんな魔法が飛んでこようが絶対に耐えうる自信があった。
しかし、いくら近づいても全く魔法が飛んでこない。
ベルムは拍子抜けしたが、自分に都合が良かったのでそのままリーシャの両腕を掴む。
「じゃあな人間。《ダメージ応用化》」
ベルムがスキルを発動させると、リーシャの体内から先程とは比べ物にならないくらいの激痛が襲う。
リーシャは必死に耐えながらも、魔力を練る。
「グッ...違う。まだ...これだけじゃぁ...ゲホッ!」
内臓に傷が入ったのか、またもリーシャは吐血する。
それでもリーシャはまだ目を瞑り魔力を練る。
「なんなんだよいったい!普通なら激痛に立っていられずにもがき苦しんでるはずだろ!いい加減倒れろ!」
リーシャの決して倒れないその態度にイラついたのか、ベルムは残っている全てのダメージをリーシャに流し込もうとした時
カチッ。
と何かがハマる音がした。
「ハハッ...やっと...グッ...出来ましたよ...」
リーシャはそう言って目を開けて、血だらけの口で奇妙に笑う。
その姿を見たベルムは瞬時に両手を離し、逃げるようにリーシャから距離を取った。
ベルムは自身の両手が震えている事に気づく。
「こ、この俺がこんな小娘を怖がっているだと?ありえない!たかが人間如きに!」
今の自分が取った行動にありえないと心の中で恐怖を上書きする。
「来い人間!どんな攻撃が来ようが耐えきって、次こそは必ず殺す!《無痛化》!」
本能では恐怖を感じていながらも、そんな事は許されないとベルムはリーシャへと疾走する。
「良いですよ...耐え...きるものなら...。《獄炎牢獄》」
リーシャは完成した複合魔法をベルムへと撃った。
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