83話 人間領不可侵と魔神の側近
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83話
「まず私がさっき言った情報の中でホントの事は、魔王を倒した事がバレてる。魔神同士の人間領不可侵の誓いのところだけね」
アリステラは優雅に紅茶を飲みながら話し出す。
やはり、報復に来るっていうのが嘘だったか。
「何で俺が魔王を倒した事がバレている。元から俺をマークしていたあんたが知っているのはわかるが、魔神にバレる理由がわからない」
「1人の魔神につき2人の魔王が付き従っているのは知っているでしょ? 魔神ワイズウェインに付き従っている魔王は、あなたが倒したナナシとこの私なの」
さっきから出ていたナナシという名前。
二重複体の名前なのだろう。ここで初めて知れたな。にしてもナナシて、人に変装する自分には名前がいらないってか。
にしてもそのナナシとアリステラが同じ魔神に付き従っているとはな。どんな偶然だよ。
「魔神は付き従っている魔王の存在が消えるとわかるのらしいの。どういう原理かは知らないけどね」
「厄介な事だな」
要はその通知機能みたいな能力がなかったら、俺が魔王を倒した事もこんなに早く魔神にバレなかったというわけだ。
「貴方からしたら厄介よね。そして、人間領不可侵という誓いが魔神同士でたてられた事は、魔神ワイズウェインから直接聞いたわ。なるべく手を出すなとか言って、結局あいつはナナシを人間領に送り込んでたわけだけどね」
ナナシが人間領にいる理由は、魔神ワイズウェインが速やかに人間領を支配出来るようにする為と、本人から聞いた。
「あのーそもそもどうして魔神達はお互いに牽制し合ってるんでしょうか?」
気分が直ったのか、部屋に戻ってきたリーシャちゃんが俺達の会話を聞いていて疑問に思った事を言う。
「あら可愛い魔術師さん。さっきはごめんなさいね。そうね、私も詳しくは分からないのだけど、魔神ワイズウェインが最後の人間領だけは譲れないと言っていたわ」
「はっ!私、いつの間にか魔王様と喋っちゃいました」
今更な事を言って驚いてるリーシャちゃん。可愛いな
でも俺もそこは疑問を持っていたが、譲れない?一体どういう事だろう。
「リーラギィア連合国に魔神達が欲する何かがあるという事か?」
「私も詳しくは知らないと言ったわ。でもあの口ぶりからするとその可能性が高いわね」
だとしたら魔神達が一旦侵攻を止めて、人間領不可侵の誓いをたてた事に理解が出来る。
「報復に来るっていうのはどうなんですか!? 俺、魔神がほんとに来るかどうかで、ビクビクしてるんですけど!」
さっきから貧乏ゆすりが酷いなと思ってたけど、カイルのせいだったのかよ。
しかも何で敬語なんだ?
「フフッ。驚かせてしまったようでごめんなさいね。結論から言うと、報復には来ないわ。100%というわけではないけれど。ワイズウェインにとって、ナナシは自分の思い通りになる貴重な駒で、それが失われて怒っているのは間違いないわ。でも、今魔神達は全員集結して、お互いに監視し合ってるわけだから、報復には行けないはずよ」
その言葉を聞き、「なんだーよかったー」と机に突っ伏すカイル。
「でもね、魔神ワイズウェインの側近達なら来るかもしれないわね」
「なんだと? 魔神の部下はあんたら魔王だけじゃないのか?」
「魔神ワイズウェインは猜疑心が強い男で、私達の裏切りを常に疑っていた。ナナシはワイズウェインの事を信仰するぐらいだったから除外されたけど、私の事は今でも疑っているわ。だからあいつは自分に絶対服従の側近を作ったのよ」
魔神は2人の魔王という部下だけではなく、側近までいるのかよ。
改めて魔族の理不尽さに辟易する。
「でそいつらが俺を狙ってくる確率は何%なんだ?」
アリステラは顎に片手を持っていき、考える仕草をする。
「そうね。90%といったところかしら」
ほぼ100%じゃねぇかよそれ...。俺は頭が痛くなった。
「どんな見た目をしてるんだ?名前は?強さは?」
狙ってくる相手の詳細を聞こうとすると
「みーつけた」
と哀しい顔をしたピエロのお面を被った人物が窓からこちらを覗いていた。
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