武具の真価
イチャモンをつけて絡んできた冒険者を懲らしめ
街に帰ってきた俺は武器屋に向かった
武器屋に入るとそこには様々な武器や防具が並んでいた
とりあえず山積みにしてある剣を鑑定してみる
【 種 別 】 銅の剣
【 ランク 】 F
【 攻撃力 】 8
【 特 性 】 なし
名前からしてレア度は低そうだしこんなもんか
今度はこの店で一番強そうな剣をみてみる
【 種 別 】 ミスリルソード
【 ランク 】 B
【 攻撃力 】 58
【 特 性 】 なし
俺の魔剣より普通に攻撃力高いんだが…
今度は防具を見てみる
【 種 別 】 鋼の鎧
【 ランク 】 C
【 防御力 】 25
【 特 性 】 なし
ローブとは言え防御力10はかなり低いらしい…
「どうかしたかい?」
自分の武具の弱さに落ち込んでいると店主が声をかけてきた
店主はずんぐりむっくりした背は低いが筋骨隆々のヒゲ面の男だった
ステータスを鑑定する
【 名 前 】 ドルガ・ボトム
【 年 齢 】 58
【 種 族 】 ドワーフ
【 ランク 】 C
【 レベル 】 35
【 体 力 】 580/580
【 魔 力 】 85/85
【 ちから 】 130
【 まもり 】 98
【 はやさ 】 30
【 わ ざ 】 鎚術Ⅳ 鍛冶術Ⅴ 魔術(火、土)
冒険者としての力も中々のもんだし
鍛冶術というスキルがあるからには武器にも詳しいだろう
「西の洞窟で武器を拾ったんですがどんなもんか見てほしいんですけど」
「西の洞窟と言うとイービルマウスの住処かい」
「あんな所に珍しいアイテムが転がってるとも思えないけど」
「これなんですが…」
魔剣を差し出すと
「これは…!」
店主の顔色が変わって剣を調べ始めた
「…これは魔剣と言われるものだな」
それは自分で鑑定して知っているが
店主は鑑定を持ってないから知識や経験で分析してるんだろう
「基本的に魔剣や聖剣と名のつく物はいくら鍛冶の技術が高かろうが
人の手で作れるようなものじゃない」
「理由は分からないが魔物が湧きやすい場所に
いつの間にか落ちているという場合が多い」
「高ランクのものが多く攻撃力も高く特性も有用なものばかりだ」
「…その割にはこの魔剣はそんなに強くないのでは?」
「おっよく分かったね剣に詳しいのかい?」
「ええ少しは」
適当に誤魔化す
「この剣は魔剣の中では少し特殊でね」
「基本的な攻撃力はウチにある剣より低いが
魔力を込める事によってその分攻撃力をカバーできるってのが強みなんだが…」
「そもそも魔力の高いエルフの中でも
かなり高レベルにならないとそれだけの魔力を保有出来ない」
「そして高レベルなエルフなら剣に魔力をかけるより
その魔力を使って魔法を連発した方が良いって事で他の魔剣より実用性に劣るんだよね」
「…ちなみに高レベルのエルフの保有魔力ってどのぐらいですか?」
「俺が見たAランクのエルフは1000を超えてたな」
…俺の魔力量なら実用性はあるかもしれない
というかこの武器(防具も)は俺にとっては最高の相性かもな
「で、この魔剣売って他の剣でも買うかい?」
「いくら使いづらいと言っても魔剣だからかなり高値にはなるぞ」
200万メルという高額を提示され
反射的に売りそうなのになるのをこらえて店を後にする