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16.こんな令嬢初めてだ〜sideロナ〜

私はダイア王国第二王子のロナ・ヴァル・ダイアである。


私には二歳年上の兄が一人いる。

ダイア王国皇太子であるロン・ヴァル・ダイアだ。


兄上は皇太子である為かいつしか笑顔の仮面を着けるようになった。

父と母、そして私と兄上が心を許している数人の友の前以外で表情を崩す事がなかったのだ。

兄上のその笑顔の裏は弟である私が言うのも何だか腹が黒いのである。

媚を売ってくる者や機嫌を常にとってくる者などに対しても笑顔で対応しているが腹の中ではとても面倒臭く思っているし特に色目を使ってくるご令嬢達を毛嫌いしている様だ。

そんな外では表情を崩さない兄上が私達の前以外でほんの一瞬だけ表情を崩す姿を見る出来事が起こったのだ。


それは、毎年開かれる齢十五歳を迎えたご令息やご令嬢の社交会デビューを祝う社交会が王宮で開かれているのがその社交会での出来事であった。


貴族の者たちは爵位順に王族である私達に挨拶に訪れるのだ。

スペード侯爵家の挨拶の順番が来た時であった。

この度、スペード侯爵家の長女であるブリア嬢が社交会デビューをする年であった。

ブリア嬢とお会いするのはこの時が初めてであったがブリア嬢の兄であるアーサーは私と同級生であり友であるので妹であるブリア嬢の話は何度となく聞いてきたのだ。

アーサー達兄はとても妹を溺愛しているで大袈裟に話をしている事も多々あるだろうと思っていたがブリア嬢を見た時は驚いた。

アーサーが言っていたとおりとても美しいご令嬢であった。

この会場にいるご令嬢の中でも飛び逃げて美しかったのだ。


そんなブリア嬢が挨拶をする順番が回ってきて兄上と私へ挨拶をした時であった。

また、いつもの様に兄上の笑顔を見てご令嬢が頬を赤らめて上目遣いをして自分をアピールしてくるのだろうと思っていた。

しかし、ブリア嬢は微笑みながら挨拶をしその挨拶に対して兄上が挨拶とお祝いを笑顔で返した時であった。

何と、ブリア嬢は頬を赤らめるどころかエメラルドグリーンの瞳がじっと兄上を見つめていたのだ。

色目遣いの目などでは全くなかったのだ。

私もそんなご令嬢を今まで見たことがないのでとても驚いていたら兄上もきっと驚いたのかほんの少し表情がピクリと動いたのだ。

その動いた表情をブリア嬢も見逃さなかったのか少し目を細めて更に兄上をじっと見つめていた。


私は咄嗟にブリア嬢に声をかけた。

ブリア嬢はハッとした表情で緊張したと違和感なく応えたのだった。


この日、私は初めての態度をするブリア嬢を不思議なご令嬢だと思ったのであった。


後日、貴族学園の入学式が行われ社交会デビューした者たちが新入生として入学してきた。


私はいつもの様に昼食を園庭で取ろうと思い園庭に向かった時の事だった。

園庭に向かうと数人のご令息達と何と水を被っているブリア嬢が居たのだ。


私はその状況を見て驚いたが状況を把握する為に何があったのかを尋ねた。

どうやらご令息達が貴族らしからぬ事をしていたところにブリア嬢が鉢合わせになり膝をつかされていたご令息の代わりに水を被った模様であった。


私は、ひとまずブリア嬢の制服が濡れたままだと食堂で待っているというアーサー達が心配すると思ったので制服の替えが備えてある生徒会室へとブリア嬢を連れて行った。


生徒会室に行く道中でブリア嬢に何故この様な事をしたのか尋ねると予期せぬ応えが返ってきたのだった。


侯爵家のご令嬢であるにも関わらず自ら自分が身代わりになり更にその先どうなるかまでも想定していたのだ。


私は、正直とても驚いた。

こんな事を思いついたり行動したりするご令嬢など今まで見たことなかったのだから…

思わず笑いが出てしまう程であった。

兄上の笑顔にも違う反応を見せたりご令嬢らしからぬ行動をとったりとブリア嬢には驚かされる事ばかりだった。


私は咄嗟にブリア嬢とは気軽に話してみたいと思い提案をした。

ブリア嬢は渋々了承してくれたのだ。


私は、第二王子であるが兄上に比べると物静かな方であるし好きなことは読書をする事だがブリア嬢と話していたら楽しい気分にしてくれそうだと思ったのだ。

読書以外に興味が湧く物が現れるとは…


楽しみが増えたようだ。



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