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35話 タンコブと国の現状

お読み感謝です٩(ˊᗜˋ*)و




「いってぇ...。ちくしょう。俺が何したって言うんだよ」



カイルが後頭部に出来たタンコブを擦りながらグチグチ言っている。



「またあのチョップを食らわせたのか。恐ろしい」

「自業自得ですよ。全く」



カオリはカイルのタンコブを見て、恐れ慄き、リーシャちゃんはいい気味だと言った表情をしている。


その後、アザミは水浴びをしてからリビングに来た。



「よし、皆揃ったな。カイルは爆睡してて知らないだろうが、今朝、王命で騎士達が俺達の所にきた」


「ギマンの所にも来たのか?」



家にしか訪れてないとカオリは思ったらしく、質問してくる。



「あぁ、冒険者ギルドに押し入り、ほぼ強制の形で、そこに居た冒険者達のカードを片っ端から見て回っていた。俺の所に来た時に丁度ギルドマスターが居合わせて、騎士達をボコボコにしてバレなかったがな。」



今思えば、あの時は重力魔法を使って、騎士を地面に埋めたんだろう。



「ギルドマスターって言えば、『戦慄の片翼』スイエルさんじゃねぇか。少しだが騎士達に同情しちまうぜ」



「あのオーラが凄い人ですよね。ギルドマスターがいる時はいつも酒場でバカ騒ぎしてる人達も去っていきますからね」



カイルとリーシャちゃんは面識があるらしく、スイエルの怖さを知っていた。だから、騎士と一緒に酒場に居たヤツらも逃げていったのか。



「そのスイエルさんとも話して、今回騎士達が何で俺達を探しているのかわかった。人類代表王デノンハウザーの側近が《観測》というスキル持ちで、俺達がタリスマンを倒した事がバレたからだ」



アザミは無表情のままだったが、他の3人は驚きと少しだけ疑問の表情をした。代表してカイルが手を挙げ問いかけてくる。



「俺達が騎士に追われる理由はわかったが、普通魔族を倒した俺達は感謝される立場にあるんじゃないのか? 俺は直接会ってないが、話を聞く限り騎士達の態度はそんな気がしないからさ」



確かにカイルの言うとおりだ。バレたとしても、悲願の魔族撃破を成した俺達に対してあの態度はおかしい。でも、スイエルと話をして、この国の上層部は魔族との戦いを諦めていると聞いた。



「これは俺の推測だけどな、人類側としては無闇に魔族を刺激するのは辞めて欲しいんだと思う。勇者パーティーや騎士達、高ランク冒険者を前線に送り出しているのは、あくまでも戦う姿勢を国民にアピールしている。だが本質は、魔族が本格的に攻めてこない、今を静かに過ごしたいだけなんだよ」



「皆もおかしいとは思ったことはないか? ここまで攻め込まれているのに、敵の情報が全くない。国が魔族の為に何かしてると言ったら前線に兵を送り込んで睨みをきかせるだけ。敵同士がいがみ合っているなら、今のうちに少しでも相手の戦力を削るのが普通何じゃないか? 魔族が強すぎるにしても、味方の戦力を上げるとかやり方はいくらでもあるのにしていない」



俺がこの国に来て最初に思ったことは【静かすぎる】だった。創造神からの説明で人類滅亡の危機とまで言われてるにしては、あまりにも国全体が動いてなさすぎる。



タリスマンの件にしてもそうだ。女性が何十人も居なくなる事件なんかおかしいとは思わないだろうか。



ハンスに付き纏われているのに、カイルが何回もお願いしたのに憲兵隊が動かなかったのは、多分憲兵隊は知っていた。ハンスが魔族の手下だと。



だから、魔族の邪魔をして自分が殺されない為に目を瞑った。



この国は腐っている。日和見主義なんてレベルじゃない。

魔族から奪われる事に慣れすぎてる。



「だから、俺は直接王城にいって、この国の王達の目を覚ましてやる。対立して、この国に居られなくなってしまうかもしれないから、皆は着いてこなくていい。」




俺の言葉にカイル、リーシャちゃん、カオリは目を合わせ「はぁー」とため息をついた。



「お前はすぐそうやって、何でも1人でしようとするクセ直せなよな。俺も行くに決まってんだろ」



「ギマンさんのそう言うとこ嫌いです。 もう私とギマンさんは一心同体なんですよ! 夫を支えるのは妻の役目です! だから、私も着いていきますよ」



「いつからリーシャとギマンが夫婦になったんだか...。私も行くぞ。拒否権は認めん」


「ギマン様の居るところが私の居場所。」



やれやれ。いつからこんなに懐かれたんだか。


俺は自分の為に利用しようとまで考えてたのにな。


なのに、着いてくると言われて、どこか俺は嬉しかった。


「わかったよ。それじゃあ王城に乗り込むとするか」




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