56話 ピエロと喜劇のサーカス
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空中で睨み合いながらも、ナイフの数はどんどんと増している。
一体どんなスキルしてやがる。
俺は気になり、魔神擬きを鑑定する。
『ワイズウェイン』 不明
不明
Lv:ERROR
HP:ERROR
MP:ERROR
攻撃:ERROR
防御:ERROR
魔法:ERROR
速さ:ERROR
知能:ERROR
器用:ERROR
スキル
不明
称号
不明
「あっ、今鑑定かけたでしょ? 残念だけど魔王以上のステータスはただの鑑定じゃ見れないよ?」
俺の鑑定に気づいた二重複体が、丁寧にも教えてくれた。
「そうかよ」
どうせ見てもろくなステータスじゃないんだろうな。
ERRORになってくれた方が良かったのかもしれないと思いつつ、俺は覚悟を決める。
錯覚発動。リミッター解除200%。
脳がバチバチと火花が散るような音がする。
「何か凄い気迫だね!スキルか何か使ったの? 面白いねー。でもまぁこの数のナイフ捌ききれるかな?」
即死の呪いがかけられたナイフが、二重複体の号令と共に俺へと迫る。
視界が全てナイフに変わり、青空など見えないほどの数だ。
叢雲に不倶戴天の力を付与し、リミッター解除された力で《九鬼一閃》を10回放つ。
ナイフ1つ1つの耐久値は大した事ないのか、斬撃で崩れ落ちてゆくが、それよりも増えていく数の方が多い。
「《疾風怒濤》」
斬撃ではこの数は捌ききれないと思い、範囲殲滅の風魔法を撃つ。
激しい風が吹き荒れ、ナイフが切り刻まれていく。
ナイフがある程度の数まで減ってきた時、無数のナイフが1つに収束されて、超巨大な大剣へと形を変えて、風魔法を力押しで破り、再度襲いかかる。
巨大な質量の割に速い動きで俺を捉える。咄嗟に叢雲で防御したが、吹き飛ばされ、アバラに鈍い痛みが走る。
その痛みに気遣う余裕もなく、追いかけてくる大剣に向けて、即座に剛腕を発動し袈裟斬りにした。
大剣は粉々に砕けた。10秒しかない剛腕の効果時間を無駄には出来ず、二重複体へと疾走する。
「へぇーあの大剣を腕力だけで砕いちゃうのか。素の力ではなさそうだね。だとするとスキルかな? 僕に接近しようとする所を見ると、単純に攻撃力を上げるスキルだろうね。しかも時間制限の」
二重複体は余裕そうに、状況を冷静に分析した。しかも、その分析がほぼ当たっている。
「それじゃあこっちもスキル使っちゃおうかな。《喜劇なサーカス》」
俺が攻撃しようとした時、二重複体から煙が発生した。その煙ごと横薙ぎにするが、手応えがなかった。
「ハッハッハッハッ!!このスキルは僕が楽しんでる間は、僕に対しての攻撃は笑い話へと変換されるんだよ!君は今ただの煙を斬ったマヌケ者だね!おっかしー!」
二重複体が被っているピエロのお面が、泣いている顔から笑っている顔に変わる。
だったら、楽しめないように切り刻んでやるよ。
剛腕の攻撃力で九鬼一閃の斬撃を放ちまくる。当たれば確実に致命傷を負わせれる斬撃が、二重複体の笑い声と共に、花になったり、鳩へと変わっていく。
「プークスクス! そんなに真剣に笑わせないでよ! お腹痛くなっちゃうじゃん!」
剛腕の残り時間がもうない事への焦りと、二重複体の人をイラつかせる笑い声で攻撃が単調になっていた。
スキルの攻略法が思い浮かばないまま、攻撃を繰り返していた時、脇腹に鋭い痛みがした。
原因を確認すると、脇腹には即死のナイフが刺さっていた。
「《不可視の一撃》。あーあ、そんな意固地になってるから気づかないんだよ。これで終わりだね」
二重複体は貰った玩具がすぐに壊れてしまった子供のような表情を浮かべた。
俺はさっきまでの自分を殴りたいぐらい気持ちになったが、今はナイフへの処理を優先する。
脇腹に刺さっているナイフを抜き、一か八か、不倶戴天の力が付与されている叢雲で刺された脇腹をもう一度刺す。
痛みに耐えながらも、即死の呪いを祓ってくれと祈る。
5秒過ぎてもその痛み以外体に変化は起こらなかった。
「おぉ!凄いね!即死の呪いを祓えるんだ! これでまだ遊べるね! 」
二重複体は拍手しながら、嬉しそうな声をあげる。
俺は叢雲を引き抜き、服の袖をちぎり、脇腹から溢れ出る血を圧迫する。
即死の呪いを免れたが、《喜劇のサーカス》の攻略法は未だ掴めず、剛腕も使ってしまい、絶望的な状況だった。
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