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記憶を失くした最弱勇者の物語...IF  作者: 田中 カース
3/5

Two 復讐

 牢屋の外に出たのだけど、牢屋は室内の中にあるせいで、ろうそくの僅かな光しかない、闇の世界であった...。


 だけど、そんな暗い所が落ち着くようになっている自分がいる...。

 昔は好きでも何でもなかったんだがな?

 どうしてこうなったのかはよく分からない。

 まあ、多分、冤罪を掛けられて牢屋に入れられてる間になんとなく心地よくなってしまったんだろうね...。

 だけど、今は...そんなことを考えてる余裕はない。


 今やることは、復讐することだけを考えればいい!

 どうやって殺してあげようかな?

 できる限り苦しんで死んでほしいしな!


(ふふ!その心からあふれでる復讐したいという気持ち、ものすごく心地いいですよ!だけど、人間にはこの感情は毒です!なので、復讐が終わったらこの感情はもう出さない方がいいですよ?)


 僕にしか聞こえない声がそんなことを語って来てくれてるのが分かる。

 この声って結局なんなんだろうね?

 それがずっと謎なんだよね?

 ってか、ずっと思ってたんだけどお前って何者なの?

 正直いきなり現れて力をくれて、一見いいやつに見えるが、一応正体を聞いておきたいのだけどね?


(そうですね...まあ、私は普通の悪魔とだけ言っておきましょうか。一応、魔王様の元手下でしたが、今はやめました。まあ、私のことは好きなようにお呼びください!別にクズでもザコでもいいですよ?)


 なるほどね。

 要するに名前は明かしたくないって事かな?

 まあ、どちらでもいいか。


 とりあえず、復讐をすることも確かに大事ではあるけど...

 復讐はいつでもできるし、今は名前をつけるのが先かな。

 一応名前はちゃんと付けてあげたいしな。


「いたぞ!脱走した王様殺しだ!この悪魔を早く捕らえろ!捕らえるのが無理なら殺しても構わない!ホムラ様の情報だとこの悪魔はかなり弱いそうだ!だから、すぐに捕まえろ!」


 ...


 そう言い放っては6人ぐらいの兵士が来たんだけどさ...

 その名前だけはもう一生思い出したくなかったんだかな...

 僕に王様を殺したと言う冤罪を掛けた上で、僕が犯人だと暴いた英雄として王様になったという事を自慢しに来た人だ...。

 完全に僕以外には分からないだろうが、真犯人は明らかにこいつなのに...

 いや、もうそんなことはどうでもいいや!

 だって、もうすぐ殺す命だからな!


(同感です!あの勇者は調子に乗りすぎました!早くあのものに天罰を与えてあげましょう!)


 ああ、

 そのためにもこいつらは...

 戦い方なんてあんまり知らないし、軽く叩けばいいか。


 ...


 弱すぎじゃね?

 いや、試しにお腹を軽く殴っただけなのにさ?

 思いっきり後ろに飛んでったんだけど?

 しかも、全員一列に並んでこっちに来たから、全員壁に押し付けられたって事だよね?


 ってか、全員そのまま気絶したっぽい?

 そのまま誰も起き上がってこないけど、多分死んではないよね?

 僕が殺すのは復讐する相手一人でいいんだけどな?


(見た感じ、全員生きてますよ?それと、一人だけ意識があると思います。可能性としては、不意打ちを狙ってるんでしょうか?とりあえず、私に体を使う許可がほしいのですが、いいですか?上手く意識だけをなくしますので!)


 いや、一人ぐらい意識があってもいいよ。

 不意打ちをくらってもどうせ痛くないでしょ?

 今の体だったら能力はかなり上がってるし。

 だったら、そんなどうでもいいことを無視して、このまま早く復讐に向かうぞ!


 ...


 不意打ちしてこなくね?

 ってか、普通に追ってこないんだけど?

 どうしてだろうね?


(多分、マスターが早すぎて追い付けないってことじゃないですか?マスターの足の早さはものすごいので、多分それだと思いますよ!実際、今の早さは以前よりも圧倒的に早いですよ!流石です!)


 そうかな?

 そんなに実感がわかないんだけどね?

 今までとそこまで早さは変わってないように思うんだが...

 まあ、僕は逃げ足だけは早かったから、実際にどんだけ早くなったってのは実感ができないな...


 ...


 あれ?

 そういえば、復讐したいけど、そもそもどこの部屋にいるかわからなくね?

 つまり、目的地どこ?

 それってどうするべき?


(そうですね...教え方が難しいですね...とりあえずですが、魔力を込めながら、思い浮かべたい物を思い浮かべ、思い浮かべた物を探しだすイメージをしてください!出来ましたら、好きな言葉とともに魔力を解き放ってください!そうすると、魔法の完成度にもよりますが!場所が分かりますから!)


 なるほど。

 魔力か...

 今までは分からなかったけど、今なら少しだけ分かる気がするな。

 魔力を感じようって思うと分かるってか何て言えばいいのかな...

 まあ、魔力を感じようとすると、お腹の少し上辺りに力を感じるって感じかな?


 これを込める?

 うーん...

 込めるってどうやるんだろ?

 力を入れるって事かな?


 お?

 なんかお腹の少し上辺りにある力が温かく感じてきたよ?

 これが込めてるって事なのか?

 おっと!

 魔力を込めたらすぐにイメージをしないとか!


 絶対に見つけ出してやるからな!

 そして、素直に根絶やしにしてやる!

 ついでに、殺した後は、しばらく見つからないようにベッドの下に隠してやる!


 よし!

 イメージはできたな!

 後は、この溜めていた力を解き放つだけ!

 技名は...


「[ファインド!]


 ...


[.....]


(多分ですが、魔法のイメージをするときは一回だけ無心にならないといけないと思いますよ!ふふ!一回詠唱を入れてみたらどうでしょうか?人間なら詠唱をすることが一番成功確率をあげれるらしいですよ?)


 うーん...

 難しいな...

 詠唱を入れて頑張ってみるか...


「えーと...復讐を...う...」


 思ったより詠唱って思い付かないな...

 ってことは詠唱は諦めた方がいいかな...

 とりあえず、詠唱なしで頑張るか...


 ...


 難しすぎる...

 20回はやったけど、全く進歩なしだよ...

 こうして考えると僕の仲間はバンバン魔法放ってたけど、思ったより技術が必要なんだな...


(仕方がありません...少しだけ失礼します!)


 何が?


 ...


 !?

 体が動かない!?

 どうして?

 しかも、勝手に動き出した?


 しかも、ものすごい最悪なんだけど...

 絶対に殺したい相手の顔がなんかイメージに出てくるんだけど...

 しかも、その男の顔がずっと出続けてるし...


「[ファインド!]」


 !?

 勝手に口が動いたんだけど?

 僕の体がなんかおかしいんだけど?


 え?

 何でだろう?

 何か、僕の現在地と目的地が何か分かってきた気がするんだけど?

 ってか、矢印が僕の前に現れたんだけど?


(すいません、勝手ですが、私が体を操って魔法を打たせてもらいました。魔法を使うってイメージはこうです!覚えていただければいいです!)


 そんなことができるの!?

 今知った衝撃の事実なんだけど?


 ...


 まあ、とりあえずは復讐に向かうか。

 相手の場所はなぜだか分かるし。

 魔法ってすごいな...ってか、何でそんな魔法が使えるんだ?


(それは...まあ、その話はまた今度しますよ!今は復讐をしましょう!)


 まあ、それもそうかな。

 とりあえずこの廊下をまずは右に向かってその後まっすぐ行って左に曲がって、上に階段を使って....


 ...


 とりあえず、最後の部屋だと思われる所の扉についたようだ。

 ここの扉を開けたらもう後戻りはできない...

 開けたら絶対に、僕は復讐をするだろう。


 そう、それは例え命乞いをしてきたとしてもだ。

 殺すっていうことは、命を奪うって事だしな...

 それは、かなりの罪になるだろう...

 例え何をされていたとしてもな...


 いや、そんなことを気にする必要があるか?

 どうせ僕はもう悪人だぞ?

 悪人が人を殺してはダメなのか?

 いや、どうせ悪人が真の悪人を倒したところで、本当に助かるのはこの街の住人なんだがな...


 とりあえず、扉を開けよう...


 ...


 鍵が掛かってるのはやはり当然か...

 まあ、僕の今の力なら簡単にこわせるんだけどな?

 軽く叩いただけで多分壊せるぞ?


 ほらな?

 簡単に吹き飛んだだろ?

 この力は多分僕の力では無いんだろうが、ここまで強い力は今後一生使えるかどうか分からないし、今の内に楽しんでおこうかな!


「な、なぜここにお前がいる!?お前に脱走するだけの力はないはずだぞ?どうやってここに来たんだ?いや、そんなことはどうでもいいか。今から俺の魔法で消し炭にしてやる!これで、俺の評価はもっと上がるぞ!」


「悪いが、僕はお前だけは許せないんでね。とりあえず一回殺してあげるからさ?だから、地獄でせいぜい楽しんでくるがいい!さて、どうやって死にたい?君に選ばし...」


「これで終わりだ![ダークフレイム!]」


 話してる最中に攻撃してくるとかなんなの?

 本当に迷惑だな...

 実際、放った炎の威力はそこまで強くなさそうだけどな?


 僕の仲間が打つ魔法の方が圧倒的に強いぞ?

 見た目も鮮やかだし、威力も強かったし、正直、もう二度とくらいたくないって思えるほどだぞ?

 だけど、この人の魔法は炎が僕がいる所に出現しただけだぞ?

 しかも、僕が強くなったせいか、全くダメージを受けないんだけど?


「効いてないだと!?そんなこと、あり得てはならない!俺の魔法が効かないなんて、嘘だ嘘だ嘘だ!認めないぞ!」


 うん...

 魔法が効かなかっただけでここまで反応するんだぞ?

 流石に弱すぎじゃない?

 流石にこれは...僕でも哀れだと思い始めたよ...


(余裕すぎですね!こんなに力の差があるなら、少し痛ぶってから殺すのが一番じゃないですか?いたぶってからの方が面白みがありますし!それに、どうせ殺すのなら苦痛を与えても死ぬことには変わりありませんしね!)


 それもそうだな!

 あ、それと君の名前付けるの忘れてたな...

 うーん...


 悪魔だから、デビルとかか?

 いや、それだけだとひねりがないな...

 デビルを少しひねった感じの名前が一番っぽいかな...


 ...


 よし!

 今日から君の名前はデビーだ!


(デビー...いい名前です!この名前、一生大事にします!)


 よし!

 名前も決めたし、僕を貶めたクズに少しずつ苦痛を与えてってやろう!

 せいぜい生き延びれるといいな!

 まあ、生き延びたら地獄が長くなるんだがな!


 こうして、一方的な戦いが始まったのだった...。

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