28話 憤慨と時戻し
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お読みいただきありがとうございます。
今回はカオリのちびキャラを書いてみました。
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「なっ! 有り得ない! 私の眷属化を自力で脱したのもそうだが、第三者までも解除するなんて! どんな手品を使ったんだ!」
タリスマンはカオリとアザミの眷属化が解除された事に対して激昂していた。
ギマンはカオリが眷属化した時にダメ元で超錯覚をかけておいたが、望みは薄いと思っていた。
しかし、カオリは強い意志と使命感、仲間の懸命な支えにより戻ってきた。超錯覚はその手助けをしたまでに過ぎない。
「遅いぞカオリ。妹も無事だったことだし、さっさとこいつ倒して帰るぞ」
「あぁ!アザミちゃんは俺に任せろ!あいつに指一本触れさせやしねぇ!」
「フフフッ。ホントお寝坊さんですね! カオリさんに2回も蹴られちゃいましたよ! このお返しは、今度ギマンさんとのデートの時に何も言わない事で許しましょう」
カオリはその言葉に涙を拭いながら罪悪感を抱えていた自分が馬鹿らしくなった。
――やはり私の仲間は最高だ。
「わかった。さっさとそこの憎き敵を倒そう。カイル、アザミを任せた。リーシャ、確かに蹴ったのは悪かったが、それとこれとは話は別だ。私も着いていくぞ」
リーシャが「えー!何でですか!」と頬を膨らませ反論してくる。ギマンは「デート行くことはもう確定なの?この流れ」と困惑し、カイルは「モテる男は辛いね!」とギマンを茶化している。
その光景を見ていると心が温まっていく。
そんな空気の中、よく響く手拍子が1つ鳴る。
「ご歓談中悪いのですが、あなた達にそんな未来はありませんよ? なぜならこの私を怒らせてしまったからですよ。ここまで不快になったのは初めてです。遊びはここまで。ここからは一方的な殺戮です」
タリスマンはそう言うと、自分の体を何回も傷つける。
不死のスキルでその都度再生するが傷が増える度に血が溜まっていく。
人間なら10回以上は死んでるだろうという所で行動をやめて、こちらを睨みつける。
「さぁ来なさい。血狂月狼達よ。あの者共が餌ですよ。」
その大量の血を媒体に先程までギマンが相手していた狼が8体現れる。そして、私達の頭上には1000を超える串刺し血雨が展開されていた。
「狼と血雨に襲われながら死になさい。それを相手している間に私はまた自害し、どんどん数を増やしていきますよ」
絶望的な状況だろう。しかし、私達はその中でも笑っていた。
その態度が気に食わなかったのか
「何故笑っていられる! ホントに貴様らは俺を不快にさせる! せめて死に様だけは愉快にしてくれよ!」
と口調も完璧に素に戻り、イラついていた。
タリスマンの号令の元、狼と1000を超える血の雨が襲いかかる。
私は最後の弾が入っている銃を腰に下げ、矢を携え、弓を構える。
――sideギマン
何でいつも最悪の予想と言うのは当たるんだ。と目の前の地獄絵図を見て思う。
一体だけでもあれだけ苦戦した狼が全部で八体。頭上には軽く1000は超えるだろう血の雨。それらを掻い潜っても、タリスマンは己を媒体にしている為、キリがない。
こんな絶望的な状況なのに仲間を見る。そしたら不思議と笑ってしまう。
何でだろうな。この状況をみてどちらが不利ですか。と答えるなら明らかに俺達だろう。
だけど負ける気がしないんだ。
理屈っぽい俺が精神論みたいな事を言い出してアホらしいと思うがホントにそう感じるんだ。
帰ったらリーシャちゃんに何の料理作ってもらおうか。
カオリが眷属化した時のモノマネをしていじってやろう。
カイルと美味い酒を酌み交わそう。
とか考えている自分がいる。
おっと、こんな事考えている間にタリスマンが俺たちの反応に苛立ち、攻撃してきたな。
――さっさと倒して飯にすっか。
「カイル!こいつら引き付けてくれ!」
「お安い御用だ!」
「リーシャちゃん!カイルが限界になりそうな時に回復魔法!俺達ごとでも構わないから広範囲魔法を発動をしてカイルのカバーをしてくれ!」
「わかりました!」
「カオリは俺と一緒にタリスマンを叩く! 最後の聖なる弾丸は自分のタイミングで撃ってくれ! 俺が隙を作る!」
「わかった!」
各々に指示を出し、タリスマンへと向かう。カイルが死と踊るを使い、頭上と地上、全ての攻撃を受けているが、リーシャちゃんがカバーして何とかもっているといった状況だ。
手遅れになる前に元凶を潰す。
「いいのか?あの2人ミンチになるぞ?あぁそうかお前は仲間なんか見殺しにする奴だったな」
タリスマンはあの時、カオリとアザミを見殺しにする判断をした俺をおちょくってきた。
「そう言うお前は俺達に1度殺されてビビってたもんな? 怖くて1人じゃ戦えないから2人を殺さなかったんだろ?」
逆に挑発してやる。「死ねぇ!人間がぁ!」と即答しながら霧化しながら爪だけは実体を持たせて攻撃してくる。
タリスマンの怒涛の連撃に加え、霧化によって360度全ての方向から繰り出される攻撃に次第に劣勢になっていく。
その様子をカオリはグッと我慢しながら銃を構え隙を伺っていた。
その時、カイルが限界を向かえたのだろう。リーシャちゃんの回復魔法が飛んでくる。
退魔の魔力が再び付与される。ここだな。
俺は短剣を両手で握り、腕に魔力を通す。霧化しているタリスマンに向けて渾身の一撃を見舞う。
「【剛腕】!!」
「それはあの髭面が使っていた技!ヤバい!!」
俺はカイルが初めて剛腕を使う時に錯覚でこっそり獲得していた。
ここぞと言う時にとっておいた。こいつの不死は傷とかを治す時は一瞬でも、1度HPがゼロになる攻撃を受け復活する時には少し時間がいる事はさっき見ている。
カオリが銃を構えている以上、その時間は命とりだ。
霧化して面積を増やしていたタリスマンは俺の攻撃をもろに食らい、人型に戻るがバラバラになっており原型を留めていなかった。
バラバラになったタリスマンの体は復活しようと黒い煙を上げている。
「カオリ!いけ!」
「今度こそ消滅させてやる!【聖なる弾丸】!」
回転式拳銃の最後の弾が、今までで最大級の出力で復活しきれていないタリスマンに轟音と共に着弾した。
着弾した場所には、タリスマンの体と思わしきものが一欠片も残っていなかった。
だが、おかしい。タリスマンは消え失せたのにカイル達が戦っている血液魔法が消えない。普通術者が死ねば魔法は消えるはずなのに。
――ズブリ。
「【時戻し】が1回しか使えないなんて言った覚えねぇぞ?」
タリスマンは目の前に無傷で現れ、俺の腹部を腕ごと貫いていた。
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