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リセット系青年の場合その2

 気が付くと目の前は真っ白な空間になってた、なんか知らないけどアニメとかでよく見るような、真っ白い空間っぽいって感じる。


「何処だよここ、俺どーなったんだ?あのトラックにぶつかってからどうなった?わっかんねー」


「貴方は警察を振り切ろうとして、赤信号で交差点に突っ込みトラックにぶつかって死んでしまったのです~」


 急に後ろから女の声が聞こえる、これは確実に処女膜から出ている声だって、一瞬で理解できるほどのアニ声だ!俺は後ろを向いて顔を確認した。


 目の前には青い髪の中々いい造形の衣装を来た女が居た、太とももも絶対領域が眩しいし、へそチラもいい!脇もおにぎり食えそうなくらいにエロい、これは当たりだ!こいつがライブするならヲタ芸の一つでも打ってやってもいいって思えるくらい、完璧な萌えキャラだ。


 ほら、声優ってさ、顔面も大事じゃん?いくら声が点数高くても顔面がアレだと途端に萎えるだろ?だから最近はマシな顔のやつじゃないと応援しないようにしてる、それとオレらみたいなファンを大事にしない奴はいらないと思う、声優は処女に限るね!そうじゃない奴は裏切り者だし死ねばいいと思う。


 でも電波キャラは俺の好みじゃないのが残念だ、だからこいつに現実を教えてやるべきだろう。


「はぁ?俺生きてるじゃん、ちょっと可愛いからって変なコト言ってんじゃねーよ、そういう安易なキャラ作りマジウザいしやめてくんない?」


「確かに急に死んだって言われたらそう思っちゃいますよね、じゃあこれなら信じてもらえますか~?」


 痴女みたいな格好した女が、脳味噌蕩けそうなあざとボイスそう言って手を広げると、目の前に俺の愛車が半分トラックの下に埋まっている映像が出てきた、運転席もグチャってる。


「おい!ふざけんなよ!なんで俺が死ななきゃいけねーんだ!おかしいだろ!死ぬならあのトラックのおっさんでいいだろ!」


「残念ですけどそうなってしまったの、私は女神として死んでしまった貴方の過去を見て、こう言う人は可哀想だって思うので、特別に違う世界で人生のやり直しをさせてあげようって思って、ここに来たんです」


 意味がわからん、可哀想って思うならさっさとあのおっさんを撥ねる前まで戻してくれよ、そうすりゃ全部解決だろ!それが一番冴えたやり方だろ!


「いや、その理屈はおかしい、女神なら俺を元の世界に戻して、あのおっさんがカーブに出てくる前に戻してくれよ!」


「ごめんなさい、あの世界は私の管理じゃないのです、だから貴方を元の世界に戻す事は私には出来ないんです」


 女神の癖にこんな事も分からんとか、声とキャラ性能は高いのに頭が残念過ぎる、どうしょうもねえなこいつ。


「山の中でぼーっと突っ立ってるおっさんのせいで山の中で掃除をする羽目になって、車直す為にクソオヤジに朝っぱらから電話して。警察の気持ち悪いおっさんが余計な職質で見つけなくてもいいもん見つけて、挙句にトラックのおっさんに邪魔されて死んだんだぞ!おかしいだろ!こんなのあり得ない、リセットする案件だろ!」


「貴方は沢山の苦労をして来たんですね、分かりました!貴方には異世界で幸せになってもらえる様に、私が祝福を与えましょう!どんな力がいいですか?」


 なる程、チートをくれるって事かなら俺はアレがいい、リセットして直ぐやり直せる系の能力が欲しいな、ほら、よくある安易なチート系の話はガキ臭いだろ?ああいうのは中学生までにしておけって、やっぱ世界を再構築する力が俺にあるとか燃えるやん?


「じゃあ俺の望む力は、死に戻りだ!上手く行かない世界なんて意味が無い、だから俺が納得するまで死に戻りが出来るようにしてくれ、もちろん死ぬのは痛くないように、俺が死のうって思った瞬間にリセットする感じで宜しく、行く世界は奴隷とか居るよな?」


「あら?それだけでいいんですか?もっと色んな力を付けることだって出来ますよ~?奴隷はもちろん居ますよ、だって異世界には絶対必要でしょう?」


 女神が前かがみでおっぱい揺らしながら聞いてくる、こいつはエロい!だがやっぱり巨乳キャラは馬鹿ってのは鉄板だが、こいつは物分かりがいい馬鹿らしいので俺的にはポイントが高い、こいつのお陰で奴隷が居るってのも分かったし、これで奴隷ガチャが捗るな。


「俺はゲーマーだからな、あんまチートに頼りすぎるのはかっこ良くないだろ、こう言うのは何度かやって上手く行ったのを動画で上げて、神プレイあげるのが格好いいんだよ、それで雑魚どもに実力の違いを見せて自慢するのが最高なんだよ」


 ニタニタ動画にソシャゲのリセマラ神引プレイを上げた時なんかは、バカ共はあんま見てなかったけどきっと羨ましすぎて嫉妬して発狂するから見ないのだ、全く神プレイヤーは孤独だぜ。


「なる程!貴方は素晴らしい努力家なのですねー、尊敬しますわー」


「努力?違うね、これは俺の美学さ、安易なチートばっかだと飽きるだろ?でもこうして自分でリセマラ頑張るとさ、こう、絆っていうのかな、キャラを愛してるって気がするんだよね」


 そう、そいつが欲しいから俺はそいつを手に入れるまでリセマラする、札束で買うんじゃない俺の真実の愛でお迎えしてやるから意義がある、ソシャゲで札束ビンタは格好悪いと思う、無料だし無料でやってこそだと俺は思っている。


「私にはよく解りませんが貴方がそういうのであればあればそうなのでしょう、他に何か必要な物はありますか?」


「ん~、まぁ簡単には死なない程度には強くしてくれ、どうせ奴隷に働かせるしそんな強くなくてもいいや、それと奴隷を二人ぐらい買える金、それでいいの来るまでリセマラするわ、あと言葉は通じる系でいいんだよな?」


 こういうのは制限があるから燃える、やっぱ最初からイージーすぎると駄目だ、ガチャはこうじゃないと面白くない、札束ビンタは俺の美学に反するハズレだった時は素早くリセマラが正しい紳士の嗜みだ。


「はい、じゃあ普通の兵士位でいいですか?お金は奴隷が十分な金額を用意しておきますね、言葉は通じるようにしておきますねー」


 まぁそんなもんだろう、どうせ俺が手を汚すような事はしない、ほらソシャゲで主人公は使役する感じだろ?そんな感じで奴隷に働かせる方が格好いい、モンスターの血とか臭くて汚そうだし。


「それでいい、面倒だし顔とか姿は特に変えなくていいや、奴隷なら俺に惚れるのは決まってるし、そんだけ俺が頑張ってお迎えしてやるんだから、俺が少し優しくしてやれば一瞬で落ちなきゃおかしい」


「あははー、そうかもですねー、じゃあそれいいんですねー?」


 女神は俺の意見に同意した、どうやら最終確認らしいので条件を確認する、気軽に使えるリセット能力に奴隷を買える金、最低限の自衛能力、うん、問題はない、やっぱゲーマーとしてはこれくらいハードな方が燃えるし失敗してもやり直せる、これ以上はヌルゲーになるからかっこ良くない、なんどでもやり直して自分が望む世界にたどり着いてこそ格好いい。


「ああ、それでいいよ、最初は翁町の近くがいいな、そうじゃないと奴隷ガチャ出来ないしな」


「分かりました~、じゃあ大きな国の側に降りるようにしておきます、もし何かあったらガンガンリセットして下さいね、簡単に使えるようにしてありますからー」


 当然の事を言ってくるおっぱい女神、やっぱこいつは物分りの良い馬鹿なのだろう、女はこうあるべきだと思う、その方が愛嬌があって俺は好きだ、頭いいのも悪くはないが、頭いいのは根暗キャラとかヒステリーが多いからあんま好きじゃない。


「言われなくても俺は神ゲーマーだからな、リセマラで心が折れる事なんてないからな、気に入るキャラが出るまでやってやるぜ」


 俺がそう答えると、女神が頷いてから両手を上げて、ポーズを決めて、それからゆっくり手を降ろすと声を上げた。


「では!貴方の新しい人生にしゅくふくを!」


 女神は大きく手を振って俺ににしゅくふくを振りまいた、辺りが眩しい光で見えなくなり俺の意識がまた遠くなって、なんか夢を見ているような感じになる。


 いやーSSSクラスの引くまで奴隷ガチャ頑張らねーとなー、リセマラまじつれーわー、でもこれが神ゲーマーの美学だから仕方ないな、でも新しいゲーム始める時みたいなワクワク感があるなって考えて、俺は祝福された異世界に向かったのだった。

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