表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/152

39話 一触即発と洗脳


お読み頂きありがとうございますm(_ _)m




「デノンハウザー。ワシらをここに呼んだのはどういう要件じゃ?」



カイルよりも髭を蓄えている小人(ドワーフ)の王が喋った。



デノンハウザーは、空いている真ん中の玉座に座り答える。



「儂が連れてきたそやつらは、先日魔族の一体を討伐した」



その言葉に3人の王は驚いている。耳長族(エルフ)の王だけは驚きではなく、怒った表情をしていた。


4人の王が続きを促すように、デノンハウザーを見る。



「儂の側近に確認させたから間違いない。魔族をこれ以上刺激しない代わりに、他の王にも会わせろと言われたから呼んだ」



デノンハウザーは手短に要点だけを伝える。


その間に俺は4人の王達に錯覚を発動させる。

小人(ドワーフ)アウト、獣人(じゅうじん)アウト、天使アウト、耳長族(エルフ)セーフ。



全ての王が洗脳状態にあると思っていたが、耳長族(エルフ)の王だけは、何も精神攻撃を受けていない。


これは予想外だった。

さっきも1人だけ驚きではなく怒っていた。何か関係があるのか?



そんなことを考えていると耳長族(エルフ)の王が玉座から立ち上がった。




「あなた達、なにをしたかわかってるの? 魔族を1人討伐したなんて...報復にできたらどうしてくれんのよ!!」




精神攻撃を受けていないのに、この苛立ちようは、元からこういう考えなのだろう。



「まぁまぁ落ち着けよティターニア。そこの者達はもう魔族に手を出さないと約束したんじゃろ? だったらここは穏便にいこうじゃないか」



ガルバンは、怒鳴ってきたティターニアをなだめている。 それでも、ティターニアは止まらない。



「いいや! 収まらないわ! 私達耳長族(エルフ)は平穏を望むのよ! それを自ら壊そうとしたあなた達は許せない! 後ろにいる耳長族(エルフ)! 名前を言いなさい。この国から追放してあげる」



ティターニアは、カオリとアザミを指差した。


なんだよこいつ。精神攻撃されてるって言われた方がまだ良かったわ。



「平穏平穏ってうるせぇな。そんなに平穏が好きならあんたがこの国から出てけよ。魔の森にでも行ってこい。なんなら案内してやるよ」



突如、王の間に暴風が吹き荒れる。ティターニアがキレて風魔法を使ったのだ。



「もういっぺん言ってみなさいよ。切り刻んであげるから」



ヒステリックもここまで来たら考えもんだな。



俺達は戦闘態勢を取り、一触即発の空気になる。




「おやめなさい!!」



その瞬間、ティターニアの風が収まった。声の主は天使族の王だった。



「ここは神聖なる王の間ですよ。ティターニアは少し落ち着きというものを持ちなさい。貴方もあまり挑発してはいけませんよ」


過ちを諭すかのような優しい声だ。



「ちっ、わかったわよセラフィム。命拾いしたわね」


「こらっ」



ティターニアの余計な一言に、セラフィムが叱る。



玉座の後ろに隠れていたガルバンは収まったのを見計らい、座り直し、獣人(じゅうじん)の王は、終始、腕を組み、目をつぶっている。デノンハウザーは風で乱れた服を直していた。



「最後にもう一度お聞かせください。貴方がたは、もう魔族には手を出さないのですね?」



そして、セラフィムが仕切り直したかのように聞いてくる。



「あぁ、そうだ。」


「なれば、もうとやかくは言いません。貴方の条件も満たされましたよね? お帰りなさい」



これ以上、余計な面倒を起こしてくれるな帰れと遠回しに言われた。



「わかった。帰らせてもらう」



また変なスイッチが入って、ティターニアが怒り出すか分からないから、俺達は王の間を後にした。



外で出るとパーシヴァルが出口まで案内してくれた。



「心臓バクバクでしたよ。いきなり王に喧嘩売るし、タメ口だし、他の王にも会わせろだなんて言い出すし...」



別れ際にパーシヴァルがため息を吐きながら愚痴ってきた。



「悪い。案内ありがとな。それと、転職先探しといた方がいいぞ?」



その言葉に一層大きなため息を吐くパーシヴァルであった。







帰り際、気になって仕方なかったのか、カイルが聞いてきた。



「なぁ、ギマン。魔族に手を出さないってのは本当かよ。あんな言いなりになるなんて、お前らしくもねぇ」



カイルの言葉に皆同感なのか、うんうんと首を縦に降っていた。



そういえば言ってなかったな。



「それはな。5人のうち4人の王が何者かに洗脳されているからだ」



後ろを振り返ると、アザミは無表情だが、残りの3人は目が飛び出でるぐらいに驚いていた。



─皆様にお願い─


ページ下部の☆☆☆☆☆評価を出来ればお願いします(*´ω`*)


執筆の励みになりまする!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ