63.皇太子の告白
ブリアは、ロンがそこに居ることに驚いた…
(やばっ…何でここにロン様が?今日の見回りってこんなに早かったの?ヤバいわ…こんなとこ見られたらマズイわ…お父様やお兄様に言われたらさすがにかなり怒られるよね…どうしよう…逃げる?いや、逃げてもあたしだってバレてるし意味ないか…)
ブリアがどうしかようかと悩んでいたら、ロンがあっという間にブリアのところまで来たのだ。
「ブリア!こんな所で何をしているのだ…………」
ロンは休養中であろうブリアがこんな場所にいたので少し起怒った様な表情でブリアにそう言おうとした時、ロンの目にブリアの後ろにいた男達が目に入った。
「この者達は…?まさか…ブリア…君がかい?」
ロンは呆れがちにブリアに尋ねた。
「あぁ…えっと…そのですね……そうです。わたくしが…」
ブリアは小声で呟いた。
「はぁ…お前は今休養中ではないのか?何故ここに居るのだ…それも危険を承知で大の男達を相手にしている…」
ロンはため息混じりで言った。
「……ロン様…この事は、お父様とお兄様には内密にお願いしたいのです…バレてしまえばさすがに強めのお叱りを受けることになりますので…」
ブリアはロンに懇願した。
「はぁ…この際だ。強めのお叱りを受けたほうがいいだろう。」
ロンは呆れ様に言った。
「それは、なりませんわ。強いお叱りなど受けてまえばわたくしは…わたくしは……当分、大好きなお菓子を食べることが出来なくなりますわ。」
ブリアは泣きそうな表情で言った。
「は?……お菓子…だと……?」
ロンは予想外のブリアの発言にあ然とした表情で言った。
「?ええ…そうです…昔、何度注意を受けてわたくしが木登りをやめないでお父様が痺れを切らされてお叱りになったのですが…その時、罰としてお菓子を二週間も禁じられたのです…」
ブリアは昔を思い出すように切ない表情で言った。
「………くはっ…ぷはっ…ハハハ…お菓子を食べれなくなるから侯爵様やローランドに内密にして欲しいのか?叱られる事が嫌なのではなくか?」
ブリアの話を聞いたロンは、思わず吹き出してしまったのだ。
「?何がおかしのですか?お菓子を食べれなくなるのは、わたくしにとって死活問題ですわ。」
ブリアはロンに笑われ少し頰を膨らませて言った。
「いや…何というか…先程までまた危険な事を一人で勝手にしている事に腹を立てていたんだが、ブリアの予想外の話に腹を立てていたのも忘れそうになったほどだよ。」
ロンはクスクスと笑いながら言った。
「??それより、この者達はどうされますか?この者達は、キール様を襲った者達です。それだけではなく、恐らく誘拐事件にも関与しているかと…」
ブリアは一転して、真剣な表情でロンへ言った。
「この者達がキールを?……それに誘拐事件との関与も疑われるのか………」
ロンはキールを襲った者と聞き、眉をピクリと動かして呟いた…
「この者達は、牢へと入れおくとしよう。後日、話をたっぷり聞かせてもらうとしようか…」
ロンは、男達を見下しながらニヤリと微笑み言った。
そして、ロンは共に連れてきていた王宮に仕える騎士を呼び、男達達を牢へと運ぶようにと男達を受け渡した。
「さて…ブリア、一先ず君を侯爵邸へと送るとするよ…」
ロンが騎士に男達を受け渡すとブリアの方を向き、ブリアに言った。
「……はい。ありがとうございます…」
ブリアは気まずそうに返事をした。
二人は、ブリアの乗ってきた場所で侯爵邸まで帰宅する事になった。
場所へ乗り込み出発すると、ロンが口を開いた。
「はぁ…この事はもう少し様子を見てブリアへ伝えようと思っていたが、先程のブリアの予想外の話を聞き今言うべきなのかもしれないと思ったので言っておこうと思う…」
ロンが、深呼吸をして真剣な表情をしてブリアに言った。
「?何をですか?わたくしが叱られお菓子を食べることが出来なくなる事と何か関係のある事なのです?」
ブリアはロンが言っている意味が分からず不思議な表情で応えた。
「ハハハ…君がお菓子を食べることが出来なくなる事とはあまり関係のない事だが…」
ロンが言う。
「??…では……?」
ブリアはさっぱり何の事だかわからず首を傾げて尋ねた。
「実は…私は…………ブリア、君に想いを寄せているのだ…君の事を慕っているのだ……。」
ロンは思い切ってブリアへ打ち明けた。
「想いを寄せている?……と申しますと……」
ブリアは一瞬どういう意味か分からず考えながら言う。
「つまり……私はブリアの事が異性として好きなのだ!!」
ロンはブリアの目を見てしっかりはっきりと言い切ったのだ。
……………。
(ん?ロン様が、あたし好き?好き…?それってつたり恋愛的にって事?何で?どーゆー事?一国の皇太子があたしを好きーー?)
ブリアはあまりに驚きの脳内で混乱していた。
「ブリア?聞いているか?」
ロンがブリアを覗き込むように言った。
「きっ、きっ…聞こえてますわですわ…」
ブリアは、あまりの混乱様に変な言葉が出てしまった。
「ハハハ…確かにきちんと聞こえていたようだな。」
ロンは笑顔で言った。
「一国の皇太子様が…わたくしを好き……好きですと?ロッ…ロン様がですか?えっ?えっと…」
ブリアは顔を耳まで真っ赤にさせて混乱して応えた。
「そうだ。私はブリアに恋をしているのだよ。」
ロンは笑顔で嬉しそうに応えた。
そんなあまりにも輝く様な嬉しうな笑顔を見たブリアはドキっとしたのだった。
「あっ…ありがとう存じ上げわます。感謝の気持ちでいっぱいでございます…」
ブリアは自分でも何を言っているのかわからない言葉を言っていた。
「くくくっ…いつも強気なブリアがそのように混乱しているとはな…私の事を男として意識してくれたかな?君に気持ちを伝えたんだ。これからは遠慮なく君に気持ちを伝えるとしよう。」
ロンが笑顔で言った。
「こっ…混乱などしてませんわ。ただ…驚いただけですわ…その…ロン様は今まで…そのわたくしを好きだなんて素振りなっ…なかったではありませんか…」
ブリアはロンの顔をまとめに見れないまま応えた。
「今までは、ブリアがキールの事を異性として好きで慕っていたのだと思っていたのだよ…」
ロンが苦笑いしながら言った。
「キール様をですか?ありえませんわ。わたくしは確かにキール様を好きではありますが、それはあくまで兄としての好きですもの…キール様の事は本当のお兄様だと思ってるくらいですもの…」
ブリアはロンの発言に驚き反論したのだ。
「あぁ…それは誤解だと、昨日知ったばかりだよ。実は、キール本人にその事を聞き誤解だと言われたのだよ。そして、キールに背中を押されてブリアに気持ちを伝える事にしたのだよ。」
ロンが説明してくれた。
「そうだったのですか…誤解が溶けたのは良かったですが、その様に急に言われましても驚きですわ…一国の皇太子殿下がいち侯爵邸のわたくしなどを好きなど考えられる事ではありませんもの…」
ブリアは気まずそうに言った。
「だが、現にそれが事実だよ?くくくっ…君は以前、王族への興味はないと言っていたよね?その気持ちが変わってくれるといいと思いながらこれからは全面に君に気持ちを伝えて、皇太子妃になってもらえるように頑張るさ。」
ロンは清々しい笑顔で言った。
「皇太子妃?それは…ちょっと困りますわね…」
ブリアはロンの話にまたも驚き言った。
「その気持ちを覆せるようにブリアが私を好きになって貰える様にすればいいのさ。」
ロンは嬉しうな笑顔で言った。
「そんな…自分勝手な…」
ブリアが頰を膨らまし言おうとすると…
「あぁ…残念だな…もう侯爵邸へ着いてしまったよ…せっかくもっとブリアと話が出来ると思っていたのに…」
ロンがニヤリと笑いながら言った。
「………。送って頂きありがとうございました…あっ…話が逸れてしまいましたが、お父様とお兄様には今日の事は内密にお願いしますね…では…失礼致します…」
ブリアはそう言うとに馬車から降りて玄関ではなく自分の部屋の下へと向かった。
「全く…言い逃げとは…くくくっ…んっ?何故、玄関ではなく庭の方へ?」
ロンはブリアが玄関ではなく庭へと行くのを見て不思議に思い、場所から降りてそっと庭へと向かった。
すると、あろう事かブリアは自室のバルコニーから縄の様な物を垂らしていて、それを掴み壁を登り自室へと入っていったのだった。
「くくくっ…全く何ていうご令嬢なんだ。スカートも盛大に開けていてもお構いなしに…くくくっ…本当に君は私を飽きさせないな…」
ロンはそんなブリアの姿を見て静かに笑いながら言った。
そして、ロンも王宮へと戻って行ったのだった。




