16話 光挿すその先に?
前書きを使って謝罪を
前回、次の話もなるべく早く投稿しますと言っておきながら、約5ヶ月も経ってしまい申し訳ありませんでした。
次の話はすでに半分くらいかけているので、そんなにお待たせしないでお届けできると思います。
『拾肆』 皇宮内にて、こんにちは
大和たちは最後尾に続く軍の人の報告によりいち早く気付くことができた。
今、大和たちがいるのは皇宮正門を入って直ぐの場所。
そこで大和たちは、皇宮内の樹木が覆い茂っている所の中にある大和たちが入れる程度の小さな古小屋に隠れた。
ただ隠れていても周囲の様子をうかがえないので、大和、和音、響磁、八咫の少人数で確認に向かった。
外の様子をうかがえるような高台になっている石垣の端に寝そべり外の様子を確認した。
すると、先ほど大和が見た怪しい人たちは先生たちが隠れているビルに半分以上の人数が入り、残りは大和たちがいる皇宮に向かって来ようとしていた。
「大和よ。妾の見立てでは奴らの動きに無駄がなさすぎる。今は何のことか言えぬがもしかするとこの地にある秘密に気付いておるのやも知れん。次の動きは早急に決めるべきじゃと思うぞ」
「どうする?あの動きは手練れの連中だわ。もし、戦いにでもなったら勝てないと思うの」
「それともここでもう少し様子をみるか?」
「いや、様子を見るのは無しだな。ここにいてもし見つかって、戦いになったら和音の言う通り勝てないだろう。そんなリスクを背負うよりはいったんあの小屋に戻って、早急に状況を整理しよう」
「わかったわ。なら早く戻りましょ」
「よっしゃ。それじゃ、あの小屋まで競争な」
「ちょっと響磁!何はしゃいでるのよ」
「響磁。隠密なんだから少し静かに行動しようよ」
「なんだよつれねぇな。冗談の通じない奴らだぜ」
なんだかんだあったが、皇宮に向かってきていた人たちと遭遇せずに小屋にもどってこれた。
大和たちが戻ると、皆、安心した様子とともに何か言いたそうな様子を見せていた。しかし、状況整理するほうが先なので、大和たちが見たままのことを説明する。
大和たちが向かった時には既に、敵は皇宮に向かってこようとしており、それと同時に先生たちが待機しているはずのビルにも入り込んでいるようだった。
まだまだ情報が全然足りないが今はこの少しの情報で何とかするしかない。
「まずは隠れる場所だな。この小屋だともし奴らが来た時に逃げきれない」
「そのことなんだけど、ボク少しいい考えがあるんだよね」
ハンナが少し控えめに提案をしてきた。
「さっき大和達が様子を見に行ってる間に、ボク達もこの小屋の周辺を少し捜索してみたんだ。そしたら、この小屋のすぐ後ろの馬小屋みたいなところの床に地下室の入り口があって、それが隠れるのに使えると思うんだよね」
「この小屋にそんなところがあったのか。偶然だったけど入ってよかったな。とりあえず中を見せて」
大和が地下室の入り口のハッチをのぞき込んだ。
ハッチの中はとても大きな空洞になっており、どうやら人三人くらいが並んで通れそうな道が先が見えないくらい奥のほうまで続いていた。
先に大和が下りて確認したところ、その通路には電気などのインフラもなくただ丁寧に舗装された道にところどころ松明を置くスペースが用意されているだけのようであった。
「どうやら通れそうだから、俺とハンナと軍の人一人来てもらって三人で先導するから、ほかの人は俺達に続いて」
「「「「「「了解‼」」」」」」
「さあ。行こうか」
大和、ハンナ、軍の人を先頭にハッチの先の地下道を進んでいく。
三人に続いて学生グループ、軍の人と行き、しんがりに皇宮正門でも見張り役を務めてくれた人の順に続く。
松明を途中途中置きながら長い地下道を慎重に進む。地下道の天井はアーチ状になっており、松明を置くと天井全体まで明かりが灯り、地下道がよく見えるようになって歩きやすくなった。
どうやら設備はないが道は歩きやすいように丁寧に舗装されており、緊急時の避難に使用するはずだったと思われる。しかし、壁や道に埃が積もっているところを見ると実際には使用されなかったようだ。
長い地下道を右へ左へと進み続けると、先のほうに仄かに明かりが見えた。
その明かりはゆらゆらと少しずつこちらに近づいてきていた。
すぐに大和たちも行く先にも人がいるということが確認できた。しかし、まだだれがいるのか見れていないので、大和は後方に松明を消して通路の左右に目立たないように手で指示した。
通路の先の明かりから、かすかに声が聞こえる。
「もう、このくらい地下通路を行き来するのは何回目だよ?」
「あの日からだから三年は経ってるか?」
「いや、もっとだろ。もう忘れたけどな…。でもこの場所でここまで生きてこれたのは『彼女』のおかげだよな」
「そりゃそうだろ。あれだけの人が死んじまったってのに生きてるなんて、幸運以上に彼女が偶然俺たちに手を差し伸べてくれなきゃ死んでたぜ」
「まぁ、なんにせよここで生き残るためには俺たちも協力しねえとな。いつまでも互いの維持を張ってばかりじゃなんもかわりゃしないしな」
「そうだな。そろそろT字路か。確かあれを取りに行くにはここをまっすぐだったよな?」
「なんだ?まだ覚えてないのかよ。あってるぜ。この先に がある だ」
声の主はどうやらこの先にあるらしいT字路で直進して大和達から遠ざかったようだ。
その証拠に先ほど近づいてきていた明かりが遠ざかっていくのが見える。
しかし、最後の言葉はなんといったのだろうか……。
今回はいかがだったでしょうか?
前回までは地球以外の星から来た人間しか描写されていませんでしたが、今回からはなんと、まだ地球にも人類が生きていたという流れになります。
前書きでの謝罪の通り次のお話はすぐにお届けできるはずです。
その後は書籍化のため(コミケで出店するため)に少しずつペースを上げる練習をしつつ、書き溜めていこうかと思います。
ずっと読んでくださっている方にはご迷惑をおかけすると思います(既にご迷惑をおかけしています)が、今後とも作品ともども優しい目で見守っていただけると嬉しいです。
用語集は今回もお休みです。
前回から出ている言葉ばかりですから、わからなくなったら『辞書編』を見て頂けるとすぐにわかります。




