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11.クローバー公爵家のローズ嬢

ブリアが教室で教材などを机へ収めてる時だった。


ブリアは誰かに話かけられた。


「あなたがスペード侯爵家のご令嬢のブリア様ですか?」


ブリアは周りに何人かを連れている女の子に尋ねられた。


「??はい…わたくしがスペード侯爵家のブリア・スペードにございます。」


ブリアは不思議そうな顔をしながら応えた。


「やっぱりあながブリア様なのね…わたくしはクローバー公爵家の令嬢のローズ・クローバーですわ。我が公爵家はハート公爵家に続くと言われているですわ。これまではお会いした事がございませんでしたが同じクラスになった事ですので以後お見知りおきをお願いしますわ。」


ローズが見下ろすかのようにブリアに言った。


「これは…クローバー公爵家のご令嬢のローズ様でしたか。お初にお目にかかります。以後お見知りおき下さい。クラスメイトしととしても宜しくお願い致します。」


ブリアはニコリと微笑み応えた。


「あぁ…言い忘れていましたけどブリア様のお兄様ローランド様は皇太子殿下とお友達だとか?いくらお兄様が皇太子殿下とお友達で仲がよろしいからと言ってお近づきになろうなどとお考えられません様に…いずれは…わたくしが皇太子殿下と婚約をし皇太子妃になる予定でおりますので…皇太子殿下にはお近づきになりませんようご忠告させて頂きましたわ。」


ローズはまるでブリアを威嚇するかの様な鋭い目をして言ってきたのだ。


「左様でしたか。兄と皇太子殿下はお友達だと聞いていますがわたくしとは接点はございませんのでご安心下さいませ…」


ブリアは静かに微笑みながら応えた。


「そうですの?それならよろしくてよ…では、これで…」


ローズはそう言うと取り巻きの令嬢達を引き連れて教室から出ていたったのだった。


ブリアがつい先程までの状況にあ然としているとアミルが焦った顔でブリアの元へ来た。

アミルは同じクラスなので一部始終を見ていたのだ。


「ブリア!大丈夫か?何か言われていた様だが?」


アミルは焦った様に尋ねた。


「アミル。クローバー公爵家のご令嬢のローズ様だったわ。何やら皇太子殿下とローズ様は将来婚約するから皇太子殿下には近づかない様にと。ローランドお兄様が皇太子殿下とお友達なのもあり牽制してきたんじゃないかしら…わたくしも何だかよく分からないのだけれど…」


ブリアは呆れた様な表情でアミルに説明した。


「あれがクローバー公爵家のご令嬢だったのか…しかし…皇太子殿下と婚約など聞いたことがないのだけどな…」


アミルは言う。


「皇太子殿下とローズ様が婚約しようがすまいがわたくしには関係ない事だわ。ローズ様に言われなくとも皇太子殿下に近づこうなんて微々たりも思ってないわ。」


ブリアは淡々と言う。


「そっ…そうか…そうだな…社交会でもそんな事言っていたな。それよりあまりローズ嬢には関わらない方が良さそうだな…」


アミルが少しホッとした表情になったかと思えば苦笑いしながら応えた。


「そうね…あの見下す様な目つきはいい気持ちはしないものだったものね。」


ブリアが言う。


(本当にあんな目つきで人を見下す様な牽制してくる人ってどこの国にもいるもんね…女って怖いもんなぁ。まー何かしてきたところであたしは負ける気しないしいいんだけどね。それにしても入学して早々にこんなんじゃ先が思いやられるわぁ…まっ、それも学園生活の醍醐味かと思えば楽しいもんか。はぁ…色々考えてたらお腹空いたわ…そろそろお昼の時間か。食堂で何を食べようか楽しみすぎるわ。)


ブリアは頭の中でそんな事を考えていた。


こうして、ブリアの学園生活は初日の始めからバタついていたのであった。



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