63話 徹底抗戦と報酬
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その姿に俺達は面を食らう。
深く頭を下げた王達がゆっくりと頭をあげ、違法な薬クロロキシンの効果が切れ、落ち着いた耳長族代表王ティターニアが話をする。
「私が王都で有名な占い師がいると聞いて、少し占ってもらおうと王城に通したのが全ての始まりだったの。あの占い師の目を見て魔法をかけられた途端に、自分が自分でないような感覚に陥った。その後は、順番に他の王達にその占い師を紹介する役をやらされ、薬漬けにされた。私のせいで民や王達、あなた達にも迷惑をかけてしまって本当に申し訳ないと思っている」
ティターニアは苦い表情で話をした後、再度頭を下げる。
最初に洗脳されたのはティターニアだったのか。
薬漬けにされた後に洗脳を解除されたが、その時にはもう既にクロロキシンの虜になってたという事か。
「それを言うなら、1番近くで魔王といたワシが謝らなければならない。目の前で入れ替わられて何も出来なかった。飼い殺しにされて王として情けない」
本物の小人族代表王ガルバンは、さぞ悔しかっただろうな。
「皆思うところはあるが、今は目の前の英雄達に話す事があるだろう」
人類代表王デノンハウザーが話を戻す。
「魔族にこうもやられて黙っている儂達ではない。今、前線にいる勇者パーティーや強者達を王都に帰還せよと命じている。これから、リーラギィア人類連合国は魔族との徹底抗戦の為に動こうと思っておる。そこで英雄達には、指導をお願いしたい」
「勝手で悪いんだか、君達を鑑定させてもらった。Lvが最低でも200オーバーで、シノノメギマン。君に至っては800というとんでもない数字だ。勇者パーティーやSランク冒険者ですら90や100しかない現状、魔族が攻めてこない今の内に戦力を増強したい。だから頼む、力を貸して欲しい」
デノンハウザー王の言葉を聞いて、熱い思いが伝わってくる。
他の王達も同じ思いなのか、俺を真剣な眼差しで見てくる。
「分かりました。元々俺達だけで魔族に立ち向かおうなんて思っていませんでした。この国があまりにも魔族に対して受け身な姿勢だったので、ひと言、言ってやろうと思っていたら、こんな事になったんですから。その話お受けしますよ」
国が総力をあげてくれるなら心強い。その助けとなるなら何でもしよう。
まぁ、指導するなんて立場やった事ないんだけど。
「おぉ!!そうか!それは良かった。ついでに儂も鍛えてくれ。歳は多少とっておるが、まだまだ現役だと思っている。それと、公の場以外では、この前のように砕けた口調でも構わんぞ」
それはレベルを見たから分かるが、王自ら戦闘に参加する気なのか、この人。でも、情報収集の時にそういう人だったな確か。
ん?この前のようにって....あの喧嘩腰だった時の口調か。
「あれは洗脳されていた王達の態度にイラついてたからですよ。普段は王達にあんな口調はしませんよ」
「寂しいのう。皆も英雄殿には敬語ではなく、タメ口がいいじゃろ?」
デノンハウザー王はそう言って周りの王達に聞く。
他の4人の王は「うんうん」と首を縦に振る。
「ほら!そう言っておるし、ダメかの?」
なんなんだこの茶番は...
「あぁもう、わかったよ! 後で文句言っても直さないからな」
「ガハハ!うむうむ。話が分かる英雄殿じゃ」
デノンハウザーは豪快に笑い、気分が良さそうだ。
「最後に此度の報酬じゃが、白金貨1000枚に公爵位、後はすぐに王城へ来れるよう、近くの土地に家を建てておる。英雄殿が寝ておる時にもう完成しておるから、後で見てくるといい。儂の娘も嫁がせようとしたんじゃが、英雄殿の仲間達が断固拒否したからなしになった」
なんか色々と凄い事を言われたが、嫁がせるだと?人が寝てる間になんて事を。
後ろの仲間達にグッジョブしたら、カオリ、リーシャちゃん、アザミもグッジョブで返してくれた。
お互いの意味は違うだろうけど。
「爵位と金も要らない。そんな事するなら戦力増強の為に使ってくれ。俺達は好きなようにやらせてもらう」
だが家はもらう! 昨日みたいに部屋で女性3人に寝られてたら困るからな。
「民達に全て説明してしまった以上、英雄達に褒美を出さないと納得してもらえん。あと儂達の気持ち的にもじゃ。だから受け取ってほしい。頼む」
またもや深く頭を下げる王達。
「わかった、わかったから頭を上げてくれ。爵位なんかもらっても偉そうになんかする気はないからな? 今まで通りにやる。それが条件だ。」
「うむ。それでいい。よし!かたい話はここまでにして今日は祝宴じゃ! 別室に準備させておるからな!」
急に態度を変えるデノンハウザー王。
その言葉にカイルが小躍りしそうなくらい喜んでいる。こいつ期待してたな。
その夜、俺達は朝まで飲み明かしながら勝利を祝った。
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