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豆畑の外は世界の果て  作者: 大石安藤
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昼と夜は3通の手紙を受け取る

「先生にありがとうございますと伝えてね。これは皆さんでどうぞ」

「あ、ありがとうございます。いただきます」

「気をつけてね」

 僧侶見習いの少年は夜と昼が手を振るのに見惚れて振り返り振り返り歩くので、半ばらばに引かれるように帰っていく。

「大丈夫かしら。送って行った方がよかったかしら」

 昼が心配そうに言えば、夜が「あのらばがいれば大丈夫よ」と答えた。自分で村まで帰り着いたらばである。ただものではない。昼も「それもそうね」と頷いた。

「朝はずいぶん近づいているようだわ」

 夜は手元の手紙を見ながら言った。目的の国よりふたつほど国を挟んだ場所から来た手紙はそれなりに厚さがある。

「それに朝にしては厚みがあるわね」

 昼はもう1通を夜の手から受け取り、「こちらはいつも通りの厚みだわ」とため息を吐いた。もちろんジャンジャックからの手紙である。まだ夜が帰ったと知らないはずなので、数日後にこちらに戻ることについての手紙だろう。

「こちらも厚いわよ」

 夜が差し出した最後の1通は差出人が学園都市の4人の連名で、他の2通に負けない厚みがある。

「……片付けを終えたら、お茶を入れるわね」

「じゃあ、私は水回りだけ見回ってくるわ」

 ふたりはよく似た苦笑を浮かべてそれぞれの仕事を始めた。

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