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【能力値】 ~それって「どれくらい」凄いの?~

始めに書き記しておきますと、

別にゲーム物の小説が嫌いで皮肉っぽく書いている訳ではなく、

むしろ好物だからこそ気になる点を書き連ねたいと思いました。


私自身もゲームを題材にした小説を書いておりますし。

そちらの小説の方も、もし気が向きましたら読んでやって下さいませ。


 ゲーム物の作品、或いはゲーム世界でなくても「ステータス表示」の存在する異世界にトリップする系の作品を読んでると、たまに「筋力10万!」とか「魔力100万!」とかやけにスケールの大きな数字が飛び出してきますよね。

 その【能力値】を見て「すごいなー」とは思うわけですが、どのくらい凄いのか判別できる情報が一切無いというケースが多いように見受けられます。

 この例だと「平均的な成人男性の筋力は数値化すると幾らぐらいなの?」や「筋力10万だと結局一般人の何倍ぐらいなの? 何kgまで持ち上げられるの?」といったことを読者は知りたい訳です。


 つまりは、あなたの小説の舞台に【能力値】の概念を取り入れる場合、作品の中で公開するにしても自分の中だけに持っておくことにしても、その数字がどれくらい凄いのかは決めておいた方が良いと思います。



▼凄さを明確に(公開)するメリット


 まずやっぱり、読者の疑問が一つ解消される。これにつきます。だって、どれくらい凄いのかも判らずに「筋力53万!」とか「魔力256万!」とか見せられてもじきに読者の熱が冷めてきます。

 滅多に無いことだとは思いますが、最悪、「この人、数字の意味を考えずに小学生みたいに大きい数字を連呼してるだけなのかなー」と思われることすらあるかも知れません。


 それから、【能力値】の凄さを明確にすることで、登場キャラクターのできること・できないことの線引きをきっちり行えます。

 例えば、「旅の途中で道を塞いでいる岩をどかしたい」「橋が落ちてるので川を走り幅跳びで跳び越えたい」こんな場合、自分の作品のキャラが何kgまで持てるのか、何mまで跳べるのか、明確にしていると凄く書き易くなります。


 付随してですが、できること・できないことがきっちり線引きできていると前後の展開に矛盾が生じにくくなります。

 行き当たりばったりで話を進めていくと、「あの時は同じぐらいの大きさの岩を軽々と転がして進んだのに今回は何故か迂回した」とか「あの時は同じ幅の川をひょいと飛び越えたのに今回は何故か落っこちた」とか、話の矛盾を読者さんから突っ込まれることになりかねません。



▼凄さを明確に(公開)しないメリット


 あえて【能力値】の数値の凄さを説明しない、あるいは最初から【能力値】そのものを数値では公開しない、そのことのメリットは正に上記の裏返しでしょうか。


 まずは登場キャラクターのできること・できないことをあえてぼかすことで、展開の矛盾を隠し易くする。これは勢いで書き進めるタイプの作者さんにお勧めです。

 勿論話の前後が明確に矛盾するとかのケースでご指摘を頂くことは避けられませんが、そういう場合はそこまで丁寧に読んで下さっている貴重な読者さんということですのでご指摘を感謝して受け取りましょう。


 それから、あとは面倒な設定や数式を考えなくて良い点でしょうか。

 例えば「直径5mの岩は重さ約何トンでこれを持ち上げるには幾らの【筋力】が必要でもし4人で力を合わせて抱えるなら1人あたりどれだけ【筋力】があれば良くてでもパーティに1人非力なメイジ幼女が居るから……」とか事あるごとに考え出すと執筆が先に進みません。

 理系の方とかはこういうのを突き詰めていくのが好きでしょうけど、小説を書く方の文系比率を考えるとあれもこれも数値化・ルール化して計算で出すような苦行はなるべく避けたいですよね。


 あと、【能力値】をぼかす亜種としては、数値で明確にせずにランク分けして、「超スゴイ」「スゴイ」「普通」「苦手」「超苦手」ぐらいに分けるのもお勧めですね。或いはよく見るのはA~Eランクとかでしょうか。

 明確に数字にしようとすると最初は楽しくても後々結構面倒ですし、一つ考慮なさっては如何でしょうか?



▼そんなわけで……


 纏めると、


 【能力値】を数値化するなら「その数字がどれくらい凄いのか」を明確にしよう!


 明確にするのが面倒なら数字をぼかして何段階かにランク分けするぐらいでも良いよね!


 それだけのお話でした。


 個人的に趣味としてTRPG(いわゆる卓上RPG)を遊んでいますが、その手のゲームでは【能力値】の数字によってできること・できないことが明確にシステム化されてますので、慣れるとどうしても反射的に気になるのです。「その【能力値】の数字はどのくらい凄いの?」と。

 余談ですが異世界ものの小説を書かれるなら是非TRPGを遊んでみるのをお勧めします。異世界感とか数値感覚とか創意工夫で何とかしようとするところとか意外と共通部分が多いです。


 それはそれとして、【筋力】【敏捷】【魔力】みたいな個別の項目については次回から別個に書きたいと思います。



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