80話 整備とノスクレイ要塞
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「お、俺だけ何も増えてない...」
カイルはステータスの紙を見た後に、膝をついて凹んだ。
「アザミを見習え。称号に【努力の鬼】ってつくぐらい努力してるんだからな」
俺の言葉にアザミはどこか嬉しそうだ。
カオリとリーシャちゃんも新たなスキルを獲得して、Lvも順調に上がっている。
俺に至っては、ヘクターと同じ850レベルまで到達した。
「よーし!この調子で複合魔法まで覚えちゃいますよー!」
リーシャちゃんから話を聞いていた、2属性以上の魔法を合わせて使う複合魔法も、折を見て俺も習得したいところだ。
「私も嵐魔法をもっと洗練しなければな」
グランゼル荒野で、初めてカオリの嵐魔法を見たが、威力はとてつもないが、まだコントロールが出来ていないらしい。
皆より一層、やる気を出してくれて良かった。落ち込んでいるカイル以外は。
恒例になりつつあるステータスお披露目会を終えて、明日に備えて今日は寝ることにした。
夜中トイレで目を覚ました俺は、庭から聞こえてくる音が気になり、覗いてみる。
そこにはカイルが真剣な顔つきで斧を振っている姿が見えた。
俺は微笑し、気づかれないようにその場を去った。
翌朝、リーシャちゃんから「ご飯が出来ましたよー!」という声で目を覚ます。
その前にリーシャちゃんが扉の鍵を何とか開けようとしてた事は誰も知らない。
朝食を済ませた俺達は午前11時までは自由行動にした。
女性陣3人は、体力と魔力の温存の為、Lv上げには行かずに、仲良く買い物に出かけた。
カイルも出かけようとしていたので「酒は飲むなよ」と釘を刺す。
「さすがに俺もバカじゃない」と言って、家から出ていく。
家に1人になった俺は、二重複体との戦闘や実戦形式訓練でだいぶ使い込んだ叢雲を整備してもらいに行った。
ザイードから「どうすりゃこんな短期間でこんなに痛むんだ!?」と言われ、かくかくしかじか説明する。
どうやらデノンハウザー王の演説を聞いていなかったので、俺が魔王を倒した事も知らなかった。
俺が説明した後も「人類の英雄様」という単語を言わなかったザイードとは仲良くなれそうだ。
事情を知ったザイードはすぐに叢雲の整備へと取りかかった。
職人の仕事は見ていて楽しく、時間を忘れて、ずっとザイードの仕事っぷりを見ていた。
途中俺の存在に気づき、「見ていて楽しいもんじゃない」と言われたが、気にせず見ていると、ザイードは諦めた。
「俺の鍛冶を真剣に見てくれた人間はあんたが初めてだよ。ますます気に入った。ほら、あんたの刀出来たよ」
そう言って渡してくれた叢雲はピカピカになり、試し斬りすると、斬れ味も段違いになっていた。
代金を渡そうとすると、「ガルバンの奴が迷惑かけたんだろ?小人族としての礼だ」と言われ、タダにしてくれた。
俺はザイードに感謝して家へと戻る。
11時になり、集合した俺達は一足先にノスクレイ要塞へと向かった。
ノスクレイ要塞は高さ10mの壁がずらりと並んでおり、所々凹んだり、欠けたりしていて、戦闘の激しさがわかる。
壁を越え、要塞の中に入ると、宿舎や厩舎などがある。
事前に王から、作戦会議をする為の部屋があるからそこで会うといいと言われていたので、その部屋へと向かう。
会議室に入ると、10畳ほどの広さで、真ん中に長い机があり、椅子が8つ並べてあった。
要塞から人が居なくなって、手入れしていなかったので少し埃っぽかった。
風魔法で埃を外に出し、簡単に掃除をした。
《超聴覚》を持っているカオリがいつアリステラが来てもいいように、壁の上で待機する。
リーシャちゃんはそのカオリのフォローに、残りの者は会議室で待機。
そして、約束の12時になった。
埃を出す為に開けていた窓から赤い霧が会議室へと入っていく。
霧が人型になるとそこに、透き通るような白い髪を腰まで伸ばし、見ていると吸い込まれそうな深紅の瞳の女性がいた。顔立ちは誰が見ても絶世の美女と答えるだろう。服装は真っ黒のドレスを着ていた。
間違いない、魔王アリステラだ。
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