7.桜田くんヤられる(?)
ジャンル別日間ランキング9位になっていました!
みなさん本当にありがとうございます!
俺は手紙の内容の意味を聞き、困惑した。
まだどこかで七宮さんのことを普通の美少女と思っていた
かった。
しかし、七宮さんは本物の変態だ、只者ではない。実際
今、目の前で俺のTシャツを「すー…はー…」と深呼吸をし
ながら幸せそうな顔をしている。
警察に通報すべきなのか…?だが、同級生が補導されると
ころなんて見たくない。
それに七宮さんは料理や手芸など色々な才能がある。きっ
と才能だけではなく裏では人の何倍もの努力をしていたに違いない。
そんな人の人生を俺の手で終わりになんてしたくない。
「七宮さん、話しがあるんだ」
「ど、どうしたのそんな真剣に…」
俺はさっきまでとは違い真剣に七宮さんと向き合うことに
した。七宮さんもさっきまでとは違う俺の真剣な雰囲気に戸
惑いながらも顔からTシャツを離しぬいぐるみのように抱き
しめている。
「七宮さんがしていることは犯罪なんだ。もし俺が警察にで
も通報したら七宮さんの人生はおしまいだよ?
でもね俺は通報なんかしたくない。七宮さんはいつもテス
トの学年順位は上位だし、料理や手芸だってできる。
みんな七宮さんが持っていた才能だと言うけれどきっとそ
れは俺たちが知らないだけで人が見ていないところで必死に
努力してきたからなんだと思う。
それだけ頑張るってことはきっと将来やりたいことがある
んだろ?その将来のためにもこんなことはもうやめるんだ」
俺は柄にもなく熱く語ってしまった。七宮さんはTシャツ
を手放しており泣いていた。
「ご、ごめん泣かせるつもりはなかったんだっ…」
俺は焦って「こういう時どうすればいいんだ…」とワタワ
タしていたが、七宮さんは俺に抱きついてきた。
「ごめんなさい…ごめんなさい」
泣いて謝っている七宮さんの姿は映画のワンシーンのよう
に美しかった。
「大丈夫、ちゃんと将来に向けて頑張っていこうな」
俺は七宮さんの頭を撫で、逆の手で優しく抱きしめた。
髪はとてもさらさらで高級な生地のように触り心地が良か
った。身体はとても柔らかく少し力を加えると壊れてしまわ
ないか心配になるほど繊細に感じた。
「桜田くん………」
まだ少しうるうるした目で俺を見上げる。今まで見たどの
七宮さんよりも可愛く見えた。
俺は優しく微笑みながら七宮を見つめる。
「やっとわたしの気持ちに気づいてくれたんだね!!」
ん?
「うれしい…わたし今とても幸せ。今までずっと将来のため
に頑張ってきて良かった…」
さっきまでに悲しそうに泣いていた七宮さんはどこに行っ
たのだろうか、今までにないほど幸せに満ちた表情をしている。
「ごめん…ちょっと聞きたいんだけど、将来やりたいことっ
て何?」
「桜田くんのお嫁さん!!」
なんてこったーーーーー!!!!てっきりデザイナーや料
理人てきなのが来ると思ったらお嫁さんですか!
こんな美少女からお嫁さんになりたいと言われて嬉しい反
面、実は不法侵入して服盗んで1人であんなことする変態と
いう事実に混乱する。
「桜田くんに似合うお嫁さんになるために今まで料理や手芸
とかの家事も頑張ってマスターしたし、どんなシチュエーシ
ョンのデートになっても対応できるように勉強や運動もでき
るように頑張ったの!」
七宮さんの言葉に俺は圧倒される。
今まで努力してきたのは全部俺のお嫁さんになるため。そ
の『俺のため』というのが心に刺さった。
「パンツを盗んだことはごめんなさい…桜田くんのことを想
う気持ちが我慢できなくて…いつでも桜田くんのことを感じていたかったの」
七宮さんからのマシンガンのように放たれる愛の言葉に顔
が赤くなってしまう。そんな俺を見て七宮さんの興奮は絶頂
を迎える。
「桜田くん…さっき『将来に向けて頑張っていこうな』って
言ってくれたよね。つまり結婚しよっていうプロポーズだよ
ね!!」
「えっ…ちょっうわっ!?」
七宮さんは俺を押し倒し、俺に覆いかぶさるような体制に
なる。
「プロポーズ記念に今日は2人で初めてを迎えよう?もう学
校なんか休んで愛しあおう?」
そう言って七宮さんは着ていた少ない衣服をすべて脱い
だ。そして俺のズボンを脱がそうとする。
「えっちょっと待って七宮さん、これはまずいよ!?」
「えっ?あっ上半身から脱がして欲しかった?」
「違っ、そういう意味じゃっ…」
俺は必死に抵抗をするも呆気なく上半身を脱がされる。
七宮さんは俺の上半身を指でなぞる。身震いをしながら
「はうっ」と男らしくない声を出してしまう。
「かわいい…♡」
大人の雰囲気を漂わせながら舌舐めずりをする。流石の俺
も理性が崩壊寸前になる。や、ヤバイ耐えろ息子、耐えてくれ!!!!
「さっ早く2人で初めてを…」
ほ、本気だ。本気で俺をヤろうとしているっ!?これは本
当にヤバイ!誰か、誰かーーーーー!!!
バタンッ!!!
部屋のドアが勢いよく開く。
「何してるの!?」
玄関にその少女は立っていた。
桜田くんのもとに現れたヒーローとは!?