72話 最後の組と訓練終了
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「それじゃあ、最後の組だな。まずは自己紹介からいいか?」
俺は2人にそう問いかける。
男の方が先に俺の問いかけに答えた。
「冒険者のジンだ」
それ以上は話す気は無いのか、1歩下がった。
続いて女の方が答える。
「獅子獣人のレテだ」
何だろう、2人を見てるとアザミを思い出してしまう。
無口過ぎるだろ2人共。
2人が自己紹介しない代わりに俺が《神の瞳》でステータスを見る。
『ジン』 男性
種族名:人間 職業:冒険者 犯罪歴なし
Lv:200
HP:6580
MP:4600
攻撃:2600
防御:2450
魔法:3060
速さ:2300
知能:400
器用:500
スキル
《影魔法》影を操る魔法を使える。
《背後の一突き》 対象の意識外、背後からの攻撃成功時、50%の確率で即死させる。
『レテ=レオンハート』女性 B:73 U:50 H:80
種族名:獅子獣人 職業:なし 犯罪歴なし 好感度0
Lv:203
HP:5890
MP:2860
攻撃:3070
防御:2980
魔法:1680
速さ:4010
知能:100
器用:100
スキル
《獣の解放》 魔法、知能、器用が0になり、HP、攻撃、防御、速さを30倍にする。CT2日
《超嗅覚》 30m範囲の匂いを嗅ぎ分ける。
普通に強いな。2人共スキル複数持ちだし、ジンはいかにも暗殺者が似合うスキル構成だな。不意打ちで背後から攻撃受けたら50%の確率で即死ってやばいな。
レテのレオンハートってどこかで聞いた事があったが、獣人代表王ハイゼルの下の名前がそうだった事を思い出す。
ハイゼルの血縁者なのか。
取り敢えずこの2人相手に油断は禁物だな。
そう思い叢雲を構える。審判はスイエルがやってくれており、「始め!」と合図が出る。
「《影魔法 影移動》」
開始早々、ジンが影魔法を使い、自分の影の中に消えていった。気配を感じ振り向くと、俺の背中に短刀を突きつけようとしていた。
俺は叢雲で短刀を弾き、ジンから距離を取る。
そこに《獣の解放》を使用したレテが自慢の爪で攻撃してくる。
30倍になった攻撃は90000を超えており、さすがの俺も本気で対応する。
レテの爪攻撃を捌いていると、背後からまたもジンが不意打ちを狙ってくる。
「《影魔法 影法師》」
ジンは自身の影を操り、もう1人の自分を作り出す。3対1となり、徐々に押されていく。
中々嫌なコンビだな。レテの知能と器用が0になっており、攻撃が単調なのが唯一の救いだが、前後に意識を集中するのは疲れる。
「《影魔法 影縫い》」
背後からの不意打ちに何回も失敗したジンは戦法を変える。
ジンが魔法を使った瞬間、俺は体が動かなくなり、目だけ動かし自分の影を見てみると、影が地面に縫い付けられている。
そして、レテの爪とジンの影法師の攻撃が目の前まで迫るが俺は冷静だった。
「《影魔法 影移動》」
俺はレテの影へと移動して回避した。さっき、ジンの影法師の攻撃でダメージを負って、コピーの発動条件を満たしていたのだ。
だが、ジンは俺がコピー出来るのを今までの試合で分かっていて、レテの影に移動する事を予想していたのか、俺にピンポイントで攻撃を仕掛ける。
さすがに移動して、すぐに攻撃されると思っていなかった俺は判断が少し遅れる。
短刀が俺の背中に刺さる前に、すぐ近くにいたジンの影法師を風魔法で飛ばし、俺の方に飛ばす。影法師と俺がぶつかり、ジンの短刀をかわす。
そこで、俺は先程影法師とぶつかった時にダメージを受けた判定になり、またも影魔法が使えるようになる。
「《影魔法 影縫い》」
短刀を外したジンの影を縫いつける。
影法師によって、自身の影がないジンは、先程の俺のようには逃げられない。
レテは超嗅覚で俺を捉えたのか、振り向きざまに攻撃するが、ここで今俺が攻撃を受け止めずに、避けたらジンを巻き込む事を分かっていない。
訓練はここまでだと思い、錯覚でリミッターを120%まで解除し、レテの爪を叢雲で弾き返し、後ろに回り込み、後頭部に手刀を入れて気絶させる。
その一瞬の出来事にいち早く気づいたのはスイエルだった。
「今のはレテの反則じゃ。味方まで巻き込む攻撃をするなどあってはならぬ。ジン、お主も武装を解除するのじゃ」
その言葉に、ジンは潔く影法師を解除する。
これにより、初日の実戦形式の訓練が終わった。
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