101話 紹介と威圧
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「ギマンから紹介があったけど、魔王アリステラよ。人類の王の皆様、どうぞよしなに」
王達が驚愕している中、アリステラがドレスの裾を持ち上げながら、挨拶をする。
「アリステラ様の忠実なる下僕ヘクターです」
部下とか側近じゃなくて下僕なんだ。いいのかヘクターそれで...
2人が挨拶し終わると、王達は少しは落ち着いたらしく、代表してデノンハウザーが立ち上がり、挨拶を交わす。
「儂は人類代表王デノンハウザー=ザーディ=トラソルだ。他の4人の王は耳長族、小人族、獣人族、天使族だ。皆、魔族に故郷を奪われ、少なからず憎しみの感情が出るかもしれんが許して欲しい」
「フフッ。正直な方が私は好きよ。そういう感情を向けられる事は想定済みだったから」
「なるほど。話し合う前にお主に1つ聞きたい。人類の領地を侵し、人を殺したことはあるか?」
最後の言葉でデノンハウザーの雰囲気が変わり、嘘は許さんといった目をアリステラへ向ける。
他の4人の王達も同様の視線をアリステラへ向けていた。
「人の血を飲んだ事はあるけれど、殺した事はないわ。領地を侵したかと言われると微妙なところね。魔神の命令で仕方なく、侵攻したことはあったわ。でも、私は手を出さなかったわ。その代わり、もう1人の魔王が率先していたけれど。まぁ、貴方達からしたら変わらないのかもしれないわね」
これには俺も驚かされた。魔王ともあろう者が人を1人も殺した事がないと言うのだ。
デノンハウザーや他の王達もこれには、疑いの目を向ける。
「証拠を見せろなどと言うつもりはないが、さすがに1人も殺してないは、儂らの顔色を伺っているようにしか思えん」
「逆に私が貴方達の顔色を伺って良い事があるのかしら?共闘の件が反故になるから? フフッ。言ったでしょう?ダメ元だって。より成功率が高い選択をしただけで、他にもやりようはあるのよ。あまり魔王をなめないほうがいいわよ?」
アリステラは見ると吸い込まれそうな深紅の瞳を一瞬光らせる。
たったそれだけなのに、スイエルの《重力魔法》を受けたかのように、体が重くなる。
デノンハウザーは立っていられずに椅子に座り込む。
他の王達は胸を抑えながら、必死に耐えている。
「アリステラやめろ」
さすがにこれはやりすぎだと思い、俺が叢雲をアリステラへと向けると、ヘクターが守るかのように俺の前に立つ。
「人間ごときがあの態度をアリステラ様へと向けたのです。殺されないだけでも感謝して欲しいです」
俺はヘクターの言葉を無視し、アリステラだけを見る。
アリステラは俺と目が合うと、フフッと笑い、重圧を解除する。
「ごめんなさいね。共闘するとは言っても対等の立場でありたいから舐められる訳にはいかなかったのよ」
王達は重圧が解除されたことによって、酸素をようやく取り込めたのか、息切れを起こし、冷や汗をかいていた。
「にしてもだ。恐怖で従わせるやり方をして信頼関係が成り立つと思うか?」
「そんなに怒らないでギマン、反省してるわ。ヘクター貴方もやめなさい」
俺の言葉にアリステラはしょぼんとしていた。
そんなアリステラを心配そうにヘクターが見ていたが、命令通り後ろへと下がる。
「いや儂も軽率だった。儂らなんか一瞬で殺せる力があるのに、そんな嘘で顔色を伺わなくともいい事に気づかなかった。魔王よ許して欲しい」
まだ息が乱れていたが、デノンハウザーはアリステラへと頭を下げて謝罪する。
「いいえ。私達魔族がしてきた事を考えると信じらないのは当然の事だもの。そうだ、私紅茶に目がなくてね。ひとまずティーブレイクにしないかしら? 」
「そうじゃの。それなら最高級の紅茶を用意させよう。皆も取り敢えず、席に着いて落ち着こう」
アリステラの提案を飲み、デノンハウザーは従者を呼び、用意をさせる。
その間、王達も重圧による、息切れや冷や汗などを拭き、体調を整える。
これ以上波乱が起きなければいいんだが...。
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