49.忍び寄る悪の手
ブリアは食事を終えた後、乗馬場へと戻った。
午後から段々と雲行きも怪しくなり空が暗くなっていった。
「ブリア様、雲行きが怪しくなってきましたね…天気が荒れそうな予感がしますね…」
ライナーがブリアに声をかけてきた。
「ライナー様。そうのようですわね…午前はあれほど天気が良かったのに…大雨になる前に馬を馬小屋に戻して屋内に入った方が良さそうですわね…」
ブリアも空の様子を見て応えた。
その後、講師の方からも天候が怪しいので馬を小屋へ戻し屋内に入ってくださいとの通達が下りたのだった。
ブリアとライナーも馬を小屋へ戻し屋内へと戻ろうと建物の中へと向っていた。
「ブリア様は、ハート公爵家のキール様ととても仲がよろしいのですね。ランチの時間にブリア様とお兄様方やキール様とご一緒のところをお見かけしたのですがお兄様方もですがキール様ともとて仲がよろしい様に見えましたので。」
ライナーは微笑みながらブリアへ尋ねた。
「はい。そうですわね。お兄様方もとてもわたくしを大切にして下さってますが、キール様も同じ様にわたくしが幼い頃から妹の様に可愛がって下さいますの。わたくしもキール様をもう一人の兄様に思っていますの。」
ブリアは笑顔で応えた。
「そうなのですね。お二人を見てまるで恋人同士の様だと周りの方々が話しておいででしたよ。」
ライナーはブリアに言った。
「ふふふ…恋人同士ですか?それはありませんわ。本当にお互い兄と妹の様に思ってますので。逆に何故その様に見えるのかが不思議ですわ。」
ブリアはクスクスと笑いながら応えた。
「そうなのですか?私もてっきりその様なご関係なのだと思いました。」
ライナーは驚いた様な表情で言った。
「それは100%ありえませんわ。ふふふ…」
ブリアはまたクスクスと笑いながら応えた。
そんな話をブリアとライナーがしていた時、どこからか犬の鳴き声が聞こえたのだった。
(ん?犬の鳴き声?何故こんなところで?どこから聞こえてるのかな…ん〜近くのはずなんだけどな…ん?あそこからか?でも、確かあそこは先生が小さな崖になってるところだし危ないから近づくなって言ってたとこだったんじゃなかったかなぁ…なんでそんなとこから犬の鳴き声なんかするんだろう…領地の直ぐ側は小さな森があるしそこから迷い込んだりでもしたのかなぁ…とりあえず雨が降る前に見てみよかな)
ブリアはそう考えて、犬の鳴き声がする場所へと足を向けた。
「ライナー様、わたくし少し気になることがございますので先に建物の中に行ってもらってもよろしいですか?わたくしも雨が降り出す前に向かいますので…」
ブリアはライナーにそう言うとに急いで崖のある方へと向かった。
「え?ブリア様…」
ライナーが事情を聞く前にブリアは走って行ってしまったのだ…
「今にも雨が降り出しそうなのに一体どうしたんのかな…」
ライナーは心配そうに呟きながらブリアに言われた通り一人で建物へと向かった。
建物へと向かう途中にローズ嬢達を見かけたが、雨が降り出す前に急ぎ建物に入ったほうがいいと自分が言ったところで無視されるか邪険にされると思いそのまま建物に向かったのだった。
ブリアは犬の鳴き声がする方へ向かう途中でローズ嬢に声をかけられたが急いでいたので聞こえないフリをしてそのまま崖の方へと向かったのだった。
崖の近くまで着くと、犬鳴き声がすぐそばで聞こえている様だったのでブリアは崖の淵まで行き下を覗いてみた。
すると、そう高い崖ではなかったが恐らく崖の下にある木か何かに登ったまま降りれないでいるみたいだった。
ブリアは曇っていのでよく見えなかったが確実に下に犬がいると確信したのでどうにかして犬を助けようと考えた。
(うーん…そんなに高い崖ではなさそだけどロープとかも何もないしどうやって助けるかな…飛び降りたとして登ってこれそうもない崖だしなぁ。一旦戻ってお兄様に手伝ってもらったほうがいいか。大雨になる前に行動しなきゃ大変そうだし。よし!そうしよう!)
ブリアが悩みに悩んで、答えが出たので建物に戻ろうと立ち上がった時だった。
後ろから急に背中を押され、ブリアはそのまま崖から落ちてしまったのだ…




