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第一章 メイルとの出会い



僕は街にたどり着き、入口をくぐった。すると、


「ねぇキミ、俺のパーティーに入らないか?」

「え?」

「いやいや、俺達のパーティーに入ってよ、君みたいなカワイイ子は大歓迎だよ?」

「それより私達のパーティーはどう?私Lv.5だから効率よくLv.上げができるよ?」


「え?え?」


いきなりパーティー勧誘をされた。なんで!?やっぱり装備!?装備のせい!?


実際はスレに投稿された動画を見たからなのだが、そんなこととはつゆ知らず、僕は脱兎のごとく人ごみから逃げ出した。

⋯後ろから聞こえてくる「天使」という声は聞こえなかったことにして。



□ □ □



さて、いきなりのパーティー勧誘から逃げ出した僕だけど、只今困っております。まぁ理由は簡単。


「ここは、何処ですか⋯」


絶賛迷子中です。走っていたらいつのまにかやけに入りくんだ所にいたのです。ワンワンオーです。

探しているのは犬ではないです、出口です。⋯いや、僕は迷子ではなく、隠れた名店を探しているだけなのです。そうです、そうなのです。⋯どこか道案内NPCでもいませんかね。


などと、若干意味不明になりつつある思考の中、隠れた名店(もとい、道案内NPC)を探していると、


「⋯⋯⋯カン⋯⋯カン⋯⋯」


「?」


どこからか、金属音が聞こえてきた。ただとても小さい音なので、発生源が特定できない。

けど、音がするということは、そこに人が居るということ、気になった僕は、〔多尾化〕を使って五感を強化して耳をすまし、頭上の耳をキョロキョロさせて、方向を探る。


⋯うーん、こっちの方向かな。


僕は、音をたよりに、いりくんだ道をさらに奥へと進んでいく、だんだんと音が大きくなってきて、選んだ方向が正解だということを伝えてくる。しばらく歩くと、少し開けた所に出た。さらにめのまえには、水車小屋があって、どうやらそこから金属音が聞こえてくるようだ。


その水車小屋の扉には、OPENと書かれた無骨な板がかけてあり、なにかの店なのだろうと推測できる。


「何だろう⋯?」

気になった僕は、その扉を開け、中に入る、すると中には


「うわぁ⋯凄い」

大量の装備が並べてあった。武器はシンプルな片手剣から僕の身長よりも高い大剣まで様々な物があり、アクセサリー等の装飾品まで展示されている。

色々な装備を眺めていると、ふとさっきまで聞こえていた金属音が止まったことにきずく。さらに、背後でドアの開く音がした。振り返るとそこには、


「おや?お客さんかな?」

灰色の髪をショートカットにして、そでの無い涼しげな服装の女の人が立っていた。


「驚いたな、かなり奥の方にあるからしばらく誰も来ないと思ってたんだけど⋯。まぁいいや、初めまして、私はこの店の主で名前は、メイルだよ、よろしく」


「レ、レイです。よろしくお願いします」


若干どもりながらも名前をいう。決して人見知りではない。


「レイちゃんか、よろしくね。1つ聞きたいんだけど、どうしてここが解ったの?」


どうしてここが分かったて⋯ん?今聞き捨てならない単語が聞こえたような?


「゛ちゃん゛?」

「え?⋯あぁ、ちゃん付けは嫌だったかな?」

「いや、そうじゃなくて⋯僕は男ですよ?」

「⋯⋯え?またまた冗談でしょ?」

「⋯⋯いえ、本当ですよ?なんならステータス見ます?」


論より証拠とばかりに僕はステータスを、名前と性別以外は非表示にして、全く信じてなさそうなメイルさんへと見せる。すると。


「⋯あぁ、見た目をいじったのか。ん?でもあれってそんなに変えれないはずじゃあ⋯?」

「間違えてボタン押して、スキャンデータをそのまま使う事になりましたけど⋯」

「⋯じゃあリアルでもその姿?」

「そうですけど⋯⋯」

「⋯⋯えっと⋯ホントに⋯?」

「本当ですよ」

「⋯⋯ホントのホントに?」

「⋯もういいですよ⋯」


なんだかこのままだと水掛け論になりそうなので、僕は店から出ようと扉に手をかける。


「あぁ!待って待ってお願いだから!信じるからちょっと待って!!」

「本当ですか⋯?」


いぶかしげな表情振り返る。すると。


「本当だって。それに、゛レア種族どうし゛仲良くしようよ」

「⋯⋯⋯え?」


ちょっと待って、今この人なんて言った?レア種族同士?この人もレア種族なの?いや、それより、


「どうして解ったの⋯?」

「え?⋯あぁそれは⋯」


さっきステータスを見せた時、隠していなかったのか?それとも初期スキルで〔鑑定〕があったが、あれはプレイヤーにも有効なのか?それとも⋯と、僕が様々な可能性を考えている中、メイルさんから衝撃の一言が放たれた。


「⋯だって、尻尾が二本の狐人族って、レア種族しかないでしょ?」

「⋯⋯⋯⋯あっ」


⋯⋯後ろを見ると、立派な二本の尻尾がフリフリと揺れていた。




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