表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アカデミック・ウォー  作者: 廿楽
4/7

QUEST4 総当たり戦

 隠し階段で13階へと上り、バッグにポーション類が入っていることを確認した私たち3人は先を急いだ。そして、最上階である15階へ通じる階段を上ってゴールを目指そうとすると途中、顔に傷のある男が「ここを通りたければ通行料を払いな!」と通せんぼしてきた。私が金額を聞くと男は「そうだな、今のお前の持ち金の4分の1を払えば通してやる。」と金額を教えてきた。アイレクスは男に「何だよケチ臭いな、悪いけど僕たちは先を急いでるんだ。通してもらうよ。」と無理矢理通ろうとした。

 すると、男は「おい、ちゃんと金払いやがれ!」と迫ってきてアイレクスは私たちに「ここは逃げるが勝ちだよ。」と言った。そして、私たち3人は一目散に走りだしゴールへと向かった。大きな扉が見え、開けようとすると後ろから「おいゴラ、通行料踏み倒す気か!?」と怒鳴り声が聞こえてきた。傷の男はここまで追いかけてきたのだ。アイレクスが「そんな事したらタイムロスになるんじゃないかな。」と男を挑発すると向こうは「てめぇ、ただじゃおかねえぞ。」と激昂し、武器である鈍器を振り回してきた。

 その時、他のプレイヤーが間に立ち「ここは俺たちが食い止める、先に行け。」と私たちをゴールに行かせた。

 扉の向こう側には何人かプレイヤーがいて床には魔法陣が3つ設置されていた。私たち3人は左側の魔法陣を使って次の塔の前へ転移した。

 続く第1の塔は常に攻撃力がダウンする呪いがかけられるが難なく突破し続く第2の塔も防御力ダウンの呪いがかけられるも何とかクリアした。最後は第4の塔、看板によるとこの塔は呪いこそ無いものの全てのフロアに何らかの仕掛けがあるらしい。私たちは細心の注意を払って塔に入った。

 入ってすぐに私は張り紙を発見した。そこには「この塔は1フロアが複数の部屋で構成されています」と書かれていた。左には赤色の扉、右には青色の扉がある。私たちは赤色の扉を開けて先へ進んだ。

 扉の向こう側には何も無かった。私は一歩進むと何故か体が勝手に進みだした。どうやらこれがこの部屋の仕掛けらしい。動く歩道の要領で進んでいると扉の前に行きつき、次の部屋へと突入した。

 次の部屋は床が部屋の端以外パネルが敷き詰められていた。恐らくこれは落とし穴があるだろう、試しに他の参加者が行く様子を見ると案の定落ちた人がいた。そして横からは落ちたと思われる人が下半身水浸しの状態で出てきた。このことから下は水だと私は確信しオウカを先頭にして移動した。序盤は他のプレイヤーが落ちるのを見ていたため何処に落とし穴があるのか知っていたが中盤に差し掛かるとどのパネルが落とし穴かを手探りで見つけなければならず苦戦した。1回落ちたもののその後は何事もなく部屋を抜け出すことができた。

 その後は一定時間ごとに暗転と点灯を繰り返す迷路で若干苦戦したが何とか部屋から出て2階へと進むことができた。今度は青色の扉を開けると1階で進んだ部屋の3倍ほどの広さを持つ部屋に入った。見たところ仕掛けは見当たらないため手っ取り早く3階へ上がろうと出口の扉を開けるが開かない。新たに他の参加者と思われる2人が入ってくるとゴブリンが20体ほど出現した。どうやらこの塔は片方が敵は出現しないが何らかのギミックやトラップが施されており、もう片方はギミックやトラップは無いが敵が出現し、全部倒すまで先に進めないようになっているのだと私は思った。

 私は部屋にいる4人に「みんな、どうやらこの部屋はゴブリンを全部倒さないと出口が開かないみたい。いち早く片付けるよ。」と言い、アイレクスは「うん、早いところ片付けて先に進もう。みんなそう思うよね。」と呼びかけた。それに対してみんな

「はい。」

「望むところだ。」

「さっさと片付けましょう。」

と賛同した。

 私が遠くから拳銃でゴブリンの心臓や脳天を狙って攻撃しアイレクスが近くで斬撃を放つ。オウカが中距離から槍で突いて片っ端から片付けていく。そうしているとゴブリンは全滅したようで扉が開錠される音が聞こえた。そこから私たちは真っ先に3階へと進んだ。

 続く階層も攻略していき私たちは5階へと到着した。そこは今まであった2つの扉が無く部屋同士を区切るための壁も無い。右回りに回っていくことにした私たちは道中エレベーターと思われる場所を発見した。だが、フロアを一周することにしたためそれをスルーし、先へ進むとまたもや先ほどと同じエレベーターと思われるものがあった。先ほどと同じように素通りして進むと3つ目のエレベーターらしきものがあった。私たちは迷った末に2つ目のエレベーターを使うことにした。

 エレベーターを使って到着したのは8階だった。私たちが到着したと同時に片方の扉が開いてそこから他のプレイヤーが出てきたためここはトラップルートの続きなのだと思いもう片方の扉を開けて先へと進んだ。

 その後も様々なギミックやトラップ、敵軍との戦闘を切り抜け、私たちはようやくゴールすることができた。

 4つの塔を突破したギルドのメンバーが集まるマップには既に200人近く集まっており私は入り口の近くにいたルークスに「私たちって総当たり戦に進めるの?」と聞いたら「『叡智の白百合』は40番目にゴールしとりますわ。」と答えられた。

 数分後、最後のギルドと思われる5人組がマップに入ってるとルークスが「予選終了や。今このマップにおる48組251人が勝ち抜けや。今、総当たり戦の組み合わせ表を作ってはるからちょっと待っておくれやす。」とアナウンスした。

 数十秒後、またもやルークスが出現して「組み合わせ表が完成したわ。今から表示させるで。」と総当たり戦の組み合わせ表を表示させた。私たち「叡智の白百合」はHグループに振り分けられ、最初の試合は41着だったギルド「青龍」との対戦となった。

 専用フィールドへと転送され、空中にカウントが表示されてそれが0になると対戦が始まった。相手はアイレクスと同じドラゴノイドのプレイヤーが3人、戦力としては人数的に互角と言ったところだろう。問題は相手がどんな戦術で臨むかだ。もし後衛を務めている打たれ弱い私に攻撃力の高い相手が攻撃したら相手の攻撃力によっては即死、スキル「フィフティリバース」が発動してもその次の攻撃が命中すればHP0で脱落する。ここは銃で遠くから攻撃してそれを避けたい。私はアイレクスとオウカに「作戦通り行くよ。」と声を掛け、それぞれのポジションで構えた。

 私は距離を詰められないよう、向かってくる「青龍」のメンバーの足首に銃を撃ちオウカが槍で刺突する。アイレクスは別メンバーと1対1で戦い、結果として「青龍」のメンバーを1人倒した。こちらもオウカと2人で残りのメンバーを倒し、私たちが1勝を修めた。

 その後は「ジェミニ」というリアルでの双子の兄妹で構成されているらしいギルドには勝利できたものの残りの3ギルドには勝てず結果として私たちはトーナメントに進めず敗退となった。落胆しているとルークスがやって来て「ドンマイや。やけど初参戦で2勝するなんて上出来やわ。これからも頑張っておくれやす。」と励ましてくれた。

 もちろんこのまま引き下がるのは何か癪だ。私は2人に「アイレクス、オウカ、これからも『叡智の白百合』として頑張ろう。そしていつかは優勝しよう。」と言うとアイレクスは「僕もそう思う。だってこのまま引き下がれるわけないじゃん。」と言い、オウカも「そうだよね。あたしたち3人はこのために経験値を積んだんだから。」と自分の意見を口にした。そして私も「それじゃあ、明日からもギルドを強くしよう。」と声を掛け3人でハイタッチしたのだった・・・

廿楽です。

インスピレーションで物語を描くので思い浮かばない時はなかなか筆が進みません・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ