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42話 ドワーフと鍛冶屋


お読み頂きありがとうございます!!




俺はまず、小人族(ドワーフ)の王カルバンの情報収集の為、鍛冶屋が多くある通りに来た。



そのせいか、金槌で何か硬いものを叩いている音が、そこら中から聞こえてくる。



長くお世話になった、ミスリルの短剣が刃こぼれしていたのでそれを修理するか、新しく買い替えようとも思っていた。



どこに入ろうかなと考えて居ると、横から小人族(ドワーフ)の男に話しかけられた。



「おう兄ちゃん! そんなキョロキョロしてどうした? ここら辺に来るのは初めてかい?」



迷っていたので丁度いいと思い、話しかけてきた小人族(ドワーフ)の方を向く。



「あぁ、そうなんだ。今使ってる武器が刃こぼれしててな。どこか良い鍛冶屋がないか探してたんだ」



ここでバカ正直に情報収集してると言うより、ひとまず関係を作り、打ち解けた方が良いと考えた。




「それならウチに来な! 俺の師匠はちょっとばかし気難しいが、腕はピカイチだぜ!」



満面の笑みで宣伝してくる小人族(ドワーフ)



まぁどうせ、何処かに寄るつもりだったし、腕が良いと言うなら断る理由はないだろう。



「わかった。案内してくれ」



「お!話が早いな兄ちゃん!よし!ついて来てくれ!」



のそのそと歩く小人族(ドワーフ)に着いていくと、【ザイード鍛冶屋(スミス)】と書かれた看板の鉄臭いレンガ造りの建物に着いた。



「ちょっと待っててくれ。師匠に話してくる」と言って、案内してくれた小人族(ドワーフ)は中へと入っていく。




少し時間がたつと中から「客連れてくる暇あんなら腕磨けや!アホンダラ!」と大きな声が聞こえてくるのと同時に、俺を案内してくれたドワーフが、頭に大きなタンコブを作って現れた。



「大丈夫かあんた?」



さすがに俺は心配した。小人族(ドワーフ)はたんこぶを擦りながら、両手を合わせた。



「わりぃ!兄ちゃん!師匠ちょっと今、機嫌が悪いみたいで...」



「あぁ聞こえてきた。でも、ここまで来て帰るのは俺としても嫌だな。交渉してみるから師匠の所まで案内してくれ」



「本当か!?でも、すぐに金槌が飛んでくるかもしれないから注意してくれよ」




随分物騒な師匠だな。小人族(ドワーフ)は俺を連れて中に入る。




そこは、金属の山だった。失敗作なのか、武器が至る所に落ちており、それが積み重なって小さい山をいくつも形成していた。



奥の作業場で、金槌を叩いている師匠の背中が見えた。



師匠は、俺を案内した小人族(ドワーフ)より、遥かに大きく180cmはあるかなといった背丈だった。




「師匠!お客連れて来ました!何でも話し合いたいと言ってます!」



その言葉に、師匠は金槌の手を止めたと思ったら、手に持っていた金槌をこちらに投げてきた。



俺は冷静にその金槌を右手で柄を掴んだ。ホントに飛んできたな。



「へぇー。ただのボンボンや弱っちい冒険者かと思ったら案外やるじゃねぇのあんた」



振り返った師匠の姿は、何と女性だった。肌は浅黒く焼けており、赤い髪は煤と煙でガシガシになっている。短いタンクトップを着ていたので、バキバキの腹筋が目に映る。




「それで、うちになんの用だい? 俺は気に入った奴の武器しかうたない打たない主義だが?」



目の前までやってくると、目線の高さが同じで本当に小人族(ドワーフ)か?と思った。



「案内してくれた小人族(ドワーフ)が腕はピカイチって言うもんだから、修理か新しい獲物を造って貰おうと思ってな」



「ヘッ!確かに、腕はガルバンを除いて俺が1番だと思ってるが、お前の武器を打つかは別問題だぜ」



「じゃあどうやったら気に入ってもらえる?」



「そうだな。例えばここにある、失敗作の武器達を全部斬ったらとか?まぁ無理だと思うがな?」




どうやら気に入ろうとする気はないらしい。



ならばいいだろう。俺はアイテムボックスからミスリルの短剣を取り出し、周囲の金属の山に《九鬼一閃(くきいっせん)》を放つ。



すると、金属の山達はバラバラになり、地面が鉄だらけになった。




「これだけか? なら俺の武器を打ってくれ」




弟子の小人族(ドワーフ)は、その光景に驚愕していた。



師匠は、バラバラになった鉄の断面図を見て、急に笑いだした。




「アッハッハッハッ! まさか、折れやすい横ではなく縦に真っ二つとはね! あんた面白ぇじゃないか! いいね! 気に入った! 俺の名前はザイード! 武器打ってやる!」



よし気に入られたみたいだな。


笑いながらザイードは握手を求めてきた。俺はその豆だらけの手を握り返した。





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