1.パンツがなくなりました
※別アカウントで修正版を投稿しているのでそちらを読んでいただけると幸いです。
https://ncode.syosetu.com/n1570hd/
こちらがそのリンクです
「あれ…おかしいな…」
俺の名前は桜田伊月、2カ月前に高校2年生になったばかりの容姿、頭脳共に普通の平凡な高校生だ。
そんな俺だがあることに気づいた。
「パンツがない…」
俺のお気に入りのパンツだから間違いない。
タンスにしまっていたはずだが姿が見当たらない。一応ベランダや部屋中探したが見つからない。
仕方なく俺は違うパンツを適当にタンスから取り制服に着
替えた。
◇
「いってきまーす」
見送ってくれる人はいないのについ癖で言ってしまう。
俺の通う神崎高校は家から通うには遠かったため1人暮ら
しを始めた。妹を除いて両親は心良く俺の背中を押してくれた。
「いたっ!?」
突如、後頭部を何かで叩かれた。とは言っても犯人は分
かっている。
「おいラケットで俺の頭を叩くな、俺はボールじゃないぞ?」
幼馴染の柳木薫。
明るめな茶髪のポニーテールにくりっとした大きな目、引き締まった身体に胸もそこそこある。
女優と言われても誰も疑わないだろう、そう思えるほどの
容姿を持っている。
「伊月はわたしのボールだから」
「なんだそのジャイアン方式は!」
さっき俺の後頭部を叩いたラケットをブンブンと振り回し
ていてたまらず叫んだ。
「まあでも県内の期待のエースのボールになれるなんてある
意味誇らしいな」
薫はテニスで全国的に活躍するであろうと言われている注
目の選手だ。去年は不慮の事故で怪我をしてしまい大会に出
ることはできなかったが本人も今年こそはと意気込んでいる。
「ほ、褒めたって何も出ないんだからね!」
頬を少し赤くし、プイッとそっぽを向く。
「なんだそのツンデレみたいなセリフは」
「ツンはあってもデレはない!!」
「うがっ!?」
さっきよりもはるかに強い威力で後頭部をラケットで叩か
れた。
◇
学校に到着し、下駄箱で薫と別れた。俺は2-2組で薫2-4組とクラスが違う。
まだ薫に叩かれた頭が痛い。頭をさすりながら俺は教室に入り1番奥の後ろの席につく。
薫はああいうところが無ければ普通の可愛い女の子なのに。
「桜田くんおはよう」
「あっおはよう七宮さん」
声の主の方に視線を向け、挨拶を返す。
隣の席の七宮咲さん。
七宮さんは学年…いや学内1番の有名人かもしれない。
黒髪のショートカットに誰もがすれ違うと振り向いてしま
うほどの整った容姿。そして性格も良くみんなに優しく、勉
強も常に上位をキープしている。
文化部ではあるものの運動部にも負けない運動神経を持っ
ている。
七宮さんほど完璧な人は見たことがない。
「ん?あーまた柳木さんに叩かれたの?」
俺が頭をさすっていたのを見て察してくれたようだ。
また…というようにほとんど毎日朝からラケットで叩かれ
ている。
「そうなんだよね。あいついつも朝叩いてくるんだよ。家出る時間変えてもなぜか遭遇してしまうし…」
「ふ〜ん…」
さっきまでの笑顔がなくなり少し考えこむように真顔にな
った。
「どうかしたの?」
「いやなんでもないよ。相変わらず仲が良いんだね?」
「えっ良くないよ、たぶん薫は俺のことボールとしか思って
ないよ」
「きっと柳木さんは桜田くんのことーーー」
チャイムが鳴り七宮さんの言葉が途切れる。
チャイムは朝のHRの合図で担任の先生は厳しい人なので
教室は静かになりみんな席に着き始める。
俺と七宮さんも前に向き先生が来るのを待った。
(七宮さん何言おうとしたんだろ…)
最初は気になったものの先生の長話の間に忘れてしまっていた。
読んでいただきありがとうございます!
少しでも「おもしろい!」、「続きが読んでみたい!」と思っていただけたなら下にある星やブックマークを
いただけるとやる気にも繋がるので
よろしくお願いします!
感想なども待っています!