82話 生首と憲兵隊長
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あまりにも唐突に人の生首を置かれて、気味の悪い光景に吐き気がした。
リーシャちゃんなんかは耐えられずに部屋から出ていった。
「いったいなんの真似だ?」
信用をしてほしいと言った後にこの行い、俺はアリステラに説明するよう睨めつける。
「あら、ごめんなさいね。ちょっと刺激が強すぎたかしら。この者達はタリスマンが女性を攫っているのをしっていて、それを協力していたの。だから部下に命令して始末した。まぁこんなことで無かったことになんて出来ないでしょうけど、私なりのけじめね」
そう言ってアリステラがまた指を鳴らすと、生首は綺麗さっぱり消えていった。流れでた血は机に残ったままなので、さっきの生首が偽物ではないと確信する。
カオリがさっきの生首の中に知った顔がいたのか、話し出す。
「ギマン先程の中にいた1人見覚えがある。憲兵隊の隊長だった男だ。私がアザミを捜している時に、1人だけじゃ埒が明かないと思って、憲兵隊にも協力するように言ったのだが確かな情報が出てこない限り、憲兵は動かせないと再三断られた。その中で1番拒否してたのが奴だった」
カオリはその時の辛い記憶を思い出し、苦い顔をしていた。
「俺も知ってるぜ。ハンスの事で憲兵隊にお願いした時、さっきの奴に断れて、しまいには殴られた」
そういえば、リーシャちゃんがハンスっていうタリスマンの眷属に付きまとわれている時に、何度も憲兵隊にお願いしたが断られてたと言っていたな。
「お仲間さん達もこう言ってる事だし、私が無差別に殺してないと信じてくれてもいいんじゃないのかしら」
「あぁ、そこは信じてやってもいい。だが、今後人類に手を出すな。もし破れば俺があんたの相手になる」
「フフッ、わかったわ」
何がおかしいのか分からないが、アリステラは了承した。
「それで、私の提案を受け入れてくれるのかしら?」
俺の中で答えは決まっていた。
「もちろんNOだ」
「理由を聞いても?」
「まず、今人類側は魔族に対抗する力をつけるために努力している。そんな中、魔族を下手に刺激して侵攻されるリスクを犯せない。あとはやはり、あんたを信用出来ない。魔神と戦うにしても、背中から刺されたくないからな」
俺は二重複体と戦って、魔神の5分の1の強さにあれだけ苦戦した。
本物なんかに今ぶつかって勝てる見込みがないのが1番大きい。ちなみにアリステラの共闘ありきでの勝率は考えていない。
「そう。でも貴方がナナシを倒した事はもうワイズウェインにはバレているわ。今後どういう行動をとるかは分からないけど、間違いなく報復に来るわよ。確かに魔神同士は人間領不可侵の誓いはたてているけど、個人個人に関してまでは関係ない。どの道あなたは魔神ワイズウェインと戦うしかないのよ。今なら私も手伝ってあげるけど?」
俺を挑発するかのような態度で捲し立てるアリステラ。
今の話をまともに聞くなら、俺は今すぐにでもアリステラと共闘した方がいいだろう。
アリステラの情報が全部正しければな。
「間違いなく報復に来る理由は?人間領不可侵の誓いを先に破ったのは二重複体っていう魔王だぞ。他の魔神達が黙ってないんじゃないか?」
「あら意外と冷静ね。てっきりさっきので了承してくれると思ったのに」
やっぱり俺を騙そうとしてたか。
普通魔神に狙われてるなんて、魔族の事情に詳しい魔王から言われたら信じたくもなるだろう。
相手の視野を狭めて選択肢をなくし、考える時間を作らせない。交渉事の常套手段だな。
俺には通じないけどな。
「はぁ、どうやら貴方にはちゃんと1から説明しないと納得してもらえなさそうね」
アリステラは話が長くなりそうだからと言って、指を鳴らす。すると、机にテーブルクロスが引かれて、その上にティーカップが置かれる。
俺も気を抜かないようにしないとな。
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