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7-2

「……ティア、ティア!」

 強い振動が、ティアの意識を目覚めさせる。

 この、獣脂蝋燭の匂いは、……ヴァリスだ。

 視力を失って初めて、人の匂いが全て違うことにティアは気付いた。ジェイは潮の匂い、セティはすっきりした薄荷のような匂い、そしてハルは本と氷の匂いがする。匂いを使った人の見分けを、ティアは結構楽しんでいた。

 それはともかく。

「大丈夫か、ティア」

 強い声に、こくりと頷く。

 ヴァリスが心配性なのは今に始まったことではないが、最近その傾向が強まったように思える。勿論、その理由はティアにあることは、ティア自身しっかりと理解していた。

 気持ちは、嬉しい。だが、ヴァリスを、ジェイやハルやセティを、過度に心配させてはいけない。だからティアは、夢のことなど無かったかのように微笑した。

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