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【魔力】 ~もっと細分化してもいいのよ~

 今回は、みんな大好きな【魔力】、或いは【MAG(マジック)】の能力値の話です。

 魔法の成功率や威力等に関係してくると思います。当然、魔法が存在する世界観でのみ成立しうる能力値です。

 (SF世界では【超能力】みたいに似たような特性の別名になることはありますが)



▼もっと細分化できるかも


 【知力】の回でも少し扱いましたが、魔法関連の能力値を【魔力】一本で統合せずに複数種類を用意した方が良い場合もあります。理由は二つ。


 一つ目は、【魔力】単体で何でもできるようになると能力値一つの重要度が不当に高くなるからです。

 例えば物理戦闘では【器用】で当てて【敏捷】で避けて【筋力】でダメージを算出して【耐久力】で軽減しているのに、魔法戦になると【魔力】で当てて【魔力】で避けて【魔力】でダメージ出して【魔力】で軽減するとなると不公平ですよね。

 バランスを取るには、例えば【知力】で当てて【判断力】で避けて【魔力】でダメージを算出して【精神力】で軽減するように、使用する能力値を分散させた方がゲームバランスとしても望ましいです。


 二つ目は、キャラの個性づけに役立つことです。

 特に魔法を使えるキャラが多い小説ですと、【魔力】の多寡とあとは得意な属性ぐらいだけですと個性づけにも限界が出てきます。

 それに加えて能力値の偏りを加味すれば、「魔法の威力は低いが命中精度が高い(【魔力】が低く【知力】が高い)」、「威力が高いが最大MPが低くて連射できない(【魔力】が高く【精神力】が低い)」、「自分からは魔法を使えないが魔法に対する防御力・抵抗力が高い(【魔力】が低く【判断力】や【精神力】が高い)」といったように各々の個性を演出することができます。



▼色んなゲームの能力値


 同じファンタジー世界でもゲームが変わると魔法関連のルールも千差万別になりますし、能力値もその世界観に合った種類のものを採用します。

 中にはあまり主流じゃないものも含みますが、ユニークな能力値を紹介していきたいと思います。


 【信仰心】や【愛】

 防御・回復魔法に使う能力値を攻撃魔法と分けて設定する場合があります。

 または、「魔法使い系」と「僧侶系」とで魔法の系統自体を分けることで、使う能力値も別個に設定する場合があります。


 【魅力】や【交渉】や【使役】

 召喚獣や精霊を呼び出して戦わせる系統の魔法の場合、いわゆる「コミュニケーション系」の能力値を宛てることがあります。

 この場合、使役される存在の能力は術者の魔力にあまり依存せず、交渉系能力でどれだけ力を引き出せるかが決まります。


 【霊感】

 ちょっとオカルト寄りになりますが、魔法があまり一般的でなかったり学問のように体系化されていなかったりする世界観ではあり得る能力値です。

 魔法を撃ち合って戦うファンタジー物には向かず、現代日本の延長線のような異能物とかホラー物と相性が良いでしょうか。


 【敏捷】【器用】

 肉体系の能力値を魔法の発動にも適用させる珍しい例です。

 【敏捷】が高ければ呪文の詠唱が短縮化でき、【器用】が高ければハンドシンボルを正しく構成できるような使い方です。

 ステータス表示での能力値の個数を減らしたい場合、このように肉体系の能力値を使い回せば魔法系の能力値をわざわざ増やす必要が無くなります。


 「特殊な魔法」やそれを使うための「特殊な能力値」は作品の個性に繋がりますので一つご検討されては如何でしょうか。



▼魔力測定水晶の謎


 ところで、冒険者ギルドに行くとたまに「魔力の強さを測定する器具」(大抵は水晶球)を見かけます。

 物語上の都合もあるのかも知れませんが、ああいう物がいきなりぽーんと置かれていても原理や理由が判らないと不思議な気持ちになりますよね。

 ですので、魔力測定用具を出す時には以下の事柄に気を留めて頂ければストーリーに説得力が増すことになります。


 1.「何を」測るのか?

 例えば、現時点での魔力なのか? または将来的な伸びしろも含めた潜在能力なのか?

 魔力とは魔法攻撃力のような出力で測るのか? それとも最大MPのような容量値で測るのか?

 特に、【魔力】一つで攻撃力も継戦力も纏めて上がるような世界観でない場合(魔法に使う能力値の種類が多い場合)、その世界の冒険者が魔法使いを評価する際に何を一番重要視するのかがここに表れてくると思います。


 2.「どうやって」測るのか?

 例えば自分から水晶球に魔力を込めることで能動的に測らせるのか? または手を添えるだけで勝手に測ってくれるのか?

 要は前者であれば高い測定値を出したくない時に手加減できますし、後者でしたら魔法の使い方を知らないけど潜在能力が高いことが問答無用で判明したりします。

 現実の例で出すなら前者が握力計で後者が体重計みたいなものでしょうか。現実の器具と同じように、測る際の原理にまで言及しておけば、その原理を逆手に取って測定結果を誤魔化す展開にも説得力が出てくるものと思われます。


 3.「何故」測るのか?

 例えば、高い魔力を持つ人員をリスト化して国が把握しておきたいからでしょうか? その場合は魔力の高い新人が現れるとギルドから国に連絡が行くでしょうね。物語的には後々の伏線にも使えますので美味しい設定です。

 或いは、潜在的に魔力が高い有望な新人を発掘したい意図があるのでしょうか? その場合は魔法学院のような機関から後日スカウトが来る展開も有るでしょう。

 開き直って、ゲーセンのパンチングマシンと同じような娯楽性重視でしょうか? その場合は1回幾らとお金を取ってギルドの収入の足しにするのも一案です。

 いずれにしてもこの手の魔力測定器具は大抵高価なマジックアイテムですので、「誰が」「何の目的で」わざわざ設置しているかは考慮しておいた方が良いのかなと思います。



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