まだまだプロローグ。異世界至れりつくせパックで後顧の憂いを断つ
三話目です。
すみませんもう少し長々と続いてしまいます。
「…成る程、能力の使用条件は一部満たしているのは分かりました。ですが私の能力は同種族かそれに近しい存在にしか使えませんよ?」
「そこも問題無かろ。お主神格は持っとらんが、既に地仙の位にはなっておる。その仙格を神仙に引き揚げるくらいワケは無いしのぅ。」
ふむ。確かにそれなら可能になるか。
だが、肝心な所が未だ決まって無いな。
「奪う事が出来るのは分かりましたが、その依頼を受けるメリットが私に無いような気がするのですが…」
「そうじゃの。お主にワシから与えられるモノは神仙としての格程度じゃの。お主なら死後確実に神仙に至るじゃろうから、ただの前渡しに過ぎん。報酬とは言えんな。」
「ならば成る可く面倒事には近付きたく無いのですが…」
「しかしな。彼の地にはお主が欲しておった三つのモノが全て在るとしても受けぬか?」
「えっと…もしかして不老の存在、不死の存在、神の叡智、ですか。」
「左様。お主の望みを叶える為に必要なモノじゃな。」
ふむ。悪くない、悪くないぞ。
この依頼、受ける価値がある!
「分かりました。受けましょう!」
「ほう!行ってくれるか、いや〜助かるわい。」
「で、行くのは良いんですけど、その世界に直接行くにも座標分からないのですが…あと、今契約しているクライアントの仕事放置出来ないのもあるので、少しばかりの猶予は頂けますか?」
「いや、それは大丈夫じゃ。座標は次の集団転移に紛れ込んで貰うからの。三ヶ月後に修学旅行に行く高校生を乗せたバスが集団転移に巻き込まれると運命神が予見した。そのバスは高速道路を走行中に転移するはずじゃからな。お主は決められた時間に追い越し車線に抜きにかかれば転移されよう。あと、こちらの世界にもお主は居れる様にしておくので安心せい。」
「ん?どうやって二つの世界に存在するんです?」
「剪紙成兵術使えば良かろう。こちらの世界にお主の分け御霊を込めたお主の外観を持つ剪紙成兵術の式をお主として置いとけば、こちらでの依頼も問題なかろ?」
スゲー至れりつくせりっすね。
まぁ、これで後顧の憂いも無くなったワケだ。
「あとオマケで所謂三点セットは付けておくでの。無限収納、鑑定、隠蔽偽装じゃな。この三つも上手く活用して、二度と彼の地に地球の人間が奪われる事なき様戦略を組んでくれ。あと、あちらの神に一発良いのお見舞いしといてくれ!」
うーむ恨みは深そうですな。