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クロニクル・アース  作者: 零﨑海識
扶桑帝国編
20/20

18話 激怒


「皆、私を守らなくていいわ。半分ここに残って侵入者の対応。もう半分は先に逃げた仲間たちを守って」


「わかりました。お気をつけて」


 周囲の仲間を代表して少年が少女に告げて、その場にいた半分を連れて少女が塞いでる細い通路に消えていった。


「さあ、お待たせ。侵入者の皆さま」


「待ってくれ我々はあなた方に対して危害を加えるつもりはない。何なら地球奪還作戦の責任者として宣言しようじゃないか」


 大和達の集団の先頭で少女と向かい合ってる軍人が話す。


「あなた方軍隊はまた同じ過ちを犯そうと言うの?私たちを今更連れ出してどうするつもり?モルモットにでもするのかしらね」


少女はこちらを睨みながら言った。


「モルモットだなんてそんな非人道的な事が許されるわけが無いだろう。人は手を取り合って生きていくことが出来る生き物だ。我々は確かにあなた方を助けに来るまでに確かに数年は経過した。我々は逃げてここまで生きのびた。だが、これからはこの地に再び人類史が蘇る。その第1歩がこの大規模反攻作戦だ」


軍人は説得するように少女に向けた。


「そう。それで?そうやってまた私たちを騙すの?そんな綺麗事だけで物事が進むわけじゃない。しかも、あなたの上官達はどう思っているのでしょうね。上層部の人の意見まであなたが持ち合わせている訳では無いでしょう?」


呆れた顔で少女は言った。


さすがに上層部の全てを知らない軍人は押し黙った。


「それに、あなたがこうやってくっちゃべっているのはこの地上でなにやら嗅ぎ回っている番犬さん達が来るまでの時間稼ぎではないのかしら?」


「なんのことだ?番犬って政府のの三分の一が内通内通しているというファントムナイツことか?少なくともここにいる我々は、あれとは一切の交流もないし関係もないと断言できる」


「そう。あくまでもしらばっくれるってわけね」


少女がその一言を発すと場の空気感が一気に変化した。先ほどまで軍人と少女との間にとてつもないスパークがはじけているような雰囲気だったのが、まるで凍てつく氷の大地に放り出されたかのような場の空気を固まらせる一言だったのだ。

その元凶の少女を見るとこちらも冷たい目をしていて、視線だけでも人を殺せてしまうのではないかというほどに無機質にこちらの動きを見ていた。


軍人のうち数人はその凍てついた視線で足が竦んでしまい、倒れるまではいかなくともその場で動き出すことは難しそうだった。また、話しかけた軍人も銃剣を構え臨戦態勢をとるものの震える足に言い聞かせながら少女を見据えていた。


それから相対して十分ほどたっただろうか。先に動いたのは少女のほうだった。


「ネメシス顕現」


少女が大和たちにかろうじて聞こえるかという小声でしゃべった途端に少女の背後に光をまとった女の子の姿があった。それは一瞬の出来事だった。かろうじて見えていたのは恐らく神の恩恵を与えられている大和たちと、反応からして麻倉柚木(あさくらゆき)の付き人である浅井李津(あざいりつ)には見えていたように感じられた。

そのネメシスという女の子は黒いオーラに時折見せる白い凍気を漂わせていた。右手には相当に使い込まれている真っ黒い日本刀を所持しており、剣先を地面に下げていた。


大和たちが少し距離を詰めようと一歩動いた瞬間、ネメシスという少女が持つ剣の先から凍気が噴き出し瞬く間とフロア全体を凍らされてしまい大和たちの足も氷で固められてしまったため身動きが取れなくなってしまった。


動けないのを確認したからか少女はネメシスと呼ばれた女の子と共にその場に残っていた男子を連れて暗く狭い通路に姿を消してしまった。

少女は大和たちを警戒していながらも殺す気は無いようで、足を固定されていた氷を溶かす間も少女の仲間などからの追撃は一切なかった。


そしてさらに時間が経つこと数十分。ようやく全員の氷を溶かすことに成功した。しかし、氷の影響で凍傷になっているものや先ほどの攻撃で追跡を後ろ向きにとらえている者もおりすぐに行動を起こすことはできなかった。

そこで軍と大和たちで今後についての簡易会議が執り行われた。


第一声は軍からの発言で始まった。


「これからどうしますか?我々軍としては民間人がこの地に生き残っていたと知った以上は見過ごすことができない。たとえ相手が反撃していたとしても救いの手は誰にでも届く位置まで差し伸べなければここに来た意味はないと考えている。」


「でもよー、さっきあいつらが言ってたファントム・ナイツについても少しきな臭い感じがしねーか?」


その後も議論は続いたが長考状態にあった。そこで大和は一つの提案を行った。


「確かに響磁の言うことも考慮する必要があるだろう。そこで俺からの提案なんだが、別動隊として皇宮外周のビルで待機してもらっている厳島先生たちに連絡を取ってみるのはどうだろうか?彼女たちが奥に去ってからかなりの時間が経っている。追いつくのは困難だろう。それにこの皇宮に来てから既に三時間半は経過していて互いに情報交換と安否確認を行ってもいいころ合いではないだろうか?」

約一年ぶりです。皆様覚えていたでしょうか?

ボクは内容を結構忘れてましたw


リアルの事情やらでしばらく投稿できていませんでしたが再び更新します。

よければわがままなボクに付き合ってもらえると嬉しいです。


また、一、二年後に新たなストーリー着手に向けてキャラ設定など固めていきます。

完全ファンタジーでのストーリー展開の予定ですがすべて未定です。

こういうキャラがいたら面白いんじゃないかというのがあればコメントなりでもらえると助かります(;^_^)


ではまた次話、早いうちにお会いしましょう。

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