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6.社交会デビュー

ブリアは十五歳になり貴族学園へ入学する歳になった。


貴族の令嬢は十五歳になると学園へ入学する前に社交会デビューを果たす事になっていた。


この日はブリアの初めての社交会デビューということもあり朝からはスペード侯爵邸では皆が忙しく動いていた。


ブリアは待女のアミーに髪を結ってもらい、軽く化粧も施されていた。


「ねぇ…アミーあなた何だかとても嬉しそうね…」


ブリアが苦笑いしながら鏡越しにアミーへ尋ねた。


「それはもう嬉しくて仕方ありません。ブリアお嬢様ったらとても美人でらっしゃるのに普段はあまりオシャレは最低限程にしかなされませんでしょ?本当に毎日勿体ないと思っておりました…ブリア様が着飾らなくて誰が着飾るのかと思うほどでございました。しかし、今日は私が腕によりをかけて髪を結いお化粧も施せるのです…このように嬉しいことはございません。」


アミーは目を輝かせながら応えた。


「そうなのね…でも、本当に普段通りでわたくしはいいのだけれど…」


ブリアはまた苦笑いして言う。


「なりません。うんと美しく着飾り本日の社交会で皇太子殿下もロナ王子も他のご令息様方も全てブリアお嬢様の虜にさせるのです。」


アミーは鼻を鳴らしながら胸を張り応えた。


「虜と…わたくし皇太子殿下にもロナ王子にも他のご令息の方々も興味をございませんの…」


ブリアは言い切った。


「はい、分かりましたお嬢様。はい、それではドレスにお着替えくださいませ。」


アミーはブリアの言ったことなんて聞こえないと言わんばかりの態度で応えるとテキパキと動いた。

そして、ブリアは淡いクリーム色のシンプルなドレスへと着替えたのであった。

ブリアは派手なドレスを好まない為にドレスのデザインだけはシンプルというのを譲らなかったのだ。

ブリアは十五歳の割には発育が良いため胸元は開いたものではないものを選んだのだった。


「はぁ〜…ブリアお嬢様…何とお綺麗なんでしょう…この様にお美しいお姿になられるのにお手伝い出来て私は嬉しく思います…」


アミーは感動した表情で言う。


「ふふふ…アミーったら大袈裟ね…でも、お手伝いしてくれてありがとう。感謝するわ…アミーのお陰で見た目の恥はかかなくて済みそうだわ。」


ブリアは笑いながら笑顔で応えた。


「はい。本当に本日の社交会ではブリアお嬢様が一番お美しいと自信を持って言えます。」


アミーは自信満々に言う。


「ありがとう…アミー。」


ブリアは笑顔でお礼を言った。


そこへ、部屋のドアがノックされた。


コンコンッ。


「はい。」


ブリアが返事をした。


「私達だよ。」


ローランドが言う。


「はい、どうぞお入りになって下さい。」


ブリアが応えた。


「失礼するよ。」


ローランドがそう言うとドアを開けてクリスとアーサーと共に部屋へと入ってきた。


「やぁ…ブリア…これは驚いた。いつも可愛いらしい私達の妹が今日は一段と美しいな…」


ローランドがブリアを見て言った。


「本当だね…とても綺麗だよ。ブリア。」


クリスも言う。


「私達の妹は今日の社交会で誰よりも美しいだろう…」


アーサーも言う。


「ローランドお兄様、クリスお兄様、アーサーお兄様褒め過ぎですわ…アミーも先程からお兄様方と同じような事を申すのです…しかし、そう言って頂けて嬉しいです。ありがとうございます。」


ブリアは少し照れた様に微笑みながら応えた。


「今日はブリアにとっては初めての社交会だから緊張するとは思うが心配いらないからな…私達がついているし、父上や母上もおられるからな。」


ローランドが言う。


「はい…正直とても緊張していますの…ですが…参加するにはスペード侯爵家の恥とならぬ様にいたしますわね。」


ブリアが応えた。


「ブリアなら大丈夫だよ。皇帝陛下御一行に挨拶をして他の方々も少し挨拶をする程度だから緊張しなくて大丈夫だ…」


クリスが言う。


「はい。皇帝陛下御一行にお会いするのは初めてなので上手くご挨拶出来るように心がけますわ。」


ブリアが応えた。


兄妹がブリアの部屋で話をしていたら執事から馬車の用意が出来たと伝えられたのだ。


四人は執事と共に馬車へと向かった。

四人が馬車へと到着したすぐ後に父であるケビンと母であるクレアがやってきた。

ケビンとクレアの後に四人も馬車へと乗り込んだ。


馬車は王宮へと出発した。


「ブリア緊張しているのかい?」


ケビンがブリアに尋ねた。


「緊張はしていますがお父様もお母様もお兄様方も一緒だと思うと心強いですわ。」

 

ブリアは微笑みながら応えた。


「ブリアらしいわね。でも、何か嫌なことや辛くなったのならわたくしたちへすぐに報告しにきてちょうだいね…」


クレアがブレアに言う。


「はい。お母様。ありがとうございます。何かありましたらからすぐ近くにいる家族に言いますわ…」


ブレアが応えた。


そうしているうちに馬車は王宮へと到着したのであった。

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