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初めての戦闘とスキル検証


第一章

『初めての戦闘とスキル検証』


「ここが始まりの街か⋯」


目を開けると、色々の人が視界に入ってきた、走って過ぎる人、誰かを待っているのか噴水のふちに腰をかけている人、露天で買いものをしている人、等様々な人がいる。どうやら始まりの街は放射状に広がる形をしているらしく、中央に広場があり、そのせいか中心部、まぁつまり、広場近くに露店が集まっているらしい。⋯⋯⋯あの噴水の近くの焦げたような跡ってなんだろう。⋯まぁいいか。


さて、露店が集まっているということは、人が集まるということであり、さらに今はゲーム開始直後。

つまり、全員初期装備である、そんな広場の中央にいきなり転移した、明らかに初期装備とは別の装備に身を包むプレイヤー。


⋯⋯⋯⋯まぁつまり、僕である。


そんなことすれば起こりう現象はただ一つ、簡単に予想できるだろう。⋯そう。


「「「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」」」(大量の視線)


目立つのである。物凄く目立つのである。

僕に向けられた大量の視線、露店で品物を物色していた人さえこちらを向いている。

そんな大量の視線を向けられた僕はというと――


「⋯⋯ぅう」(涙目で走り出す)


高いAGIにまかせて広場から走り去った。

だって怖いんだよ!?広場にいた人が全員がこっち向いているんだよ!?やっぱり装備のせい!?


⋯実際は装備のせい等ではなく、このゲームでは超レアとも言える見た目幼女な姿のせいだったのだがそんな事にはきずかずに、町の外へと走っていった。


□ □ □



「はぁ⋯。」


街の外まではしっちゃったよ。ステータス補正すごいね。あっというまに着いちゃったよ。

⋯それにしてもどうしよう、今戻ってもまた目立つだろうし⋯


「しばらくはレベル上げでもするかなぁ⋯」


少ししたら装備品もそろって、目立ちにくくなるだろうし。

等と、実は全く意味の無いことを考えていることにも毛頭気付かず、モンスターを、探し始めた。


□ □ □


始まりの街の外に広がる平原〔初心者の平原 〕には、モンスターが数種類しか出現しない。

エンカウント率も低く、恐らく戦闘になれさせるために設計されたものだと思う。設計者の心使いにあまえさせてもらうことにして、ここでスキルを試すことにする。


ここのフィールドに出てくるモンスターは、かの有名なゴブリンともう一つ、さらに有名なモンスター、大作RPGでは水滴の形をしていて、初心者のレベル上げのために瞬殺されていく、少しかわいそうな立場の、アレ


ゴゴゴゴゴ⋯⋯


「⋯⋯⋯⋯(プルプル)」


⋯そう、「スライム」である!


このゲームでのスライムは、饅頭のようなかたちをしていて、体の中央に核のようなものがある。この核を正確に狙わないと、分裂して増えてしまうのだ。これも設計者が、現実では武器など持ったことがない(当然のことだけど)プレイヤーの練習のために用意したものだろう。大体のプレイヤーは、スライムと戦う。


〔スライムとエンカウント〕➞〔スライム大量増殖〕➞〔プレイヤー圧殺「ギャアアアア!? 〕


こうなるのである。

どうやら、スライムの核がうまく斬れずに、やけになって斬りまくり、きずかないうちに増殖したスライムが逃げ道を、塞いでしまっていることが多いいらしい。ちなみに僕の場合は―


〔 スライムとエンカウント〕➞〔スライムに斬り掛かる 〕➞〔スライム斬殺 〕


⋯いや、昔のアニメにはまって、主人公の動きを必死になって真似しようとした黒歴史がここまで役に立つとは思わなかったよ。⋯あの時の家族の温かい目が今は心に痛い。

それと、色々とスキルの検証をしてみたんだけど、やっぱりチートだったよ、固有スキル。


〔結界術〕は、どうやら展開した結界の面積に応じて消費魔力量が決まるらしく大体1m⒉でMPが1消費される。さらに、結界を維持するのにはMPは必要ないらしく、はかいされたとき、修復するのに、少し消費する程度だ。とても効率がいいと言える。

結界の強度はかなり硬く、スライムを囲むように展開してみると、スライムが全く動けなくなった。ちなみにこの結界、自分の攻撃であれば透過するようで、動けなくなったスライムに向けて、刀を振ってみると普通に斬れた。かと言ってすべて透過する訳ではなく、どうやら、ダメージの発生する武器での攻撃は透過するが、ダメージが発生しない物は透過しないらしい。


それできずいたのだが、これを足場として使えるのだ。ためしに、ジャンプして空中で足の下に結界を展開、それを足場として〔 ステップ〕を使ってみたのだけどかなりの速度で空中移動ができた。

それに、この〔 ステップ〕だけど、本人のAGIに比例して速くなる上に、〔蹴り 〕スキルも入っているらしい。どうやら、〔ステップ〕での移動が「地面を蹴る」行動だと判断されているみたいで、〔ステップ 〕×〔蹴り 〕×〔AGI〕というように演算され、異常な速度になっているのだ。


そして〔 妖術〕だけど、「基本的に何でもできる」と書いてある通り、様々なことが出来た。

とりあえず〔妖術 〕で〔 妖術〕って言ったら鬼火だよね!と思い青白色の炎をイメージしたら⋯


⋯うん、出てきたよ?⋯10個ほど。


数を間違えてない?とおもうのの、まぁとりあえず無かったことにして、10個全部を近くにいたスライムに向けて飛ばしてみた。⋯すると、


ドガーン!!


「⋯⋯。」


直径2m。深さ1mのクレーターができましたとさ。

⋯うん、10個一気に飛ばしたらこうなったんだ。そうだそうだそうに違いない。と。自分を無理にやり納得させる。じゃないとおかしいでしょ?この威力。


まぁさっきの事は一回わすれて、他に何ができるか試してみると、まぁ万能だったよね〔妖術 〕って。全ての魔法、スキルを集めてろしょうひをMPからスタミナに変えたものと思えば理解し易いかな。

一回全力で氷をイメージすると、僕を中心に半径10mくらいの範囲が全部氷ついたのはちょっと設計ミスを疑ったけど。つまり無限に使うことが出来る。なにそれ?どんなチート?と、思うが普通だろうが。まぁ待ってほしい、一番のチートはこれではないのだ。


その一番のチートこそ、「ぎゃぁぁぁぁぁ!?」そう、〔ぎゃぁぁぁぁぁ 〕って何!?なんなの!?

いきなり背後から聞こえてきた叫び声を聞き振り返ると、そこにはHP0にして消えていくプレイヤーと――


「「「⋯⋯⋯。(ぷるぷる)」」」


――軽く100を超える大量のスライムが鎮座していた。



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