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【知力】 ~そのキャラ、ホントに賢いの?~

 タイトルから挑発的な質問ですみません。この点、つまり「頭の良い・賢いキャラを書く」ことについては私も含めて大多数の書き手さんにとって頭の痛い問題じゃないかと思います。


 そんな訳で今回は、【知力】、或いは【賢さ】、【INT(インテリジェンス)】の能力値の話です。

 まあ覚えたり考えたり閃いたりする能力ですね。(投げやり)

 あとは魔法がある世界なら魔法の成功率や威力や最大MPに関係してくると思います。



▼知力は戦闘力のようにはインフレできない


 「主人公最強」タグのある作品では、【知力】を含めたあらゆる能力値が高く振り切れている万能キャラが主流のように感じられますね。

 でも戦闘力の高さを描写するのは比較的容易いですが、知力(キャラとしての頭の良さ・賢さ)の高さを描写するのは難しいことには同意して頂けると思います。


 戦闘力を高くしていく場合、例えば火力・防御力・速さ・持久力とかの凄さを演出する手法は偉大な先人の作品にも数多く残されてますし、想像力で補うこともできます。


 翻って、政略・戦略等を含めた「頭脳戦」を描く作品の場合、知力の高いキャラを演出するのはなかなか困難になります。

 幅広い知識や、情報を観察・分析する能力や、先を見通し二手三手先を予測する“読み”の力や、その他イロイロなアレを考えていくと頭がショートしそうになりますね。


 つまり何が言いたいかというと、頭が良い設定のキャラの印象は【知力】の数値よりも作者の知識や経験や発想等に大きく依存してくる訳でして。

 その点で失敗すれば、「【知力】の数値が高い割にはちょっと、その……アホ可愛い子だよね」と言われることになりかねないのです。


 ……正直なところ、この件につきましては自分にもブーメランが突き刺さる話なのでサラっと流したいと思います。ええ。私の作品で賢者がアホな子なのは主に私のせいです。


 とりあえず、タイトルの『ゲーマー視点』に戻りますと、じゃあゲーム的パラメータとしての【知力】とキャラとしての頭の良さ・賢さにどう折り合いをつけるか、その辺りを考えてみたいと思います。



▼【知力】と頭の良さ


 では「ゲーム的」に【知力】の存在意義はどこにあるか?

 身も蓋もない言い方をすれば、「魔法で殴る時の筋力」という扱いだけでも十分です。要は【知力】が高い程魔法のダメージや効果範囲が大きくなる、あとは最大MPに余裕が出てくる、それから制御性や精度が上がる、そんなところでしょうか。


 その場合、キャラとしての頭の良さ・賢さは、能力値としての【知力】と分けて考えても良いと思います。

 例えばVR物で、【知力】の高いキャラクターをプレイする時、もっと言えばゲームが現実になった展開で【知力】の高いキャラクターに変身してしまう時、そんな状況でいきなり人が賢くなるかと言うと難しいですよね。

 その場合、能力値名についても、魔法の強さに直結するのがメインなら【知力】ではなく【魔力】に変えた方がより判りやすいかも知れません。

 ただ、魔法関連の能力値として一本化せずに【知力】と【魔力】の二種類を用意しておくのは悪いことではないです。理由は【魔力】の項目で追って説明したいと思います。


 勿論、能力値の【知力】の高さとキャラとしての頭の良さをリンクさせた世界設定で作品を書いても構いません。

 そうする場合、【知力】の高いキャラは例えば語彙が豊富で難しい言葉をよく使う、博識で計算が速い、異国の言葉にも明るい、等の演出を入れるとそれっぽく見えると思います。

 反対に【知力】の低いキャラであれば、語彙が少なくて平易な言葉を多用するとか、長文台詞をあまり言わないとか、その世界で有名なジョークの意味に気付かないとか、比喩を比喩としてではなく直接的に受け取ってしまうとか、そういった演出が必要になるかも知れません。


 あとはレベルアップで【知力】が上がる作品の場合、例えば一般人の平均値が100として、仲間の蛮族が初期状態で【知力】30から最終決戦時に【知力】300まで上がるような展開はよほど上手く演出しないと不自然になりそうです。

 【知力】を頭の良さと直結させる場合、レベルアップでの増加量とか能力値のインフレとかに気をつける必要があります。



▼頭の良さの「軸」


 「学校の勉強はできないけど頭が良い」タイプやあるいはその逆のタイプを扱おうとすると、能力値が【知力】だけでは不足してしまいます。

 ゲームによっては知力関連の能力値を複数採用することで、「頭の良さ」のタイプ分けをすることがあります。


 古典TRPGの「ダンジョンズ&ドラゴンズ」では、【知性】と【判断力】の2つの能力値が存在します。

 このゲームでは【知性】が学問や魔法的な方向、【判断力】が常識や直感的な方向の「軸」を持っています。

 例えば【知性】が高く【判断力】が低いキャラは、博識だが常識に欠ける浮世離れした学者タイプ。

 反対に【知性】が低く【判断力】が高いキャラは、教養は無いが交渉術に長けた盗賊ギルド長タイプ。

 このように「頭の良さ」のタイプ分けが可能になります。


 他に、昔のTPRGの『パワープレイ』では知力系能力値の種類がやたら多く、【知力】【信仰心】【記憶力】【観察力】【精神力】【指導力】と6種類もの「軸」を持ってました。(【魅力】も含めると計7種類)

 うろ覚えですが、魔法の系統やスキルの種類が多かったんだと思います。


 こうすることで、単に【知力】一つに縛られず、6つは多すぎるにしても2つぐらいの軸を組み合わせてキャラの頭の良さの方向性で個性を出してみる手法もあるでしょう。



▼没ネタ


 定番のゲームの【知力】相当の能力値を列挙して、それが「ゲームデータ的に」どのような意味を持つのか説明する予定でしたが、出来が中途半端だったために断念、おまけ扱いで残骸だけ残しておきます。

 データ的な話なので、キャラの頭の良さとかそういう説明書的な要素は見なかったものとして考えます。【知力】が高いのにアホの子? 可愛くて良いじゃない、的な。


「ドラゴンクエスト」

 まずは定番から。ドラクエでは能力値名は【賢さ】でした。

 初期(3~6)では、「最大MPの上がり具合」と「呪文を覚える早さ」に影響しました。

 つまり【賢さ】が高いと最大MPも高くて呪文も早いレベルで覚える効果がありました。

 また、仲間モンスターの居るDQ5では、【賢さ】が低い(20未満)と命令を聞かずに勝手な行動を取ることが一定確率で起きました。

 DQ8以降になって、【賢さ】の数値が呪文の威力に影響を及ぼすようになりました。


「ファイナルファンタジー」

 もう一つ定番。FFでは魔法関係のステータスは主に【知性】と【精神】の二本立てでした。

 その中で【知性】が黒魔法・召喚魔法の成功率や威力に関わり、【精神】は白魔法の成功率や威力、あと魔法防御に関わります。

 魔法の系統によって【知力】相当の能力値を複数用意していました。


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