乙女系逆ハー女子の場合その2
『ようこそ~!君が今回のアリスだね~、ボクは転生を司る神様だよ!君は本当は死ぬタイミングじゃなかったんだけど、自分勝手に赤信号で飛び出してトラックに轢かれて死んじゃったんだ~』
真っ白な部屋にフワフワ浮かぶショタっ子がいて、のんきな声で訳の分からないことを言う。
はぁ?私はストーカーのおっさんから逃げてただけだし、はっきり言って無罪じゃない!私にぶつかってきたトラックの運転手は歩行者優先て言葉を知らないの?こんな正しい私がどうして死ななきゃいけないのよ!第一死ぬならあのストーカーの汚いおっさんだろ!
『うんうん、君の言いたいことはよく分かるよアリス!だからね、そんな可哀想な君をボクが生き返らせてあげる!』
って、そんなの当然でしょ、私は一つも悪くないんだし、それ位は当然してもらわないとちょっと私のタイプな子犬系のかわいい姿だからって、許せる事と許せないことがあるんだからね、私って怒ると怖いよ?
『駄目だよ~、怒らないでよ~、ボクだって反省してるんだ、だからただ生き返らせるだけじゃないよ!特別な力をあげるよ!』
特別な力ねぇ、私才能に溢れてるからショボい力とか要らないぞ?だって乙女ゲーのライターとか出来るくらい能力あるし、株とか宝くじとかを買ったら当たるくらいの能力じゃないと意味ないよ?
『う~んごめんね、そういうのじゃないんだ、元の世界に戻すことは天界のルールで出来ないから、君には
まず異世界へ行ってもらいたんだ、そこで君には一つやって欲しい事があるんだ』
はぁ?反省しているからただでやるんじゃねーのかよ!ふざけんな!どうやら私を本気で怒らせたいみたいだね。
『待って待って!話を聞いてよアリス!ボクは君の味方だよ?ボクのお願いは君にとってもいい話だったりするんだよ?』
アンタがそこまでいうんだった私は寛大だから話くらいは聞いてあげる、でも下らないこと言ったら覚悟しろよ?私をオコらしたこと後悔させてやるからな?
『ちゃんと解ってるから安心て?君にはね、君の好きなゲームに出てくるヒロインの敵側になって欲しいんだ、そしてヒロインを退治してほしい、そいつは女の武器を使って男を騙す女の敵みたいなヤツなんだ』
は?私が悪役令嬢ってことかよ?そこはヒロインじゃないのかー?まぁ悪役令嬢モノってネット小説でも流行ってるし、悪くはないけどさ、なんつーかひねりがないよね―、だいたいヒロインがクズでビッチの設定じゃん。
『う~んそうかもしれないね、でもまぁ今はそこら辺はどうでもいいんだよ、大して問題じゃないし、そんなトコ誰もろくに考えないし、ちゃんと作ったところでそんな設定なんかに興味すらないだろ?』
まぁたしかにね、そんな所どうせ甘々なイケメンとの日々をジレジレしながらイベントするための、雰囲気作りの設定だしね。
『そうそう!で、君の言う悪役令嬢になって、君の邪魔になるヒロインを倒して、そして君だけの逆ハーレムを作って欲しいんだ』
はぁ?そんな事しないでもお金さえあれば奴隷で可愛い子買っておねショタ逆ハー作ればいいじゃん、やだよ、めんどい。
『その世界はね、男がハーレム作って女を侍らすようなとってもおかしな世界なんだ、王族を中心に皆そんな男ばかりで女は虐げられて奴隷なんかは性奴隷まであるんだ!だからアリス、君のような心を持った人が行かないと駄目なんだよ』
はぁ?男がハーレムとか気持ち悪!欲望ばっかりでマジ無理、なんで一人の女を愛せないかな?男って本当に下半身だけで生きてるね、本当にクズでキモいわそういうの。
『そうだよね!だから君が悪役令嬢になって、この可怪しい世界を君の望む世界にして欲しいんだ!』
はいはい、やれやれだわー、しょうがないからやってあげてもいいけど、そんな大きな仕事を私に頼むなら、やっぱり報酬は沢山あるんだよね?一流の力を借りるのに適当な報酬とかふざけたら私やらないからね?
『もちろんさぁ!君には風のように剣を振るえる能力に無限の体力で、強くて自立しているかっこいいヒロインになって欲しいな、それと君に好意を持ってる人が裏切らなく能力をあげちゃうよ!』
はぁ?なんか微妙じゃない??ないわー、マジたらないわ―、そんなのが報酬とかマジなえるわ―。
『え~だって、人が裏切らなくなる能力って、君が望んだ裏切らない女友達を作ることが出来るんだよ?』
分かってない!あたしに釣り合う奴がいないから!あいつらは私を妬んで裏切るの!だから私に釣り合う女友達が欲しいんだよ!
『う~ん、でも君を褒めてくれて、讃えてくれて、何でも言う事を聞いてくれる、最高の部下が出来るよ?それでも駄目かな?』
悪くはないけど、交渉不成立、これからのご活躍をお祈りしますって感じだわ、じゃあフツーに生き返らせて、そろそろスタミナ溢れるしアリスのイベ走らないと駄目だしね。
『じゃあ他に何がほしいのさ?出来ることなら叶えちゃうよ?』
ん~、そうだな……、それじゃ私の気に入ったショタを魅了させる能力とかかな、やっぱ女友達もいいけどやっぱショタが無いと話にならんでしょ。
『それでいいの?それならボクでも何とかできそうだよ!』
あっそ、じゃあそれでいいわ、しょうがないからやってあげるんだから感謝しろよ?で、私ってあっちの世界では強いの?
『うん、僕の加護を持っているからかなり強い、ほぼ最強だと思う、だけどたまに君と同じくらい強いのが居るんだ、ヒロインとか、他のライバルキャラとか、ヒロインの攻略対象やさっき言ってた王族だね、まずはそれを倒して君の逆ハーに入れる男を集めるといいよ』
なるほどね、で、私の初期の仲間とか居るの?さすがに何もなしでやれとか、クソな事言わないよな?
『そりゃそうだよ、君のために初期配置に部下を用意しているから上手く使ってよ!』
ふーん、結構やるじゃん、褒めてあげる、じゃあしょうが無いからやってあげるから、さっさと送りなさいよ?その腐った王族を皆殺しにしたら、私のための逆ハー女王を崇める国を作っていいんでしょ?
『もちろんさ!君みたいな子が新しい国を作ってくれれば僕も楽しいからね、でもアリス!君は素晴らしいから、きっと汚い日本人のおっさんが邪魔をすると思う、あいつは君たちの世界から迷い込んだイレギュラーで、現代知識を使って若い女を騙してハーレムを作ってる最低野郎なんだ、僕の代わりに懲らしめてくれないかな?』
へぇ、やっぱりネット小説みたいに男って異世界行くと、馬鹿の一つ覚えみたいにハーレム作るんだ、マジモテない男の醜願望丸出しで気持ち悪い、そういうゴキブリ以下のクソオヤジは駆逐しないと駄目だな、同じ世界の住人として恥ずかしいし。
『さすが僕が認めたアリスだよ!君に会えてよかった!』
アンタには幸運だろうけど、私にしたら死んでるんだから損してんですけど?
『ああ、ごめんごめん、でも頑張ってね?君のこれからの人生が楽しいモノになる事を楽しみにしてるよ!これでもうお別れだけど、君に会えてよかった!』
あっそ、まぁよかったね、約束は私の力でなんとでもしてやるから安心すればいいよ?
『うん、ありがとうそれじゃあ、君の新しい人生に呪を!』
うわ!マブシ!いきなり光るとかまじやめろ~~~~!
辺りが見えなくなって、私は転生神とかいうショタっ子に飛ばされて、下界に降りるらしい。
まぁ私は最強の乙女ゲーマーで、元の能力も高い上に神様の加護まで貰ってる、やっと私が私らしく生きれる世界になっただけだし、せいぜい神様が望んでるように楽しい人生とやらを楽しんで上げるとしましょうかね。