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2話 冥府神と創造神




「んっ?ここはどこだ?俺は死んだんじゃねーのか?」


そう言いながら瞼を開き、周りを見渡すと、とてもじゃないが自分の歩んで来た28年の中でも想像もつかない景色が周りに広がっていた。



左目に映るのは、この世の地獄を体現したかのような紫の炎で埋めつくされた空間である。その炎の中には微かに骸骨が見える。


そして、その景色をバックに、金剛力士像のような恐ろしい男が立っていた。



右目には、景色一面真っ白で、どこか神々しさを感じる空間が映った。

こちらにもまた、ヨボヨボだが、目だけは猛禽類を思わせるようなおじいちゃんが立っていた。




ここで、俺は瞬時に頭の中で整理し、有り得ないと思うがもしかしたらと言う気持ちで言葉に出した。


「あぁーもしかしなくても、ここ天国と地獄の狭間みたいな所?」



そう言うと目の前のお二人さんは片目をピクッと反応させてお互いを見合った。


「ほう。今回の中間者は随分と察しがいいようだな。創造の」


「ホッホッ。そうじゃなぁ、てか貴様と顔合わせるのは何百年ぶりじゃ?冥界の」



天国の神と地獄の神が、仲良く話している姿に驚きながらも、俺は1つの仮説を立てた。



「あのー?これ俺って死んだって事でどっちの死後の世界に行くか決める感じになってる?」


「フハハッ!おうおう!その通りだ若造!しかし俺の姿をみてビビりもせずにもう気持ちを切り替え状況判断するとはおもしれーじゃねーか!」


「ふむ。面白いのう。これならあの世界に送っても問題無さそうかのぅ?」


あの世界?あの世界って何だ?

頭の中で、そんな疑問が浮かび上がるが、今は状況判断に努める。こういう時に冷静で居られない奴は早死にするって言うしな。



「おい創造の!こいつおもしれーから俺の冥府で面倒みるわ!それでいいだろう?」


大声で筋肉隆々の神が言うと、いや、とんでもないこんな奴の所にいたら、いつか自分が、あの骸骨がの一員になるじゃねーか。


それは、なんとかして免れようと口を開きかけた時



「ホッホッ。そうしたい所じゃが、お主の浮気が、妻にバレそうな時に庇ってやったのは誰じゃったかのぅ?」


「グッ!ヌヌゥ。貴様セコいぞ!その事は魂300万で交渉が成立してたろ!?」


「おっ!そうかそうか。じゃあ仕方ないのぅ。ちょっと儂冥界に用事があるんだった!今から行ってくる!」


「おいおい!ちょっっっと待ってくれまんかねぇ?創造様?」


「ん〜?どうしたんじゃ?冥界の浮気鼠くん?」


「だぁぁぁ!くそ!わかった!わかったよ!今回の中間者の処遇はお前に任せるよ。ったく性格悪すぎんだろこの爺さん」


「物分りのいい子は好きじゃよ儂」


一体俺はなにを見させられてるんだと言う感情が溢れ、しかしあの地獄みたいに行かなくなった事だけはある程度話の流れでわかり安堵した。

話が終わったのか赤髪の筋肉隆々の男は横を向いて何かブツブツ言っており、俺の目の前にいた眼だけは鋭い爺さんが話しかけてきた。



「おぬし儂が戯れで作った世界で過ごしてみんかのぅ?」


ニコニコと人の良さそうな笑みを浮かべ俺に言ってくる爺さんを見ると



(あっ、これ嫌な予感がする)



普段人を騙したり物を盗んだりする男は直感で怪しいと思い、しかし、自分には選択肢がないため頭を抱えながらその話の続きを聞くのであった。

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