74話 訓練の結果と手紙
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一日目の訓練が終わり、皆からお礼とこれからお願いしますと言われて、俺はデノンハウザーとセラフィムに連れられ、その場を去り、再び王の間へと入る。
俺以外のみんなはもう終わったのか、先に集まっていた。
カイルが何故かヘトヘトになっている事以外は特に変わりはなさそうだった。
「なんでそんなにヘトヘトになってんだ?カイル」
カイルは喋る元気すらないのか、黙りこくっている。
「お兄ちゃん、調子乗って魔法とスキルを使わないって言って実戦形式したんです。そしたら、4強の1人、ランディスさんって人にめちゃくちゃ苦戦して、いじけてるんです」
そんなカイルの代わりにリーシャちゃんが説明してくれた。
アホだな。俺も確かにこちらから攻撃はしないという縛りは設けたが、魔法とスキルを使わずに乗り切れたかというとNOだ。
4強の1人っていうことは、ジンとかレテ並の使い手だな。そんな奴に魔法とスキルなしで挑むなんてバカだ。
「みんなはどうだった?」
バカイルの事は放っておいて、皆に話を振る。
「私のとこには、ティターニア様と聖騎士団長様がいたな。他にも伸びしろがありそうな人が何人かいた。こういう経験は初めてだからやり甲斐があるぞ」
カオリの所には、耳長族代表王のティターニアと勇者パーティーの1人聖騎士団長がいたのか。
確か聖騎士団長は《鉄壁》というスキルの持ち主だったな。10秒間受けるダメージを0にするっていう。
まぁ、カオリ本人がやる気になっているので良かった。
「私の所には、やっぱり魔法使いの人達が多かったですね。憧れだった勇者パーティーの聖女イリス様と賢者ノーチラス様にも会えて感激でした! 私も魔法を磨き深めながら皆さんと一緒に成長出来るので楽しいです!」
リーシャちゃんは憧れだった人達に会えて、テンションが上がっている。
「ギマン様のお役に立てるように、私共々鍛えておりますのでお待ち下さいませ」
アザミの言葉に少し引っかかっり、問い詰めようとした時、デノンハウザーが話し出す。
「皆、今日は御苦労だった。とても有意義な時間を過ごせた。次回もなるべく早く行いたい。日程が決まり次第、追って連絡しよう」
「次回から俺は早速Lv上げの為に、外に出ようと考えているんだが、大丈夫か?」
俺は実戦形式で手合わせしてみて、今は技術云々の話より基本的なステータスが低すぎるので、次はLvを上げようと考えていた。
「おぉ!そこまで考えていてくれてたのか!嬉しいぞ。そうだな、次回は皆、外に出ての訓練にしようかの。他の者もそれでよいか?」
カイル以外の皆は「はい」と答える。ちなみにカイルは首を縦に振るだけだった。
どんだけいじけてんだよあいつ。
デノンハウザーが締めくくり、初めての訓練指導はお開きになった。
帰り際、各王が俺達にお礼を言ってきた。
その中で、カイルが小人族代表王ガルバンから何か言われており、さっきまでいじけていた男が急に元気になった。
どうせ、酒でも飲みに行こうとか言われたんだろうな。
その後、俺達は豪邸に帰りつき、特に予定もなかったので各々自由行動となった。
カイルは帰るや否や、着替えて「おっ酒〜、おっ酒〜」と言いながら、家から出ていく。
あいつ帰ったら反省会だな。
バカイルを見て、ため息を吐きながら、俺は2階の自分の部屋に戻ると、机の上に手紙が置かれていた。
まさか、これがラブレターか!?と俺は一旦部屋を出て1階のリビングの女性陣の様子を見るが、普段通りだった。
心臓をバクバクさせながら、手紙を見た俺はさっきまでの浮かれていた感情など忘れ、真剣に読み進める。
読み終わった後、俺は「ちょっと出てくる」と言って家を出た。
『シノノメギマン様へ
一段落ついたとお見受けしましたので、お手紙をお送り致しました。
私は魔王アリステラ様の部下ヘクターと申します。
お話ししたい事がありますので、今日1日、【マグノリア】というカフェでお待ちしておりますので、お越しいただけると嬉しいです。
信じてくれるかは分かりませんが、こちらに敵意はございません。
では、いいお返事を期待しております』
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