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アカデミック・ウォー  作者: 廿楽
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QUEST3 叡智の白百合

 オウカは「ギルドを結成しませんか?」と提案した。アイレクスは「僕はどっちでもいいよ。ヒジリは組みたいと思う?」と私に呼び掛けた。それに対して私は「うん、組もう。」と乗った。早速メニューから「ギルド」と表示されたウィンドウを開き「結成」を選択すると「ギルド名を入力して下さい」と表示され私は「名前ねぇ、唐突に組もうと言われたから考えてないなぁ。」と悩む。

 すると、アイレクスが「じゃあ、『叡智の白百合』なんてどうかな。」と案を出した。オウカはそれに対して「それ、いいと思う。」と賛成し、私は「2人がそう言うんだったら・・・いいけど。」と2人に合わせ、入力欄に「叡智の白百合」と入力し「OK」を選択した。

 メニューを開くと、今まで空欄だったところにギルド名が表示されていた。そして、その横にはギルドランキングと呼ばれる数字が表示されておりインフォメーションを見ると4日後に「ギルドバトル」と呼ばれるイベントが開催されるらしい。それに参加するために私は「とりあえずレベル上げしようよ。」と2人に呼び掛けダンジョンへと向かった。

 2時間ほどダンジョンに潜り、私たちは平均レベルが5上がるという成果を得た。アイレクスは「これなら多少は渡り合えるかもね。」と言い、その直後、「でも、相手も僕たちみたいに当日に備えてレベル上げしてるかもしれないから油断は禁物だよ。」と忠告した。オウカも「それじゃあ明日もレベル上げだね。」と言い、ログアウトした。私も「そうだね、じゃあ今日はこれで解散だね。」とログアウトした。

 VR機器を外すと樹が「姉貴、ご飯出来たよ。」と私を呼んだ。食事中、私は(えーっと、私が遠方から攻撃するとしてアイレクスが前衛だからオウカは・・・)とギルドバトルでどんな戦い方をするか考えていた。するといつのまにか手が止まっていたようで樹の「どうしたの、姉貴?」との呼びかけで我を取り戻した。私は「ごめんごめん、ちょと考え事してて。」とその場を取り繕う。

 夕食を終えて部屋に戻り、ルーズリーフに戦略を書いていく。まずはそれぞれの武器に見合ったポジションを決める。私は銃が武器なので遠距離戦がメインだろう。そして次はアイレクスだ。アイレクスは刀を武器とするから前衛で戦うことになる。最後はオウカだ。オウカの武器は片手槍だから中距離戦で真価を発揮する。なので彼女には中距離戦で頑張ってもらおう。

 だが、私はここでギルドの弱点に気づいた。それはヒーラーがいないということだ。その時の私は「でもあと4日あるし新しいメンバーを探すかぁ、無理でも回復スキルを会得すれば何とかなるし・・・」と思った。

 翌日、ログインした私はアイレクスやオウカと合流し、「昨日立てた作戦なんだけど、私が後衛に回るから2人は前衛を頼むね。あと、このギルドの弱点なんだけど、ヒーラーがいないの・・・」と昨日立てた作戦とこのギルドの現状を話した。すると、オウカは「ギルド掲示板を使うのはどう?」と提案し、私はギルドカウンターの所にある掲示板へと向かった。

 掲示板にはギルドバトルが近いからかメンバー募集が目立っていた。やはりみんな考えることは同じで自分たちにとって不足してる要因を埋めるための募集をしている。私は「ギルド名と掲示内容を記入してっと、一応これでいいかな。すいませーん、掲示お願いしまーす。」とカウンターに置いてあった書類に必要事項を記入して提出した。

 その後はある程度レベルを上げつつフォーメーションを取る練習を行って当日に備えるが一日、また一日と待っても加入申請が届かない。これは仕方ないと思い回復スキルを会得することにした。レベルが上がった際に獲得したポイントがまだ残っているためそれを利用して全員「ミドルヒール」と「キュア」を会得し、ポーションもいくつか購入した。これで準備万端だ。

 そして当日を迎え、私たち3人はギルドバトル専用のロビーへと転移した。私は「すごい人だね。」と2人に言うとアイレクスは「そうだね。僕も『叡智の白百合』を結成するまではギルドに興味が無くてソロでやってたからここに入るのは初めてだけどすごいね。」と言い、オウカも「私も初めてだけど圧巻したよ~。」と人の多さに驚いていた。

 しばらくするとゲームマスターのエデュが現れて「皆さん第6回ギルドバトルへようこそ、ゲームマスターのエデュです。それでは詳しい説明はこのゲームのマスコットのルークスにしてもらいます。」と言って立ち去った。その直後、テディベアのようなマスコットが現れて「それじゃあ僕からのルール説明や。まず、1時間以内に4つある塔を突破してもらうわ。1時間経つか48組目が4つ目の塔を突破したら終了や。因みに言うとくけど突破順は自由やで。そしてその次は勝ち残った48組による8グループに分かれての総当たり戦や。試合は1試合4分でその後は2分のインターバルに入ってそれが終わったらまた試合の繰り返しになるんや。そして、総当たり戦の全試合が終わると各グループ上位2ギルドとそれ以外での戦績上位8ギルドによるトーナメントが行われて優勝が決まるんや。」と説明した。

 説明が終わると空中にカウントダウンが表示された。ルークスは「それじゃあ僕はこれで失礼するわ。健闘を祈ってますえ。」と言ってその場を去った。私は(関西弁じゃなくて京言葉だったんだ、話し方)と思いながらもカウントを見て0になったらスタートした。私たちは4つある魔法陣のうち左奥のものに入り塔の目の前にワープした。

 塔の前に立てられている看板には「ここは第3の塔」と書かれておりその下の行にはそれより小さめの文字で

「この塔では『常時状態異常』の呪いをかけさせてもらいます。

因みにこの塔に入ると毒にかかります」

と書かれていた。それに了承して塔の中に入ると案の定多くのプレイヤーが苦しんでいた。私も毒状態になりながらも先を急ぐが3階に上がったところでHPが危うくなってきた。私はすかさず自分に「キュア」を使うがすぐ毒状態になったため無駄だった。そのため「ミドルヒール」で体力を回復し先を急いだ。

 6階に上がる階段の出口付近に張り紙が張られており「6階からは毒は無くなりますが常時酩酊状態になります」と書かれていた。私は「酩酊ってことは酔っぱらうってことだよね。みんな、足がおぼつかなくなるだろうけど行くよ!」と先を急いだ。

 状態異常に屈さず先を急ぎ9階から上がる階段へ辿り着いたが階段前で謎の2人組が進路妨害をしているため進めない。私は銃を構えて「どいてください。さもないと撃ちますよ。」とここを通すように脅しを混ぜて頼んだ。すると、屈強な男が「我らギルド『酒呑童子』に銃口を向けるとはな。面白い、俺はそれを挑戦と受け取った!」と武器である斧を構えた。屈強な男は「おい、やるなら2人でかかって来い!3人で挑むのは卑怯だぞ!」と2対2の勝負にするよう促してきた。私たち3人は

「ねえ2人とも、どうする?」

「ここはレベルが一番低いヒジリが引き下がるべきじゃないかな。」

「あたしもアイレクスさんに同感だよ。」

「分かった。じゃあ引き下がる。その代わり私はこのフロアを探索するから。」

 結果として、私は引き下がった。

 探索を進めていると私は行き止まりと思われる場所に行きついた。壁にもたれかかっていると横から音がした。横を見ると隠し階段と思われるものが出現していた。私は「酒呑童子」と交戦中の2人を待っているとオウカが「ヒジリさん、終わったよ。」と私を呼びに来た。隠し階段を見たオウカは「えっ、こんなのあったんだ。」と驚いていた。オウカはすぐアイレクスを呼びに戻り、数十秒後、3人揃ったところで隠し階段を上った。

 ようやく上りきったところに貼られていた張り紙を見ると「ここは13階です。ここからゴールまでは毒も酩酊もありませんがスキルが封印されます。」と書かれていた。私たちは空いているスペースに移動して「とりあえずバッグの中身を確認しよう。」とメニューからバッグを開く。中には幸いにもポーションが1人10個程入っていた。私たちはこれに安心して先を急ぐのであった・・・

 廿楽です。

 体調を崩してしまいました(現在は治ってます)。

 次回は塔を突破します。

 果たして総当たり戦に進めるのでしょうか。

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