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66話 豪邸と醸造室

お読み頂きありがとうございます





カシミアさんとの食事も終わり、いつもの家に帰ろうとした。



だが、先日デノンハウザー王からとんでもない豪邸に案内されて、今からこの豪邸を使っていいと言われて、皆で引越しをしたのを思い出した。




習慣で帰ろうとした道から反対を向いて、王城近くにある豪邸へと足を進める。




まだ自分の家という認識は全く湧かないが着いてしまった。



門は厳重に閉ざされており、魔力を認証をして自動で開けてくれる。設定していない魔力の持ち主がここに来ると、中の者に伝え、許可すれば開くが、許可しないと警告音がなるシステムだ。




ちなみに強引に入ろうとすると電気ショックが流れる仕組みなんだとさ。こわっ。




俺はもちろん魔力を設定してあるので、自動で門が開く。



中に入るとまず目につくのは、広々とした庭だ。これもはや庭って呼んでいいのかっていうくらい広い。




その庭でアザミが熱心に素振りをしていた。




帰ってきた俺に気づいたのか、素振りを中断して駆け寄ってくる。



「ギマン様、おかえりなさいませ。」



わざわざおかえりを言うのに、駆け寄って来なくてもいいぞと何回も言ったが、アザミは聞かなかった。



「ただいま。カイルはどうしてる?」



この豪邸に住み始めて1番喜んでいたのはもちろんカイルだ。



その理由は念願だった醸造(じょうぞう)室がある事だった。酒好きのカイルにはたまらないらしく、今も自分好みのお酒をつくっているのだろう。



「またあの酒臭い部屋に引き篭って、時折奇声を発しています。」




アザミはそう言いながら苦い顔をしていた。



「わかった。ありがとな。鍛錬もいいが程々にな」




カイルも前回の戦闘で頑張ったらしいから、少しは大目に見ていたが、流石にこれ以上は看過できん。



豪邸の中に入り、地下室への階段を降りる。



部屋の前に辿り着くと「やっふぅぅぅぅ!!!これぞ最高のユートピア!!!」というバカみたいな声が聞こえたので、問答無用で開ける。



部屋の中にいたカイルは、俺が入ってきたのを確認すると、即座に真面目な顔を作りながら髭を触る。




「うーん。やっぱり渋みが足りない」



それでバレてないつもりかよ。俺が右手を構えると、カイルは身構えた。



「なんだ!またチョップすんのか!?いつもいつもやられてばっかの俺じゃないぜ!抵抗してや...グハッ」




酔っ払いの抵抗虚しく、俺は瞬時に背後に回り込みチョップをくらわす。



風魔法でカイルを浮かし、一緒に部屋へと出る。扉を土魔法で固めておいた。




広いリビングの高級ソファにカイルを雑に投げ捨てる。



水魔法でカイルの顔に水滴を垂らすと、うわぁっ!と目を覚ます。



「え?俺いつの間にソファで寝てたの?」



「バカイル。お前は当分の間、醸造(じょうぞう)室禁止だ」




その言葉にカイルは絶望した顔をして、「嫌だぁぁぁぁ!」と俺に泣きついてくる。



風魔法で近寄られないようガードする。



「そもそも、お前、明日王達からお願いされていた戦力増強の為の訓練の指導するんだぞ。いつまでも酒ばっか飲むな」



俺達が二重複体(ドッペルゲンガー)とその部下を倒してから2週間が経過していた。



昨日王達からの伝言で、明後日から勇者パーティを含め、戦力になる者達への訓練の指導をして欲しいと言われた。



だから、今まで許していたカイルの酒作りを止めに来た。



「あの最高傑作を飲み終わったら、気持ちを切り替えようと思ってたんだよぉ...」



こいつは絶対朝まで飲むと知っているから、そんな言い訳は通じない。



「明日の指導の態度次第ではまた醸造(じょうぞう)室解禁にするぞ?」



「よっしゃぁぁ! みなぎってきたぜぇ! 頑張るぞぉ!」




俺の言葉に手の平を返したかのような態度をとるカイルを見て、俺はため息を吐く。



ホントに大丈夫なのかこいつで...。



その後、カシミアさんとの話し合いが終わったのか、リーシャちゃんとカオリが帰ってきて、明日の段取りについて会議をして今日は解散した。



もちろん俺は自室に戻り、鍵を閉め、侵入されないようにベッドについた。



✩皆様にお願い✩


ページ下部にある★★★★★マークの所を1〜5まで評価して欲しいですଘ(੭ˊ꒳ˋ)੭✧



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