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80.白馬の王子様参上

ブリアとライナーの耳に、ブリアの名を呼ぶロンの声が響き渡った。


「ロン様?」


ブリアは、あまりの驚き様に声が大きくなった。


「チッ…何故ここに殿下が?」


ライナーは、ロンの声に気づくとドアの外にいる男の元へと行った。


「そこで、食い止めろ。いいな?」


ライナーは、部屋の外で待機していた男へ言った。


「はい…」


男は、静かに応えた。


そして、ライナーは再びブリアの元へと戻ってきてブリアを椅子から立たせた。


「さぁ…ブリア様…邪魔者が入りましたので予定より早いですがここから出ましょう…」


ライナーが、そう言ってブリアの腕を掴んだ時、外から声が聞こえた。


「ブリア!ブリア、そこに居るのか?」


ロンが、部屋の外で待機していた男に気づいて声を出した。

そして、次の瞬間に部屋の外で走る音がしあっという間にロンが部屋の前まで来たのか、剣が飛び交う音がした。


カキンッ。カキンッ。カキンッ。


部屋の中にいた、ブリアとライナーは部屋の前までロンが来ていることがわかった。

思わず剣が交える音を聞いてしまっていた瞬間、


「ゔっ………」


と、いう鈍い声が部屋の外から聞こえた…


(え?ロン様…まさか…やられたの…嘘…そんな…まさか…嘘でしょ…)


ブリアは、内心気が気ではなかった。

ブリアは、ロンがやられてしまったのではないかと見えない状況に不安を覚えていた。


しかし、次の瞬間……


部屋の扉が、バンッ!!と蹴り破られた。


「ブリア!!」


破られた扉から中に入ってきたロンがブリアの名前を呼んだ。


「ロン様!」


ブリアは、ロンに向かってロンの名前を呼んだ。


ロンは、ブリアの無事を確認して少しホッとしたような表情になった。

だが、ブリアの後ろにいたライナーを見た途端剣を構えた。


「スリム男爵家の令息のライナーだな?そなたの父の悪事は全て発覚した。もう逃げられない。大人しく拘束に応じて貰おう…」


ロンは、ライナーを睨みつけながら言った。


「ハハハ…まさか、ここで殿下がおでましになるとは…丁度よいところに来てくれましたね…殿下…今、丁度ブリア様と共に愛を誓うところだったのです…是非、殿下にもその瞬間を見て頂きたいものです…」


ライナーは、ニヤリと笑いがらロンに言った。


「そなた…何を言っているのだ?ブリアと愛を誓うだと?ふっ…おかしな事を言うんだな…」


ロンは、鼻で笑いながら言った。


「訳のわからない事など言うのはやめ、大人しく拘束に応じろ。さぁ…ブリアこちらに来なさい。」


ロンが、そう言うとブリアの方へと手を伸ばし近づこうとしていたその時…


「殿下…動かないでください…それ以上動かれますとブリア様に多少の辛い思いをして頂かなければいけませんよ?」


ライナーは、ニヤリと笑いながら言うとブリアの身体を自分の方に引き寄せ持っていた小瓶を前へと出しロンに見せた。


「貴様…何を…」


ロンは、その場に止まり顔を歪めながら言った。


「この小瓶の中の匂いを嗅ぐと、私なしではいられなくなる媚薬入りの薬です。しかも、即効性のあるものです…殿下の邪魔が入らなければとっくにブリア様に嗅がせたいたのに…ですが…殿下の目の前で、私によがるブリア様のお姿を見せて差し上げるのも良いと思いましてね…」


ライナーは、ニヤニヤと笑いながらロンを見下す様に言った。


「貴様…何という姑息な手を使うのだ…ブリアに手を出すことは許さない…」


ロンは、怒りに満ちた表情でライナーを睨みつけて言った。


その時、ブリアが口を開いた。


「ロン様…本当にいつもご迷惑ばかりおかけして申し訳ありません…何度もご迷惑をかけているのでバチが当たったのかもしれません…それに…あの様な冷たい態度を取ってしまい申し訳ありませんでした…きっと傷つかれましたよね?傷つけてしまって申し訳ありませんでした…ロン様に直接お詫びを申し上げられて良かったですわ…」


ブリアは、ロンに向かって優しい笑みを浮かべながら言った。


「ブリア?何を言っているのだ?その様な事は謝らなくともよい…」


ロンは、急にその様な事を口にしたブリアに不安を感じて言った。

すると、ブリアはまた優しくにこりと微笑んだのだった。

そして…本当に小さな声で

『ありがとう…』

と呟いた。


「ハハハ…何とも。まるで最後のお別れの様な事を言われますね…ブリア様…ようやく私と一緒になる事を了承して下さったのですね…嬉しいです…とても…ですが、どうせなので殿下の目の前でこの薬を嗅いでもらいあなが私を求める姿をしっかり見てもいましょう…」


ライナーは、にっこりと満面の笑みで言うとブリアの鼻に小瓶の蓋を開け近づけた…


それを、見たロンは…


「やめろー!!」


と、大きな声で叫んだのであった…



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