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7.初めての王宮

スペード侯爵家を乗せた馬車が王宮へと到着した。


ケビン始め、家族全員が馬車から降り王宮内へと入っていった。

王宮に入ると王宮内の執事に社交会の開かれる大広間へと案内された。

案内された大広間は本当にとても広く天井も高いまさに社交会に似合う場所であった。


ブリア達一家は皇帝陛下達が入場される前に一通り挨拶を済ませておこうとまずはハート公爵家へ挨拶に向かった。


「ハート公爵。お久しぶりでございます。」


ケビンがハート公爵であるダンへ話しかけ挨拶をした。


「やぁ。スペード侯爵。久方ぶりだね……はは…堅苦しい挨拶はなしでいいさ…ケビン…」


ダンは畏まった挨拶をした後すぐに友達口調となった。

ケビンとダンは普段から仲の良い昔からの友達であった。

公爵夫人であるザラはクレアと仲が良かったのだ。


「ここは公共の場だから一応建前としてね…」


ケビンはニヤリと笑いながら言い応えた。


「相変わらず社交会というのは堅苦しいものだな…」


ダンはため息をつきつつ言う。


「そうだな…だが今日はお互い息子と娘が社交会デビューする日だからな…」


ケビンが応えた。


「そうだな…そこに居るのはブリア嬢かい?」


ダンが尋ねた。


「あぁ。ブリアだよ。君とブリアが会うのはえらく久方ぶりだったな…キール様とはよく会っている様だが…」


ケビンが応えた。


「そうだな…ブリア嬢と会うのは二年ぶりだったかな…ブリア嬢が我が邸に訪れる時に限り私が邸を空けている事が多くてな…久方ぶりに会ったがすっかり立派なレディーだな…」


ダンは言う。


「そんなぶりであったか…自慢する訳ではないが…本当にうちのブリアは美しい令嬢なのだよ…」


ケビンは顔を緩ませながら応えた。


「おいおい…自慢しているじゃないか…」


ダンは苦笑いしながら言う。


父達のそんなやり取りを見ていたザラとクレアは苦笑いをしていた…

そして、子供達はやれやれという表情をしていた…


「父上、話を割って申し訳ありませんがそろそろスペード侯爵様と御夫人にご挨拶をしたいのですが…」


キールがケビンとダンの話を横から遮って言う。


「あぁ…すまない。すっかり話し込んでしまったな…」


ダンが申し訳なさそうに応えた。


「改めましてスペード侯爵様、侯爵夫人様、こんばんは。お二人に会うのはお久しぶりでしたね。」


キールがケビンとクレアへ挨拶をした。


「キール様、お久しぶりにございます。いつも息子や娘と仲良くして頂き感謝の所存であります。」


ケビンがキールへ挨拶をした。


「キール様、こんばんは。お久しぶりにございます。」


クレアもキールへ挨拶をした。


「私も楽しくローランド様達ややブリア嬢と仲良くさせて頂いてますので。」


キールはにこりと微笑み応えた。


「「ありがとうございます。」」


ケビンとクレアはお礼を言った。


「公爵夫人、アミル様もお元気そうです何よりでございます。」


ケビンがザラとアミルへも挨拶をした。


「ザラ様、アミル様、お久しぶりにございます。」


クレアも挨拶をした。

続けて、ローランド、クリス、アーサー、ブリアも挨拶をした。


「スペード侯爵家の皆様もお元気そうで何よりでございます。今日はお互いの子供達の成長をお祝い致しましょうね。」


ザラはにこりと笑い応えた。


「「はい。」」


と、スペード侯爵家の皆は笑顔で応えた。


そして、ハート公爵家、スペード侯爵家共に他の家庭への挨拶も済ませた。


ケビンとクレアは伯爵家の夫婦と話し込んでいて、ローランド、クリス、アーサー、キールはご令嬢達に囲まれていてブリアは一人残されたので飲み物を飲みながら少し椅子に腰かけ休んでいた。

するとブリアは誰かに話かけられた…


「今日は、いつもに比べたらましな装いだな…」


ブリアに話しかけてきたのはキールの弟のアミルであった。


「あぁ…アミルね…」


ブリアは声のする方へ振り向いたがアミルだと気づくとため息混じりに応えた。


「何なんだその態度は…一人寂しく休憩しているなんてな…」


アミルがツーンとした態度で言う。


「寂しくなんてないわよ…むしろ一人になれてホッとしてるわ…せっかくゆっくりしていたのにアミルが邪魔してきたのでしょ?」


ブリアはアミルを少し睨みながら言う。


「邪魔とはなんだ…ブリアは寂しくしているのかと思い話しかけてやったというのに…」


アミルは不機嫌そうに言う。


「そうなの?それは失礼しました。でも、心配ないわよ…一人の方がゆっくりできるわ。」


ブリアは応えた。


「ふんっ…そうか…では…私もここでゆっくりするとしよう。」


アミルが言う。


「ふふふ…アミルったら自分も一人で寂しいならそういえばいいのに…おかしいわね…」


ブリアは思わず笑いながらアミルへ言う。


「べっ…別に寂しいなどない…ただ、ここの椅子が空いていたから休もうと思ったただけだ。」


アミルが眉を下げながら言う。


「あらそうですの?では、ごゆっくりお休みなされて下さいな。」


ブリアはニヤリとしながら応えた。


「……ブリアも今日の社交会で皇太子殿下のお目通りして自分アピールして覚えておいてもらいたいと思っているのか……?」


アミルが少し複雑そうな表情で尋ねた。


「え?皇太子殿下に?そんな事少しも思ってないわ。わたくしは皇太子妃になりたいとも思っていないわ。殿下に気に入られたいと思う前に早く邸に戻りたいと思ってるくらいだもの。」


ブリアは少し眉を下げながら応えた。


「そうなのか?それは本当か?ブリアは殿下に気に入られたいと思っていないのか。そうか…」


アミルは心なしか微笑みながら安心した様な表情で言った。


「急に大きな声出さないでよ…本当よ。アミルったらそんな心配してるなんて。」


ブリアはくすくすと笑いながら応えた。


アミルはそんなブリアをとても愛しそうな目で見つめていた。

ブリアは笑っていてそんなアミルの視線には気づいていなかった。


二人がそんな話をしていたら騎士団の団長が声をあげた。


「皇帝陛下、並びに皇后様、ロン皇太子殿下、ロナ王子のご入場です。」


団長がそう言うと大広間に響き渡ったのだった。



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