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2.前世の記憶

ブリアの前世は日本に住む十七歳の【かおり】という名前の女の子だった。


かおりの両親はかおりが小さな頃から共働きで家にはほとんど居なかったのだ。


かおりは一人っ子だった為に一緒に遊ぶ姉妹も居なかったのだ。


ある日、一人で公園で遊んでいると兄弟がかおりに話しかけてきた。


「君は、隣の家の子だろ?俺は君ん家の隣に住んでるたかし。こっちは弟のあつし。こんなとこで一人で遊んでんの?今からうちでスイカ割りすんだけど一緒にくるか?」


兄のたかしが話しかけてきた。


これが、かおりとたかしとの出会いだった。

かおりが八歳の年であった。


その日をきっかけにかおりはたかしとあつしと本当の兄妹の様にいつも一緒にいた。


たかしは、かおりの三つ上であつしはかおりと同い年であった。


たかしは中学になる頃から暴走族のチーム・虎黒龍連に入っていた。

かおりもいつか絶対にたかしと同じチームに入りたいと思っていた。

かおりは小さな頃から運動神経がよく更にはたかし達と遊ぶようになってからそこらの男の子には負けないほどの腕っぷしの少女になっていたのだ。


時は経ち、たかしが十七歳。

かおりとあつしは十四歳になっていた。

たかしはその頃には虎黒龍連の二代目総長になっており巷では虎のたかしと呼ばれていた。

【弱きを助け悪を裁く】

をモットーに。


そんなたかしをかおりもあつしも尊敬していた。

自分もいつかたかしの隣に立ち弱き者を守りたいと思っていた。


しかし、そんな日は来ることはなかったのだ。


たかしは街でチンピラに絡まれている少年を助けた時にチンピラ数人にリンチされ命を落としたのであった。


たかしが死んでしまいかおりとあつしは失意になりかけていたがたかしの無念を晴らしたいと思い虎黒龍連のメンバーにも手助けしてもらいたかしをリンチしたチンピラを探し出しかおりとあつしで敵をうったのだった。


かおりは怒り狂い少女とは思えないほどの鬼の面相でチンピラを締め上げた。

そして、たかしのお墓の前で敵討ちした事、自分がたかしの意志を受け継ぐ事をたかしに報告したのであった。


こうして、かおりは虎黒龍連の三代目総長となりあつしは副総長となった。

当時、十四歳だったかおりは十七歳となっていた。

虎黒龍連の総長となり三年が過ぎかおりは巷では

赤毛の鬼

と呼ばれるようになっていた。

たかしの意思を継ぎ

【弱きを助け悪を裁く】

を貫いていたのだ。

赤く輝く髪のかおりはキレたらとにかく鬼の面相になる為、赤毛の鬼と呼ばれるようになっていた。


かおりは、喧嘩もそこらの者には負けることなく男気溢れる正義感の強いそれでいて優しい心を持ちチームを支えてきた。

あつしもそれをすぐ側で見守ってきた。


(たか兄…空から見てる…?私、たか兄の意思ちゃんと継げてるかな…私はこれからもあつしと共にチームを守っていくから見守っていてね…)


かおりはふと空を見上げ心の中で呟いていた…


ある日、かおりはあつしとの待ちあわせ場所に行く途中に転がったボールを追いかけて道路に飛び出してしまった子供を目にした。

かおりは向こうからトラックが走ってきている事に気づき咄嗟に子供を守りたい一心で一生懸命子供に向かって走った。

子供の元へ走ってきたかおりは子供を道路わきへと移動させた。

しかし、かおりはわきへと移動するのが遅れてしまいトラックにはねられてしまったのだった…


はねられてしまったかおりは全身が痛く目を開ける事すら出来なかった。


(私は…これで死んじゃうのかな…でも、子供は助かったみたいね…良かった…あつしごめん…待ちあわせ場所に行けそうにないや…ごめん…たか兄…たか兄の意思もう継げなくなっちゃった…ごめんね…)


そう思いながらかおりは息を引き取ったのであった…


かおりは眩しい程の光に照らされているような感覚になり眩しく思わず目を開けた…

目を開けたものの視界がとてもぼやけていて…


(ここは天国かしら…)


そんな事を思っていた…

すると、


「旦那様、奥様、おめでとうございます。元気な女の子でございますよ。」


誰かがそういうのが耳に入る…


(旦那様?奥様?元気な女の子?どういう事なの?私はもう女の子というより女性寄りだけど…)


そう思いながらかおりは口を開き話そうとするも泣くことしか出来ない。

どういう状況なのかわからないかおりは動揺していたのだ。


しかし、その動揺の真相を数日後に知ることになったのだ。


そして、現在に至るのであった…


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