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クロニクル・アース  作者: 零﨑海識
扶桑帝国編
7/20

07話 大規模演習訓練①

『伍』路案内(みちあんない)はハンナにお任せ‼


まもなくアナウンスの時間だ。演習とはいえ試合形式だから気を緩めず真剣に頑張ろう。


俺はそう心の中で意気込んでみた訳だが、正直どうしたものか。朝ご飯を食べながらこんなにほのぼのとしていて良いのだろうか…


AM9:30演習訓練開始の合図が街中に鳴り響く


「それで、我が主様よ。この後はどうするかの?」


今回の演習ルールは以下の通り

一、実弾と等の即死武器の禁止

一、殺人の禁止

一、戦闘時は模擬弾を使用する

一、都市内であればどこに何人でいてもよい

一、演習中の人数変更は禁止

一、時間制限あり

一、勝敗は自分のチームのフラッグを保持の有無で決定する

一、他チームのフラッグを保持している場合はポイントが加算される

一、フラッグは奪い返すことができる

一、帝立学校全教員により全生徒の監視にあたる

一、帝立学校教員の担当の者が一定時間おきに全生徒に対してGPS情報をあたえどこに生徒がいるかを送る

一、GPS情報は15分おきに送られる

一、最後の補足:街の警備にファントム・ナイツもかかわっている


「俺たちはこの五人であちこちの陣地に乗り込んで制圧しながらあちこちを動き回るよ」


「「「「了解‼」」」」


 大和は二階の窓からカーテンも隅っこをちらりとめくり、外の様子を確かめた。案の定、散々騒いでいたこの家は標的になったらしく大通りの東西から別々のフラッグを持った集団が迫ってきている。東は徒歩で下手なりに車のがげに入ったり塀に隠れながら近寄ってきていて、西は大胆にも戦車と装甲車の団体で迫ってきていた。


 東の方が対処が簡単そうだ一階に戻り東側の勝手口から出ようと扉に向かいかけた時ハンナから「ちょっと待って!」とストップがかかった。


「どうした?東の方が有利に立てそうだけど、何か気になることでもあった?」


「ううん。そういうわけじゃないんだよ。ボクね最近むなさんの能力ちょっとだけ使えるようになったから、それを使って案内できないかなって思って♪」


「むなさんってあれ?あの宗像大神のこと言ってる?」


「うん!じゃあさっそく。むなさんお願い‼」


「待ったく(われ)がそなたに“むなさん”などという呼ばれ方を許した覚えはないぞ。しかし、そなたの頼みとあらば我が力使ってやろうではないか。どれ、どこが良き(みち)か探ってやったぞ。そなたが案内せい」


「はーい。ありがとうむなさん。そういっていつもいろいろ許してくれるむなさん大好きだよ」


「むむ。照れるではないか……ええい!はよあないせい」


 そういって半透明に実体化した宗像大神(むなかたおおかみ)はまんざらでもないかのように照れつつも器用にハンナのことを叱っていた。これはこれでいいコンビなのかもと思ってしまった。


 ハンナに案内され大和たちは東の勝手口から出るとすぐに隣の家の柵を超え、東から攻めてくる集団に悟られることもなく彼らが視認できる位置まで移動してきた。


「じゃあ、ボクの能力はここまでだよ。あとはヤマトの作戦にお任せだね」


 大和はうなずき作戦を考える。このメンバーだと前衛に剣道部の和音、格闘部の響磁、中間に何でもこなせるハンナ、後衛に射撃部の大和と新入部員で自称遠距離が得意な八咫という順になる。こんなにもしっかりとバランスが取れているチームは数少ないだろう。現に東側から迫っていたチームの陣形を見ると剣道部四人に科学実験部一人、拳銃部一人という何とも近接戦闘にたけている脳筋チームだ。しかしこのチームは全員が見慣れない武器を必ず一つは装備している。見慣れない武器とはおそらく科学実験部のヤツが作成したと思われる小さな瓶のことだ。そのことを踏まえ大和は作戦を立てた。


 「和音と響磁は敵に悟られないように敵後方七メートルの位置にあるバスの後ろまで接近、指示あるまで待機。ハンナは敵の横五メートル付近まで近づき茂みに隠れる感じで敵の動きを監視しつつ待機。俺たちはこの敵の見えるこの辺りの位置から最初の第一撃を発砲。その後の敵の動きにより各自に指示する。何かわからないことある?」


 全員が横に首を振り異論がないことを確認した。


小さい声で合図を出す

「作戦開始‼」


「「「「了解!」」」」


 あっという間に和音、響磁、ハンナは作戦通りの位置についた。敵のフラッグは敵唯一の後衛、科学実験部が所持している。しかし大和は射撃部貮年生の中ではトップ。大和に投げつける武器は効かない。大和は第一発を発砲。見事集団の中心にいた拳銃部の腰についている小瓶に命中。

 

 すると瞬く間に集団は小瓶から出てきた煙に包まれた。敵集団全員が倒れ、煙がなくなると大和が無線で次の指示を出した。


『和音、響磁は敵のフラッグを回収後最初の位置に集合。ハンナは和音達がフラッグを回収するまで周囲を警戒待機。その後初音たちと合流して最初の位置に集合して』


 和音達は敵が自分たちのガスで奇麗に眠りについてくれていたので楽々回収することができた。そしてハンナ、大和達と合流した。


「さっきの発砲でこっちで戦闘してることに西の集団も気づいたはずだからなるべく道路には出ずに和音の家に避難しよう」


 和音の家はヤマトの家の裏の通りの向かい側にあるので、逃げるには近く敵からも少し距離が取れるため少し余裕と時間ができるのだ。和音の家に着くころには西から迫っていた装甲車の音がさっきいた場所にだいぶ近づいてきていた。


 次は装甲車の対策を立てなければ。

約一か月ぶりの投稿です。

“今年初”投稿ということもありまして今更ながら、あけましておめでとうございます!

ホントに今更ですねw


今回はまたも戦闘回です。前回よりはわかりやすく書けたのではないでしょうか。この後もまだまだ大規模演習は続くので戦闘もまだまだあります!下手なりに頑張って書いていきますので今後とも見放さず気長にお待ちいただきながら読んでいただけると嬉しいです。

次回は装甲車集団との戦闘です。お楽しみに!


☆復習用語集☆彡

・ファントム・ナイツ、通称「帝国の番犬」:扶桑帝国軍内部の裏組織。表の世界では政治家の三分の一がその組織と内通している疑いが…

宗像大神むなかたおおかみ道主貴みちぬしのむちとも呼ばれ、あらゆる「道」の最高神として航海の安全や交通安全などを祈願する神

八咫やた からす:ハンナが宗像大神の試練を受けるまでと帰り道を示すために出てきた八咫烏と同一。現在は人間界にて大和たちと行動するために人の姿になっている。

天龍院大和てんりゅういんやまと。帝立扶桑高等学校貮年生ていりつふそうこうとうがっこうにねんせいの射撃部。血筋を辿ると皇王という者達の、直系の子孫らしい。

麟童和音りんどうかずね。帝立扶桑高校貮年、剣術部所属で代々続く剣術の家系

天坂響磁あまさかきょうじ。帝立扶桑高校貮年、格闘部所属

・ハンナ・ルーフス。帝立扶桑高校貮年、なんでもできちゃう運動神経の持ち主なので部活はあちこちを手伝っている

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