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20.情報収集

ブリアは民街へ到着するとまず初めにある場所へと向かったのだった。


ブリアは街の一角にあるこじまんまりとした店へと入っていった。


「ポールいるー?」


ブリアは店内入ると店内のカウンターに向かって声をかけた。


「ん?あぁ、ブリーか。久々だな。」


カウンターから一人の少年らしき人が現れた。

彼は、この店の店主の息子であった。


ブリアとポールが出会ったのは今から一年前の事だった。

ブリアが初めて民街へとお忍びで訪れた際の事であった。

ポールが狭い路地で質の悪い輩三人に絡まれていたところにたまたまブリアがそれに気づき三人の輩をブリア一人であっという間に懲らしめたのだ。

ポールは目の前で気を失い倒れている輩三人を見て呆気にとられていた。


「大丈夫?ケガはない?」


呆気にとられているポールにブリアが尋ねた。


「あっ…あぁ。大丈夫。あの…助けてくれてありがとう。」


ポールはブリアにお礼を言った。


「そう。なら良かった。こんな所をあなたみたいな少年が歩いていたら危ないわよ。もうこういう怪しい路地は歩かないことね。」


ブリアはポールへ言った。


「少年って…俺は十七だけど…」


ポールは呆れたような顔で応えた。


「えっ?十七歳?私より年上じゃないの…」


ブリアはとても驚いた様に言う。


「えっ…君俺より年下なのか?同い年くらいだと思ってたよ…それより君凄い強いんだな…こんな輩三人を一瞬で気絶させるなんて…」


ポールは感心するような驚いた様な表情でブリアへ言う。


「私は今十四歳よ。まぁ私の手にかかればこんな弱いものばかりに悪事を働く様な輩達を懲らしめるなんて余裕よ。」


ブリアは自信満々に応えた。


「十四歳でこんな大人の男を…しかも…三人も…君何者だよ…」


ポールは顔を引きつらせながら言う。


「何者もどこにでもいる少女だけど?少しその辺の少女より強いだけよ?それに私は君じゃなくてブリーよ。」


ブリアはニヤリとして応えた。


「少しってレベルじゃないと思うけど…まぁいいか…俺はポールだ。ブリー本当に助けてくれてありがとう。何かお礼をさせてくれないか?」


ポールがブリアにお礼を言うとお礼がしたいと提案した。


「ポールね。よろしく。私堅苦しい喋り方あまり好きじゃないからポールの方が年上だけど気軽に話させてね。あっ、お礼は要らないわ。別にお礼をしてほしくて助けたわけじゃないんだし。」


ブリアは応えた。


「あっ…あぁ。気軽に話してくれていいさ。お礼をしてほしくてではないかもしれないが俺がこのままじゃ気がすまないからさ。」


ポールは困った様な表情で言う。


「本当にお礼なんていいんだけどな…うーん…あっ、そうだ。私隣町から来たからこの街に来たの初めてなのよ。だから美味しい食事が出来るお店を教えてくれない?お店を教えて貰うのがお礼でいいわ。」


ブリアはニコリと笑い応えた。


「美味しい食事か…それならうちの店に来なよ。うちはサンドイッチと果物を置いてる店なんだよ。」


ポールは思いついたように笑顔で提案した。


「そうなの?それはいいわね。それじゃあ早速ポールの家のお店に行きましょう。お腹空いたから美味しい食事を早く食べたいのよ。」


ブリアはお腹がぺこぺこそうな顔で応えた。


「そうと決まればすぐ様行こうぜ。あっ、でもこの気絶してる輩達どうするんだ?」


ポールは尋ねた。


「この輩たちは手足縛るもので縛ってここにそのまま寝かせときましょ。ポールの家に行くまでに警察に伝えてここへ来てもらえばいいわ。」


ブリアは応えた。


「警察はあるからそこで伝えておけばいいか…警察に捕まえてもらうのが一番だからな…そうと決まれば急ごうぜ。」


ホールが言う。


「うん。行きましょ。」


ブリアが応えると二人は路地からでて警察へ向かったのだった。


ブリアは民街では貴族の様な言葉遣いはせず【かおり】時代の時の喋り方を民街に住んでる者達様にして喋っていたし髪の毛もブラウンのカツラをつけて名前も少し変えたのでまさか自分が貴族の令嬢だなんてポールは思いもしないだろうなと思っていた。


こうしてポールとブリアは出会って一年経った今も民街へ出る際にはブリアはポールの店に顔を出してサンドイッチを食べていたのだった。


そして、ブリアはサンドイッチを食べ終わると最近この辺りで起きている誘拐事件についてポールへ訊ねた。

そして、どうやら誘拐犯は昼夜問わず出現してる噂を耳にするみたいだった。

誘拐犯は恐らく二人か三人の様で誘拐の手はずも慣れたようにこなしている模様でなかなか犯人を捕らえる事が出来ていない様だった。

ポールから話を聞きながら何かを考えているブリアにポールが声をかけた。


「ブリー、また何か危ない事でも考えてるんじゃないのか?ブリーは確かに強いが相手は誘拐犯だぞ?いくらブリーでも太刀打ちできるはずがないだろ。返り討ちに遭って逆に誘拐なんてされたらどうするんだよ。」  


ポールが少し強めの口調でブリアに言う。


「大丈夫よ。ポール。危ないことなんて考えてないわよ。ただ、そんな輩は許せないなと思ってるだけよ。」


ブリアは淡々と応えた。


「それならいいが…しかし、本当にとんでもない事する輩だよな…」


ポールも言う。


「本当に許せないわ……」


ブリアは呟くように言った。


(昼夜問わず誘拐を繰り返すなんて相当慣れた誘拐犯だよね…狙う子は全て少女。時にはお忍びで民街にきている貴族の令嬢まで誘拐するって言ってよね。誘拐犯は見た目だけなら貴族かどうかなんてわからんないはずなからな…何が目的で少女を誘拐してるのか…誘拐犯は恐らくは実行犯で裏で手引してる奴が主犯に違いない。その主犯を見つけ出すにはまずは実行犯を捕まえて吐かせるのが最善策よね。とりあえず人通りが少なそうな路地でも見て回ろうかなぁ…)


ブリアは頭の中でそんな事を考えていた。


「ひとまずちょっと見回ってくるから荷物は置かせておいてね。」


ブリアはポールに言う。


「あぁ。俺も一緒に行ってやるよ。」


ポールが提案する。


「いいわよ。ポールは店番あるし軽く見回るくらい私一人で十分よ。」


ブリアはニコリと笑い応えた。


「そうかよ…わかったよ。じゃあ気をつけろよ。」


ポールは諦めた様な表情で言う。


「わかった。じゃあ行ってくるわね。」


ブリアはポールにそう言うと店を出ていった。









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