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神からの依頼なので。  作者: 赫子
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ん?既にチート持ち?

本日二話目です。

「よくきたな、玖我の当主よ。ワシは幽冥の神、名はお主が馴染み深い名で呼ぶが良い。今回お主の夢と神界を繋げて呼んだのはな、ちとお主に依頼したい仕事があってな。」

…幽冥の神か。日本なら大国主か…赤山明神か?仏教なら堅牢地神辺りか。道教なら北斗星君とかか。とりあえず面倒臭さそうな流れしか見えない。

「はぁ、まぁ出来る内容かどうかによりますがね。話くらいなら聴きますよ。」

「相変わらずやる気がないのぅ…まあ良い。実はな、今回お主を呼んだのはな…とある世界の神から神格と能力を奪ってきて欲しいのじゃよ。…出来れば憂さ晴らし兼ねてぶん殴ってきてくれたら、なお良い。」

「……はい?すみません、全ッッッッ然話しが見えないのですが…何故そんな依頼を?」

確実に厄介事です。本当にありがとうございます。

「ふむ。順を追って話そう。事の発端はな、異世界の神による誘拐事件の多発からじゃ。ここ近年、日本国内で異世界への転移が多発しておっての。日本国内における行方不明者は年間約三万人と言われておるが、その一割程度が異世界へ召喚された数になる。コレがどういう事を引き起こすか、お主なら分かるじゃろ?」

「あー…年間三千人の人間が移動するという事は、三千人分の魂が地球の輪廻の輪を越えているって事になりますね。」

「そう。さらに言えば、近年の人口増加によって人間の魂は死後、輪廻転生させるにあたり分け御霊化の処置を施して転生させねばならぬほど不足しておる。その分情報量の少ない魂になってしまっておるのは甚だ遺憾ではあるがの。」

「要は魂泥棒してる神をどうにかしろって事ですかね?」

「それもある。が、だ。更にタチが悪い問題があってな。異世界の馬鹿な王族やらが自分の国や世界で抱える問題を解決する為に異世界召喚を行うのじゃがな、呼ばれる者たちに ちーと なる能力を授けて召喚者を持ち上げて異世界に留まらせようとするなど、中々悪質なのじゃよ。」

「ふむ。とはいえ、それだと私じゃなくてもある程度の能力持った陰陽師なら問題ないのでは?」

「いや寧ろなお主にしか頼めないのじゃ。お主は本当の意味での結界が使えるじゃろ?本来の結界術無くして異世界からの帰還はあり得んのじゃ。」

…なるほど。確かにそう言われると納得は出来る。

本来結界とは“この現界”と“他の世界”を結び付けて繋げる事を指す。神社の鳥居などが分かりやすいだろうか?

人間が住まう世界である現界と、神々が住まう神域である神社を結ぶのが結界としての鳥居である。喪中に鳥居をくぐる事を禁忌としているのは黒不浄を神々が嫌う為、神域への結界である鳥居をくぐらせない様にする事に端を発す。

そして、その結界を自在に開ける事が出来る能力を有する陰陽師は確かに少ない。

「…確かに私向きな依頼なのでしょうけど、私に神から神格と能力を奪うことなど出来ますかね?」

「それは問題無いじゃろ。お主が陰陽師…正確には元呪禁師の家系の武家陰陽師だったか?である玖我家を継ぎ当主になった時に得た能力は他者の情報と権能を複製もしくは奪う能力だったのぅ?この能力は自分より存在値…要はレベルじゃな。レベルが低い者のステータスとレベルを奪う能力じゃろ。ステータスとレベルという概念を消す為にそれらの情報を十分の一に圧縮しておる地球で既にレベル99に達しておる馬鹿げた存在のお主なら、神界や異世界に行けばレベルは本来の状態に戻る。推定ではレベル990前後というところかの。異世界の駄神は精々300程度。お主にとっては雑魚じゃな。」

「え?なんでそんなレベルになってるんですか?私。」

「…お主、今迄どれだけの御霊を退治してきたと思っておる…そもそもこの地球には所謂モンスターなどおらぬ、事になっておる。故に経験値もレベルという概念も無いと思われておるが…お主が今迄消滅させたり奈落の底に叩き落としたりした、霊や鬼や祟り神の類いから得た経験値は全てお主の存在値、即ちレベルになっておったのじゃよ。」


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