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31話 王命とギルドマスター

お読み下さりありがとうございます( . .)"




祝勝会で飲みすぎたカイル、リーシャちゃん、カオリをアザミに介抱するよう言いつけて、俺はカシミヤさんにお礼を言うため冒険者ギルドにやってきた。


朝の10時という事もあり、昨日のような列はなく、スムーズにカシミヤさんの受付にたどり着いた。


「本日はどのようなご用...シノノメさん! 良かった無事に目を覚ましたんですね」


書類を整理していたのか、最初は気がつかなかったカシミヤさんが俺の顔を見た途端、ホッとした表情をした。


「はい。カシミヤさんとルイジアナのお陰です。ホントにありがとうございます」


「いえいえ。私は冒険者ギルドの人間として当たり前のことをしたまでです。お礼ならルイジアナに言ってください。私は依頼をしただけですから」


相変わらず真面目な人だ。それにしても、2人共同じことを言うとは、仲が良いんだな。


「ルイジアナにはもうお礼を言いましたよ。そしたら、私ではなくカシミヤさんにお礼をと言われました」


「彼女らしいですね。それでシノノメさん。あの状況説明してもらっていいですか? Fランク冒険者である貴方がいくらBランク冒険者のカオリさんがいたとしても、あんな時間に門の外にでるなんて」


やっぱりか。さすがにこのままスルーしてくれるわけないよな。

てか、カオリってBランク冒険者なのか。知らなかった。

命の恩人であるカシミヤさんには出来るだけ嘘はつきたくないのが本心ではあったが、ホントの事を言って騒ぎになって公になるのも困る。


俺がどうすればと悩んでいた時、冒険者ギルドのドアが勢いよく開いた。

外から、ミスリルの全身甲冑を着た奴ら5人がゾロゾロと入ってくる。



「Fランク冒険者 シノノメギマンはいるか!? 居るなら直ちに出てこい!」



赤いスカーフをしたリーダー格がいきなり俺の名前を呼んだ。闖入者に冒険者ギルドに居た奴らは騒然となった。


「シノノメさん何したんですか? あれは連合国直轄の第1近衛騎士団ですよ。普段は城に引き篭ってるのにこんな所に人探しに来るなんてよっぽどの事しない限り来ませんよ」


カシミヤさんがご丁寧に教えてくれた。タリスマンと九頭龍(ヒュドラ)の戦闘を知っているのは仲間達しか知らないはずなんだが。それとも別件か? いや別件だとしたらなんだ?

ここに来てまだ日が浅い俺はまだ表立って何もしていない。全く検討がつかなかった。


「いえ、何もしてないんですけどね。これって出ていった方がいい感じですかね?」


酒場で飲んでいた冒険者に対して強引に冒険者カードを奪いとり確認しているのを見ると、出ていかない方がいいんじゃないかと思う。


「あの様子ですと、王かそれに準ずる方からの命だと思いますね。王命に逆らった者は牢獄に入れられてしまうのでここは大人しく従ったほうがいいかと。でも、あの態度は気に入りません。冒険者ギルド内であのような行動、許せません」


だよね。俺もあんな態度する奴らに着いていきたくはない。奴らはある程度、調べ終わったのか受付に並んでいる人達にも聞き込みという名の強制身分確認を始める。

やがて、俺のところにまで来る。


「お前、冒険者カードを見せろ。これは王命だ。断れば檻にぶち込むぞ」


もっと優しく聞こうなんて気持ちはないのだろうか。

俺が断ろうとした時、カシミヤさんが立ち上がり騎士の前に立ち塞がる。


「いくら王命でもここは冒険者ギルドです。手荒な真似はやめてください」


「なんだと?貴様王命に歯向かう気か? 誰のお陰で戦争の中、冒険者ごっこを許してるかわからないのか? 国家反逆罪として貴様を連行する」


何とも勝手な意見でカシミヤさんを掴もうとした騎士の腕を掴む。騎士はカシミヤさんから俺に目線を移した。


「どうやら貴様も連行されたいらしいな」


「勝手に他所様の所に来てデカい顔すんなよ。家に帰って用心棒ごっこでもしてろ」


挑発してやると騎士は甲冑の中で怒ってるのだろう。カタカタと金属音を鳴らし、掴まれていない方の手で腰に下げてある剣を抜く。


「俺には国家反逆罪の者を処刑する権限まである。お前はここで殺す。」


「お前みたいなバカにそんな権限あるのかよ。この国は終わりだな」


その言葉で完全に怒り、騎士は俺に斬りかかってきた。

めんどくさい事になるなと思いつつ、迎撃しようとした時、騎士が地面に沈んだ。


「わらわが留守の間に随分な事してくれたのう。修理費は請求させてもらうぞ?」


そう言いながら現れたのは、肩に小さな竜を乗せた妖艶な女性だ。茶髪に金のメッシュが入っており、髪はストレートロングで左目に眼帯をしている。そしてなにより目を引いたのは背中から生えている右翼が黒、左翼が黒の翼。


「ギルドマスター。」


カシミヤさんがその姿をみて安心したかのように息を吐いた。





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