【幸運】 ~具体的に何をする為の能力だろうか~
今回は、【幸運】、或いは【運】、【LUC】の能力値の話です。
運の良し悪しを表す能力値ですが、ゲームとしてルール上どういう考えの元に設定されているかは様々みたいです。
▼ルール的な効果
上でも書きましたが、【幸運】の数値が高いと何が凄くなるのか、このルール的効果はゲームによってまちまちです。
以下に私の知っている例を挙げていきますが、開発者の趣味やゲーム世界創作のコンセプトが大きく反映される場合が多いと思います。
・攻撃時のクリティカルヒット発生率、または発生した際の威力。
・戦闘から逃走する際の成功率。
・敵の攻撃や罠からの回避率。
・敵がアイテムをドロップする際に良い物を落とす確率。
・バッドステータスを敵に付与する確率、または敵から受けるバッドステータスを回避する確率。
・ヒーローポイントの投入限界。
卓上ゲームの話なので少し補足すると、例えば【幸運】が高いと重要な判定で沢山ダイスを振れるようになる。その分成功率は大幅に上がるが、ヒーローポイントは消費型リソースなので後先考えずに使うとすぐに枯渇する。使いどころに注意。
ここまでの項目を分析しますと、「目先の戦闘を少し有利にするようなちょっとした幸運」というもので、例えば宝くじに大当たりするとか運良く家の地下から埋蔵金を掘り当てるとかそこまでの効果は期待できないようです。戦術兵装ではあっても戦略兵器にはなれない感じでしょうか。
あとは、【幸運】という能力値名に対して実態のルール的処理にイメージのズレがあったりもしそうですね。この効果なら他の能力値に統合しようとかスキルで代用しようとか、そういう細かい効果の寄せ集めみたいな印象があります。
▼読者の共感は得にくい?
小説として考えると、運だけで何とかする展開は、元からそういうコンセプトで首尾一貫した作品でない限り読者の共感が得られにくいものです。
やっぱりこう、運任せで済ますよりは、因果関係とか事前準備とかが作中できちんと語られた方が納得し易い部分がありますでしょうね。
なので、自作のゲーム世界を作る際は、「そのゲーム世界に【幸運】の能力値は必要か?」「【幸運】のルール上の効果をどうするか?」「他の能力値やスキルで代用はできないだろうか?」と考えてみられると良いと思います。
「元にしたゲームに【幸運】相当の能力値があったから」以外の理由があれば、貴方の書く小説では【幸運】のルールが物語上重要な役割を演出してくれるんじゃないかなと思います。
▼紹介コーナー
幸運無双系の作品、駄目元で探してみたら意外とありましたので、ここで紹介いたします。
紹介した以外にも何作か見つけましたが最初の数話でエタってる様子でした。どうも幸運無双物はネタが切れるとそのままエタりやすい傾向があるみたいですのでご注意下さい。
『運に極振りしたら大変なことになりました』
(http://ncode.syosetu.com/n8958co/)
『俺のゲーム内での悪運がハンパない』(※長期更新停止中)
(http://ncode.syosetu.com/n9023bv/)